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桐のかほり 咲楽(静岡・今井浜温泉)宿泊記*2018年10月

4室という規模ならではの、行き届いた細やかな配慮が心地よい宿

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今回訪れた「桐のかほり 咲楽」は、東伊豆・今井浜海水浴場を見下ろす小高い丘の上に建つ、4室のみの小さな宿です。伊豆急「今井浜海岸」駅のすぐそばで、電車でのアクセスもとても便利です。

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到着すると、囲炉裏のあるロビーで抹茶と自家製の栗茶巾絞りをいただきながらチェックインを行います。その後、食事処や貸切風呂の説明を受けながら客室へと案内していただきました。

[客室]桐のぬくもりに癒される和洋室のお部屋

今回は1階にある「波の詩」という部屋に宿泊しました。キングダブルサイズのベッドが設置されているフローリングの寝室(10畳)の奥に、4.5畳の和室と客室露天風呂のある、40平米の間取りのお部屋です。

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宿の名前にあるとおり、建物には桐材が多く用いられており、客室のフローリングも無垢の桐でした。柔らかい木材なので傷つきやすいはずですが、大変きれいに手入れされていて、裸足で歩くと一般的なフローリングよりもサラサラとした感触で、冷んやり感が無く木のぬくもりが伝わりとても気持ちがいいです。そのため、室内にはあえてスリッパは用意されておらず、桐の感触を楽しんで欲しいとのことでした。

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掘り炬燵のある窓辺の和室は、こぢんまりとしていますが窮屈ということはなく、むしろ絶妙な居心地の良さを感じます。

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大きな窓からは今井浜海岸がよく見え、目の前には立派な河津桜の木が植えてあります。こちらは2月ごろになると部屋から満開の河津桜を眺めることができ、大変人気のお部屋となるそうです。全4室のうち、この客室のみ1階で、残り3室は2階に位置します。それぞれ間取りや露天風呂の造りが違い、ベッドもダブルやツインなど、部屋によって異なるので、HPなどで吟味して選ぶと良いかと思います。

[温泉]クセのない泉質で部屋風呂・大浴場とも清潔で快適

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客室「波の詩」の露天風呂は、露天とは言うものの、実際は窓を開け放つと露天気分が味わえる、屋根付きの半露天といった印象です。

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浴槽は石造りで、2人で体を伸ばして入っても十分余裕があるほど広々としています。寝湯ができるよう浴槽の底が一部高くなっており、横たわった体にフィットするよう緩やかな凹凸がつけられています。晴れた日には、横になった状態で星空を眺めることもできます。

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貸切風呂「湯楽」と、癒し処「夢想花」は2階にあり、空いていればいつでも自由に使うことができます。湯処の鍵を中からかけると入り口のランプが点灯しますが、このランプは1階にいても、階段の下から確認ができるので便利でした。

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貸切風呂にはシャワーブースが3つと、客室風呂より大きめの浴槽があります。客室風呂より広々と使えるので、ゆっくり髪を洗ったりするのはこちらを使うと良さそうです。

こちらの宿では、じっくりと長い時間お湯を楽しんで欲しいとのことで、貸切風呂、部屋風呂とも、温度がややぬるめに設定されています。部屋のお風呂については、フロントに電話すれば設定温度を変更していただけるとのことでした。

[食事]伊豆の美食をプライベートダイニングで

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食事は夕食・朝食とも1階の食事処でいただきます。食事処はそれぞれ個室になっており、プライベート感を保ちながらできたての料理を楽しむことができます。

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夕食は、海の幸が豊富な伊豆ならではの、豪華なお造りの大皿が印象的でした。伊勢海老の姿造りはまだヒゲが元気よく動いているほど新鮮で、地物の鮮魚を7種類も堪能しました。

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また、生産量が少なく地元でわずかに流通しているのみという希少なブランド牛「伊豆牛」を陶板焼きでいただきました。その際、生の肉を陶板に乗せるための割り箸を別に用意してくださり、細かな配慮に感心しました。

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食後に出された自家製の黒胡麻プリンは、部屋に持ち帰り夜食としていただきましたが、甘さが控えめで胡麻の食感が引き立った非常に美味しいものでした。

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朝食は、前夜の個室とは異なり、海が見える窓辺の個室でいただきました。小鉢に乗ったお刺身は、その日の早朝に近くの稲取漁港で水揚げされたばかりのイサキとのことでした。

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また、前日にお造りの盛り合わせに乗っていた伊勢海老のお頭が、味噌汁になって再登場し、味もさることながら見た目のインパクトも抜群でした。

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こちらの宿はお部屋、温泉、食事、どこをとってもきめ細やかな気配りを感じ、宿のすみずみまできちんと目が届いているなと感じました。4室のみという規模だからこそできるおもてなしなのだと思いますが、決して過剰にはならず、非常に居心地の良い宿でした。

観光メインの旅の拠点として泊まるというよりは、ゆったり心静かに温泉と美味しい料理を楽しんでリフレッシュしたいという方に、ぜひおすすめしたい宿です。

※写真と内容は2018年当時の情報です。ご了承ください。


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