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ACシリーズを追って来た者から見たACⅥの感想

どーもしーなありさです!!
今回は8月25日に発売されたアーマード・コア最新作「Armored Core Ⅵ Fires Of Rubicon」(以下ACⅥ)をトロコン&100時間以上プレイした感想をストーリーには触れずシステムや挙動を中心に書いてみようと思います。

今作ACⅥは10年ぶりの新作ということもあってSNSを中心に盛り上がりを見せアーマード・コアをやってきた人からシリーズに触れたときのない人まで様々な人にプレイされる作品となっています。そんな新作ACⅥはシリーズを追って来た者にはどのように映ったのか。それを自分の言葉で書き留めておこうと思います。
アーマード・コアシリーズは小学生の時に「AC2」を始めて以来家庭用ゲーム機向けに出た作品はAC3PとACLRP以外はプレイしています(ACMoAのEDだけは見れなかったですが…💦)。

アーマード・コア新作をありがとう

早速感想を書こうと思ったが、最初にこれだけは言わせてほしい。
アーマード・コアを終わらせないでくれてありがとうございます。
20周年記念の生放送があった2017年。放送の最後に交わした約束「このまま終わらせるつもりはない」。それから5年。新作PVが公開された時あまりの嬉しさで朝から大きな声が出てしまった。
ACⅥがどれだけ大事に育てられて来たか、どれだけの情熱が注がれて作られて来たかは開発者インタビューを見ていて凄く伝わってきたし、それだけに大きな期待を持ちながら発売を待っていた。あまりに楽しみにしすぎて発売1週間前に体調を崩してしまったのはここだけの話。

それではここからはシリーズ経験者視点でACⅥについて好きに感想を書いていく。

現代に蘇ったアーマード・コア
操作感は驚くほど直感的

まずはACⅥの操作感について。
これが本当に動かしやすくストレスが少ない。
Ⅴ系をベースにしたような操作性ではあるが鈍重な動きではなく、N系のように軽やかに動きジャンプやブーストを使った垂直上昇も出来る。地上移動時にはⅤ系同様のブーストモードが採用されONにすることでEN消費無しでブースト移動が出来る。4系のような瞬間移動が可能なQB(クイックブースト)とⅤ系のグラインドブーストのようなAB(アサルトブースト)が存在する。これらが上手くブレンドされているので思い描いた動きを再現しやすい。そして何よりもスピード感がちょうどいい。
以前の速いときは500km/h~800km/h超で動き回るシリーズもあった。しかし今作では過度な速さに振り回されたり退屈するような遅さもない程よいゲームスピード(機体スピードもAB時に500km/hくらい)なので上記操作ブースト操作が少し複雑ではあるものの、後述するターゲットアシストなどもあって想像よりも難しいという印象はなかった。

新要素はどのように影響しているか?

発売前から今作には新しい要素として「ターゲットアシスト」「スタッガー」が大きく取り上げられていた。
この2つの要素自体は過去ACシリーズにも合った要素ではあるがACⅥに実装されたものは過去のものとはほぼ別物とみていいだろう。

ターゲットアシスト

AC4以降のシリーズで採用されていたものと似た名前をしている「ターゲットアシスト」。しかし中身は「アシスト」ではなく「オートエイム」に近い性質のものであった。
戦闘中にボタン1つでONとOFFが出来るものでONにした時に敵1体を注視する。この際カメラ操作は一切必要なく自機や敵が素早い動きを繰り返し行っても相手を画面の中心に捉え続けるといったもの。複数の敵がいる場合はカメラ操作を行うことで注視する対象を変えることも可能となっている。
アーマード・コアという作品を難しいものにしていたものとして「サイティング」と言われるものがある。大体の作品ではロックオンサイトと言われる画面上にある枠内に敵を捉え続ける必要があったが、今作では4系のようにロックオンサイト自体が廃止されているのでターゲットアシストを使わない状態でも画面内にさえ収めておけばロックオン自体は出来るが、特別なことがない限りはターゲットアシストはONのままでいいと思う。

スタッガー

これは過去シリーズにはなかった新たな要素で相手に攻撃を与える事で専用のゲージが蓄積していき限界を迎えた際にスタッガー状態となり機体が一時的に操作が出来なくなる。その時に受けるダメージは「直撃」扱いとなり大ダメージを与える事が可能となる。またこのスタッガーは自機にも存在しているため立ち回りや戦略を臨機応変に変えていく必要があり、チャンスとピンチが一目で分かるようになった。
過去作でも衝撃自体は存在したが今のように分かりやすいものではなく衝撃の強い弾が1発でも当たれば固められて何も出来ないまま撃破される事が有るものだった。しかし今作ではゲージが溜まりきらない限りは動く事は出来るので固められて一方的な展開にはなりづらくなったと思う。
だからといってグレネードなどの高火力攻撃に真正面から突っ込んで耐えられる訳では無いので武装の圧が減るなどといった事は起きていない。

