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広報の目標はどう立てる?採用経験を活かした「ビジネス直結広報」という考え方

テックベンチャーで広報統括をしているSACO(さこ)です。
採用から広報に転身し、企業広報・採用広報・社内広報、3つの領域を担当しています。

広報のゴールやKPIはどう設定していますか?

広報未経験でベンチャーに入社し、広報部門の立ち上げを行ったときに、まず悩んだ部分でした。周りに聞き込みしても、会社によって・人によって、答えが全然違う。広報って奥深いと痛感しました。

今回は、わたしが意識している「ビジネス直結広報」という考え方をシェアさせていただきます。

広報のKPIはメディア掲載数?広告換算額?

広報を担当して1年半。メディア掲載数は、順調に上がっていき、月40前後ほどになりました。
掲載を増やしていくプロセスは軌道に乗ってきた。ただ、これからもっともっと数を上げたところで、会社に提供できるインパクトは比例して大きくなるのだろうか...。
そうもやもやしたとき、採用担当の経験を思い出しました。

採用担当として採用広報を経験し、学んだこと

もともとわたしは、採用を5年ほど経験しています。海外エンジニア採用担当として、各国のトップエンジニアを採用するミッションを追っていました。候補者が、アメリカのGoogleやfacebookといった人気企業を併願していることもしばしば。世界的には知名度の低い日本企業に入社してもらうのは、簡単ではありませんでした。

そこで、採用を成功させるために試行錯誤した結果、自然とやり始めたのが採用広報です。採用広報という言葉も今ほど言われていない時代でしたが、世界中から優秀なメンバーを獲得するためにどうにかしなくてはと、以下のようなことを実行し、応募者数・オファー受諾率向上へ繋げていました。

・自社の強みの分析(働く場としてどこが魅力的なのか)
・自社のブランディング定義(どんな企業として認識してもらいたいのか)
・ブランディング浸透施策(どうやって伝えていくか)
・効果検証(どのくらい届いているか、意図したブランディングとなっているか、結果応募やオファー受諾に繋がっているか等)

そう。採用担当として採用広報業務を行っていたとき、広報は採用を成功させるための手段でした。さらに、採用ページ・オウンドメディア・動画作成など、広報施策を行ってはどう採用に繋がったか、分析・改善も自然と行っていました。

これこそが広報の一つの形なのでは、と思います。広報はあくまで手段。ビジネス上達成したいことを後押しするツール。そう考えると、採用は広報活動と結果検証が一貫して自部門で行え、PDCAが回せるので、広報力を鍛える上でとてもよい部門だったように思います。

ビジネス直結広報という考え方

広報として独立した部署にいると、何のために業務をしているか、見えづらいなと感じます。つい広報部門単体で追える数字を使って目標を管理しようとしてしまい、メディア掲載数など目の前の数字に着目しがち。

しかし、会社にいる以上、各部署は事業成功のために存在しているはず。広報も、ビジネスの成功にいかに貢献するか、から考えるべきだとわたしは思います。それが、各部門の目標達成を後押しする「ビジネス直結広報」という考え方です。

企業広報は売上を意識

企業広報であれば、意識するのはいかに売り上げに繋げるか

営業から情報収集したり、マーケットリサーチを行って現状分析。例えば認知度はどのくらいなのか、自社製品を買わずに踏みとどまる原因は何なのか。課題を見つけ、それを解決するために広報施策を行います。

認知度が問題であれば、メディア露出数もKPIの一つに組み込んでもよいかもしれません。ただ、顧客になりうるターゲットはどんな媒体を見ているのか。それに基づいて、効果の高い媒体への露出を目指すべきです。

そして、ただ露出して、漠然と会社の認知度を上げるだけでは多くの場合不十分。どんな企業・または製品と認知されたいのか。ブランディングの浸透も、目標として持つべきです。そして最終的には、受注や購買に繋がったか、施策の結果を分析し、精度を上げていく努力も大事です。

広報部門からでは、受注や購買データへアクセスできない場合も多いと思います。そこは諦めずに、営業に相談をして共有してもらうのが良いかと思います。きちんと結果を分析して、次に活かしていきましょう。結果を出すことで、広報に協力したらメリットがある、と営業に思ってもらうのが理想です。そうすることで、連携がスムーズにとれるようになっていきます。

採用広報と社内広報でも

採用広報の目的は、もちろん採用。広報施策で応募者を増加させる、また辞退率を減らすと言った工夫ができると思います。採用部門と連携を取り、進めます。

社内広報は、会社によって課題も変わってくるかと思いますが、例えば離職率を下げる、カルチャーを浸透させる、メンバーの士気を高める、など目指すべき事があると思います。人事部門と連携し、課題を認識。それに基づいて、全社集会を企画したり、各部署の情報発信の仕組みを作ったり、社内報を作成したり。課題ごとにも様々な解決方法が浮かんでくると思います。

広報もビジネスマインドを大切に

ビジネス直結広報は、他部署を巻き込まなければならず、最初は抵抗感があるかもしれません。でも、営業・採用・人事チームの一員になったかの気持ちで入り込みましょう。少しずつでも成果を積み上げていけば、連携もどんどん取りやすくなっていくと思います。

会社の事業内容によっても、フェーズによっても広報に求められる役割は大きく変わってくると思いますが、一つの考え方として参考になれば嬉しいです。




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