見出し画像

ウエストサイドストーリー

人の記憶は、案外曖昧なもので、ジョージチャキリスは、マリア役のナタリーウッドの相手役ではなく、殺される身内の人間で、実際の恋人役は、リチャードベイマーであったり、後4年前に舞台での曲目順と、映画版では異なったりと、色々と微妙に変更点があることに、今回調べて、初めてわかりました。

余談ついでに言えば、昔、20世紀フォックスだった会社は、いつの間にか、ディズニー傘下の20世紀グループに(今回の上映会社)だったりと、目まぐるしく変わるのですが、全編2時間半ほどあったのですが、余りにも繋がりが絶妙すぎて、息を呑んでいる内に、いつのまにか終わっていた、という印象です。

今回の2021年版の特徴は、激突やジョーズの演出でもお馴染みのSスピルバーグの絶妙なカメラワークと、プエルトリコ人の集団であるシャーク団のよりネイティブに近い設定が大きく変わったところです。

さらに吹き替え版では、宮野真守などの、実際に舞台で演じた方々の吹き替えもあり、一回で2度も3度も楽しめる内容となっております。

簡単に説明すれば、ロミオとジュリエットのギャング団バージョンなのですが、憎しみと逆境が、有り余ったエネルギーをも捻じ曲げて、別の憎悪を生み、それが自制されないまま、更に悲劇を積み重ねる。といった感じが強いです。

それゆえ、最初にサラッと通り過ぎていく、悲劇の主人公をトニーを匿う、唯一の理解者、リタモレノ(実は61年度版にも唯一出演している方で、更に製作総指揮もしている)演じるヴァレンティーナの存在が、うな重の山椒の様にピリッと引き締めるのです。

見終えた印象は、吹き替えの歌がほぼない事もあって、それだけ見入ってしまったという印象が強いです。

愚かで賢い、弱いけど意外と強いところの人間の側面を様々なる名シーンを通して、あなたはみることになるでしょう。ドライブマイカーも勿論素晴らしいですが、上映が終わる前に是非見てもらいたい作品の一つであります!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?