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【映画】スラムダンク 腰の入った正拳一発!

まずはよくここまで情報を伏せて公開したな、という。

シナリオ的な再構成もすごいけど、一番すごいのは
「見たこともないバスケアニメ」という
新しい映像が発明されていることだろう。

実際の試合の淡々としたスピード感でも
あの山王戦のドラマが現出する所を目の当たりにして
「あれは漫画だから」という感想が以下に陳腐か思い知らされる。

陳腐ついでにいうと、厳密にはミッドポイントで
宮城の価値観ががらりと変わって一気に勝利を目指す、
という形がハリウッド的には正しい。

実質宮城が主人公であるというのは
「出番が多い」くらいの意味でしかない。

他のメンバーも含め
驚くほど淡々と、体育館のスケールや地元の風景など
真正面から描写されている。

それは井上雄彦のいつもの作風でもあり
「自分、これしかできないんで」という
朴訥なつぶやきのようにも思える。

その上で、内容には絶対のバランス感があって
広報なんてしなくていい、見てもらえれば、
というスタンスもまた朴訥さの発露のようだ。

バスケコートをリアルに感じる無音状態のOPから
やたらかっこい音が入ってきたと思ったら
音楽もBirthdayかよ。
それ俺も聞いてるやつだよ!

それ流しながら線画が
3Dになっていくとか、もう……!

色々とこざかしく技術や企画をこねくり回す
現代の業界が恥ずかしくなるような真正面からの一撃。

例えば色んな新型格闘技(そんなんあるか知らんが)が
隆盛する世の中に
ひたすら腰の入った正拳突き一発、というのが
何より強い、というような。

すごすぎる。
また見に行こう。

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