「この地球での“体験”を、ただ、楽しみたい。」

しみわたる。
そして、あまりの大きさに、少し、うろたえる。
なぜ、涙が出るかわからないけれど、きっと嬉しくて仕方がないのだと思う。

「いま、ここにいること。
ここに、生きている、ということ。」

まさか、自分からこんなことをいう日がくるなんて、思いもしなかった。
今も少し、照れてしまう。
けれど、それもきっと、”ほんとうのこと“という証なのかもしれない。

ここに生まれた意味。
いま、ここに生きている意味を、見つけなければ。いや、何か必ずその答えがどこかにあるはず。それを、見つけなきゃ。出来るだけ早く。

とずっと、思っていた。

何かを成し遂げることが良いこと。
と思っているから、“何かをすること”に必死だった。
どれだけたくさんのことをやったのか、“結果”を積み上げることがいいことだと思っていた。

でも、ふと気づいたことは、なんてこともない、とても素朴で純真な願いだった。

「この地球での“体験”を、ただ、楽しみたい。」

あまりにピュアだからか、自分で言いながら照れてしまう。
本当に、まさかこんなことを言う日がくるなんて、とびっくりしている。

けれど、心を開く、とはこういうことを言うのか、とまた一つ“体験”をした。私の中に生まれた感覚を、無かったことにしたり、自分を自分で小馬鹿にしたりしないこと。真っ直ぐに、見つめてあげることなんだなと。

美味しいものを食べて、あーおいしいな、って感じること。
お気に入りの場所に行って、あー素敵だな、って感じること。
なにか自分の表現をすること、それを人に見てもらうこと。

ただ、それをすることを楽しむ。

単純のようでいて、難しかったりする。

何かを求められている気がしてしまうし
期待があると感じて応えたいと勝手に思ってしまうし
“何か”しなきゃと焦燥感に駆られたりもするし
今までの“生きる”の捉え方がひょっこり変わってしまったから。

純真な願いに、この地球の大きさに、立ちすくんでしまう。

もし、それが一つの扉のようなものだとしたら、
閉じることはせず、開け続けることを、それ自体も楽しめる自分でありたいと思う。

Written by miyu（画家・詩人） /　2021.11.26

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