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焦点(日記60)

ものごとには焦点が大事なのだという。レンズでエネルギーを集める一点。何かをするのにそこに力を全て注ぎ込むイメージ。比喩としてもよく分かる気がする。

取捨選択したほうが確かにうまく出来るのもわかる。とはいえ、あれもやりたい、これもやりたいと思うのが人情。選択のなにが怖いかと言われれば、時間をかけて手に入れたはずのものが、手に入れた後にはとくに欲しいものではなくなっていることだ。

良い例かどうか分からないけど、私は教員免許を持っている。そのために余計に授業に出て単位を揃える必要があった。大変だった。そうまでして取った免許だけど、結局一回も使っていない。

あの時間を勉強に打ち込めばひょっとすると物理の大先生になれたかもしれないし(まさかね)、プライベートに使えばもっと楽しい思い出が増えたかもしれない。でもそれは言っても仕方の無いことだ。人生は一度しかないから、そっちのルートを確かめることはできない。

それなら結局、ものごとに焦点をあてて取りくむ方が良いということなのだろう。もちろん余計に受けた授業もたぶん私の役に立っているとは思う。