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料理の宿 伊豆のうみ(静岡・伊豆高原)宿泊記*2016年11月

小規模旅館ならではの、ゆったりとした滞在が叶う宿


今回宿泊した「料理の宿 伊豆のうみ」は、伊豆高原浮山温泉郷にあります。幹線道路「東伊豆道路」から温泉郷へ入る所に、大きく「立入厳禁」と書かれた温泉管理事務所の看板があります。何も知らないと焦りそうですが、事前に予約確認のメールをいただいた際に、「この看板を無視して入って結構です」との案内がきちんとあったので大丈夫でした。

宿へ入ると広い帳場とロビーがありますが、ここではチェックイン手続きはせず、直接お部屋へと案内されます。

チェックインの際に、お部屋のコーヒーメーカーでいただくための豆を4種類のブレンドから選ばせてもらえます。たっぷり100gもあるので滞在中何杯か楽しめますが、湯上がりの一服は、我が家はコーヒーよりもビール派なので、大切に持ち帰らせていただきました。

[客室]広々した和洋室でゆったり寛げます

こちらの宿は、以前企業の保養所だった建物をリノベーションしたそうで、元々2部屋だったものを1部屋に造りかえて、現在は全6室となっています。

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今回泊まったのは「露天風呂付き和洋室(ダブルベッド)」。6室の中では一番リーズナブルなお部屋で、10畳の和室に、同じくらいの広さの洋室、そして部屋から突き出したように露天風呂がついた間取りとなっています。

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洋室のベッドの横には有名デザイナーのラウンジチェアが置かれていてスタイリッシュな雰囲気ですが、籐の衣装掛けは一昔前のデザインで、そのすぐ横にはメタリックなオーディオが置かれていたりして、洋室のインテリアには、ややチグハグな印象を受けました。また、テレビは和室のみで、ベッドに横になりながらテレビを観るという寛ぎ方はできません。

[温泉]すべての客室に源泉掛け流しの露天風呂が

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全室に源泉掛け流しの露天風呂が付いています。宿の屋号で「うみ」と称し、地図で見ても海には近いのですが、周囲を森に囲まれているため、海を見渡せる立地というわけではありません。その分、木々の間を飛び回る鳥たちのさえずりを一日中聞くことができ、木漏れ日の中で温泉を楽しむことができます。

客室のお風呂は、森の空気や風を存分に感じられて気持ちがいいです。ただ、洗い場も露天なので、冬は寒そうです。また、洗面台がお風呂場とやや離れた、窓辺の廊下に配置されていて、使い勝手がちょっと悪いのが気になりました。

貸切のお風呂は予約制で、無料で1回につき45分利用できます。チェックインの際に案内があり、その場で予約をしました。大きな檜の内風呂と露天風呂がありますが、何と言っても露天風呂が圧巻です。

奥行きが1.2mに対し、横幅が7mもあって、貸切にはもったいないほどの広さです。お湯は無色無臭ですが、pH8.7というやや強いアルカリ性ということで、角質を取れやすくする泉質で「美人の湯」と呼ばれているそうです。貸切露天風呂からも森が眺められ、私が湯船に浸かっているとき、一瞬ですが大きなリスが駆け回るのを見ることができたので、明るい時間帯に入ることをぜひおすすめします。

[食事]伊豆の海の幸がふんだんに楽しめます

夕食は公式サイトなどでは食事処でとの表記がありましたが、チェックインの際に、部屋食にしてほしいと宿の方からお願いされました。しかしその直後に、他のお客さんの都合でやはり食事処でお願いしたいと言われ、結局食事処でいただくことになりました。食事場所について、到着後に話が二転三転したのが少々スマートさに欠けました。

お料理は、伊豆の宿らしく新鮮な魚介を中心に、旬の食材を取り入れた懐石料理です。どれも丁寧に出汁が取られていて上品な味わいで、静岡の地酒とよく合っていて、どんどんお酒が進みます。全体的に控えめな盛りつけでしたが、少食の我が家にはちょうどいい量で、最後の金目鯛のしゃぶしゃぶと〆のうどんまで、美味しく完食できて大満足でした。

朝食も、夕食と同じ個室でいただきました。朝は大きな窓から景色が眺められるということで、夕食では向かい合わせだった配膳が、窓に向かって横並びに配されていました。前日のしゃぶしゃぶで盛られていた大ぶりな金目鯛の頭がまるごと兜煮で登場し、インパクト、味わいともに高レベルでしたが、個人的には、肉厚で脂が乗り、熱々で供されたアジの開きが絶品で気に入りました。

夕朝食ともに配膳をしてくださった男性スタッフが、まだ日が浅いのか、始終オドオドされていて、料理の説明もたどたどしかったのが少し気になりましたが、にこやかでチャーミングな女将さんをはじめ、他のスタッフの方々も気張らず親しみやすい接客をされていて、トータルでは大変気持ちの良い滞在ができました。当日は満室だったようですが、他の宿泊客と顔を合わせることが一度も無く、導線の配慮が上手にされているのを感じました。

こちらの宿は、静寂の中で、好きな時に好きなだけ温泉を楽しみ、新鮮な海の幸を堪能したい方や、誰とも顔を合わせずプライベート感を重視したい方にぜひおすすめしたい旅館です。

※写真と内容は2016年当時の情報です。ご了承ください。

※写真が一部紛失してしまい、少ししかなくてスミマセン。


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