向日葵の咲かない夏

【向日葵の咲かない夏】
『道尾秀介』

死ぬほどネタバレしてます


この作品未読の方、この作品やこの作者が好きな方、また低脳の書いた文章が苦手な方は読まないでーー

なう(2023/06/06 13:17:04)

叙述トリック。
そういう作品を読むのはこれで確か三作品目ですね。
この作品を読んだ理由は、自分にとってこれは良かった!という叙述トリック系の作品に出会いたくて色々調べた結果評価が高かったものだったから。
あと未読で気になってる段階で静岡の知り合いに一回おすすめされた。
後味が悪い系、鬱小説
みたいな観点からの評価も高かったので、
正直過度な期待をしながら読みましたが、結論、
そこまで刺さらず。
やはり未だ心を動かす程度の叙述トリックには出会えない…。
何度でも言うけどやっぱり叙述トリックは肌に合わないのかもしれない。中盤まで読んでいた作品が後半になった途端急にそんなご都合主義な!みたいな感じでこれまでの物語全部を蔑ろにされてる感がどうしても得意になれないというか、よく例えるんだけど寝取りされてるみたい。
これまで時間をかけて大切に大切に読んできてた言葉達が最後の最後で足蹴にされてる感じがして。
今まで読んできた三作品の中で特に強かったかもしれない。

叙述トリック系の作品であろうがどんなミステリー小説であろうが、基本的にバカの単細胞なので、登場人物のセリフや感情描写を疑うことなく真っ直ぐ受け取りながら読み進めていきました。

ミチオ(物語の語り手)には三歳の妹がいるんだけど、
自分にも年の離れた妹がいて、彼女が三歳の頃なんかをよく近くで見てたからこそ、ミチオの妹のセリフの現実味のなさを鼻であしらってた序盤。

正直一番ドキドキしたのはSくんの死体を発見する時かも。
描写がグロくて不気味だった。
あと前半の岩村先生?だっけ、の気持ち悪い変態性癖晒しは本当に可哀想笑。
あんなに尺とって結局変態晒されただけ笑
それも不法侵入までされて笑笑
本まで書いて凄い人なのは確かだけどそんな官能小説を小学生で賑わう図書館の地域の作家コーナーに並べるな笑笑

というか中盤まで読んでたらもうなんなら早く先生を追い詰める証拠揃えて全部提出して先生が捕まりました!の方が私は気持ちよく読めたかもしれない。
(また叙述トリックが肌に合わない発言…)

中盤でSくんの瓶に友達だよー!とか言って女郎蜘蛛ぶちこむシーンは気持ち悪すぎる。そもそも蜘蛛が嫌いなので。
今まで淡々と大人びたミチオが大人びた妹と転生Sと謎を解き明かしていくぞ!みたいな物語だったのに急にどした?薬でもキメたんか?と感じた。テンポよく進まなくちゃダメなのはわかるけど唐突にミチオが狂ってどした?と困惑。岩村先生のくだりあんなに長くしといてミチオが狂っています!描写がちょっと…なんて言うんだろうな、狂ってる描写を書きたいだけ!みたいに見えてしまった。凡人の感想。

まあ本質は結局ミチオが狂ってました!
展開なわけだけど、展開としては叙述トリックにありがちだよね。語り手が二重人格とかなんかそんなんも読んだ気する。

なぜ?なぜ?とどんどん深まる謎が楽しくて、読者としては特に謎を解明する必要も無いので気持ちよく解き明かされるのを心待ちにしていたのに、いやいやそれはちょっと無理矢理すぎでしょー展開が多すぎて後半大幅萎え。
トコさんが猫なのは好き。そういう設定が。
なんでSくんがずっとイニシャルなのかも疑問だし。
ミチオが他の人間に対して興味がないからなのかとも思ったけど、他の生徒の名前は名字出てるし。

あと妹に対して発情し出すみたいな描写も気持ち悪すぎる。
あれは人形にしてたのか?それともトカゲか?

動物虐待してしまう子供の精神的狂気とか、狂ってしまった母親とか教え子に発情する教師とかこれまた狂ってしまったおじいちゃんとか、そういう描写多分この作者そんな得意じゃなくないか?
やりたいことはわかるが気持ち悪さが伝わってこなくてなんというか、チープ。
一番怖いのは人間なんだよ。とかしたいんだろうけどなんかうすっぺらいからほんとに転生して蜘蛛になったクラスメイトとその死体探しますみたいなラノベ風の方が向いてるのでは。

自分があんまり楽しめなかったので失礼なことばっか書いてすみません。
まだまだ面白い叙述トリック探します。
以上。

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