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「自分を大切にする」がわからない。

突発性難聴になった際、近所の耳鼻科から総合病院に紹介状を書かれてすぐ行くように言われたのだけれど、その際に私は一つの判断ミスをしたと思っている。

それは入院をしなかったこと。今も思い出すとギュンッとみぞおちのあたりが痛くなる。入院して点滴治療したほうが服薬よりもステロイド剤の量を増やすことができ、回復する人の割合が多いと説明され、「入院するか今から1時間で決めて」と言われた。今思うと、この病院や医師の対応はとてもじゃないけど親身ではなかった。医師については、診察で言われたことを周囲に話すたびに周囲が「えっ……」とドン引きするほどだったので、そうとういろいろと問題ありだったと思う。

けれど、そこを追及したいのではなく、私がいま見つめたいのは「けっきょく自分は入院するという判断をしなかった」という点だ。

子どもがいること、仕事があること、夫に申し訳ない気持ちがあることなどから総合的に考えて、「1週間もの入院は無理」だと自分で結論を出した。

だけど、後になって考えると、これは自分を大切にしていなかったと言わざるを得ない。入院治療して良くなったかどうかは正直誰にもわからない。でももし自分じゃなくて、自分の子どもが同じ状況になったとしたら? 私は「少しでも良くなる可能性があるなら何が何でも入院させる」という判断をしていた。絶対に。それが自分には向けられなかった。

これまでわりと自分のことは甘やかしてきたつもりでいた。けれど、実際はとんでもない。めまいや吐き気などの体調が回復し、少し冷静になってきたときに思い返して、「私はちっとも自分のこと大切になんてできてなかったのだ……」と愕然とした。

自分を大切にするってなんなんだろう。自分の体と心を大切にするには何をすればいいんだろう。なんだこのEテレの若者向け番組にありそうなテーマは。もう45歳なんだけど。それでもやはり自分はいまこの問題と向き合わないといけないと思う。同じ後悔を繰り返さないためにも。


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