新要素は好印象 ただ少し気になるところも

初心者にとっては難易度が下がったり攻めるタイミングが分かりやすくなったりと良いとこ尽くしな新要素。シリーズをやって来た者としては良くも悪くも楽になったといった印象である。
スタッガーはストーリーやアリーナなどでは面白い要素だし好意的ではあるが、オンラインでの対人戦では武器バランスの影響などもあり少々悪さをしているようにも感じる。ここは今後のアップデートに期待だ。
ターゲットアシストに関しては捉え方によっては少し思うところはある。
もちろん便利な機能で私自身も積極的に使っているものではあるし、ゲームデザインを見ても使う事が前提となっている難易度にも感じる(ボス戦やAC戦)。それは問題には感じないのだがターゲットアシストの影響でプレイヤースキルが隠れてしまっている気がする。というのもサイディングはFPSで言うところのエイミングの様なものなのでプレイヤースキルを測る1つの物差しであったと私は感じているのでこれが無くなったのは少し寂しく思う。
ただだからと言って安易にロックオンサイトを戻して欲しいとは思わない。むしろ今のままでいいと思う。アクションゲームとしての爽快感を生み出している重要な要素であると共に、現代らしく生まれ変わったアーマード・コアにわざわざ残すものでもないと思っている。ロックオンサイトはアーマード・コアらしいものではあったが、それがアーマード・コアの本質では無いしレガシーでもない。
この2つの新要素はゲーム性の向上と操作難易度を引き下げる事に貢献している素晴らしいものとなっていると感じた。

システム面の変更

新要素追加に伴い今作ではシステム面での変更点がある。
細かな検証などしていないので気付いた点など簡単なことだけ書いていく。

ロックオン距離の共通化

以前はFCSのロック距離に依存していたものが通常戦力やAC相手では大体500m以内、一部ボスなどでは600m以内に統一された。
これにより交戦距離が短くなり以前に増して激しい撃ち合いが行われるようになったり、ブレードがより機能しやすくなったので戦いの中での駆け引きはより熱くなったと思う。
ロックオン距離の共通化によって起きた弊害としてはアウトレンジからの射撃が行えなくなった。

脚部にアクション追加と仕様変更

共通の変更として背中のキャノン系武装の構えの仕様が変更となり2脚、逆関節などの足で射撃時の予備動作(膝をつく構えモーション)が無くなり射撃をした際の硬直のみとなった。4脚では地上ではキャノン武器は移動しながら撃つことが出来た。しかし今作ではホバリング中のみ移動撃ちが可能となり地上では2脚同様に硬直が発生するようになった。一方のタンクは今まで通りに移動しながら撃つことが出来る。
それ以外にも4脚とタンクに新アクション、その他の脚部に仕様変更が入った。
4脚では「ホバリング」アクションが増えブーストゲージを微量に消費しつつ移動と滞空が可能となった。なおホバリング中では高度調節が行えないため注意が必要だ。
タンクには「ドリフトターン」が実装されQB直後に入力方向に向かってドリフトを行う。これによってブーストモードで移動中に急速に方向転換が出来、相手を翻弄することが可能だ。そしてタンクではブーストモード使用時の地上速度が高速化した。高機動機体顔負けの速度で移動するので以前よりも手強くなっている。

EN回復のタイミング

今作のEN回復タイミングは過去作と大きく違う。
回復のタイミングが着地後一定時間経過したら回復が始まる。EN回復関連の数値は2つあり「EN補充遅延」は着地後の回復が始まるまでの時間を、「EN供給効率」は消費分ENを回復する速度で、EN補充遅延はジェネレータのEN補充性能とコアパーツのジェネレータ供給補正によって決まる。EN配給効率はジェネレータのEN出力と機体のEN負荷で決まる。
EN全消費からEN回復までのタイミングも変わっていて全消費後に一定量ENが回復した後に全回復へと向かうようになった。
上記パラメータと別に存在する「供給復元性能」と「復元時補充EN」でここの性能が決まり、前者はEN全消費から一定量回復するまでの時間で後者は一定量回復するEN量の値となっている。
このような変化があるおかげで以前のようにチャージングで動けなくなるようなことはなくなったのでだいぶ楽にはなったと思う。ただそれでもENを切らせば回避行動が行えないので相変わらずEN管理は非常に重要だし、アセンブルを組む際に上記4つの値を気にしながら組むことになるので期待を動かすときのストレスは減った分、アセンブルは少々気にしなければならない所となった。

チャージ武器のモーション追加と武装の仕様変更

チャージ武器はⅤ系にも存在したがACⅥのチャージ武器は性能変化とモーション変化がある。前者では攻撃力などが向上したり武器タイプが変わったりするものだが、チャージ攻撃をする際に腕部ライフルなどでは構え動作が入るようになり、ブレード系武装では溜めモーションが入るようになった。アーマード・コアらしくないヒロイックなモーションや必殺技のような大げさなモーションは必見だ。
モーション見たさにチャージを頻発して返り討ちによくあったりもします笑

パイルバンカーは弾数が廃止され無限に使用することが可能になったのと通常攻撃に他ブレードと同等のブレードホーミングが効くようになり当てられる武装へと進化した。その代わり通常攻撃ではレーザーブレードと同等の攻撃力しか出ない。今までのような破壊力を発揮したい場合はチャージ攻撃をする必要があるが、その場合はブレードホーミングが無くなるがまだ当てやすい部類だと思う。

火炎放射器はロックオンが出来るようになり銃口補正が効くようになった。さらに射程距離が目に見えて伸びていて200m以内の相手を燃やすことが出来る。熱暴走が無い今作ではスタッガー状態になりやすくするACSエラーを引き起こすことが出来る武器となっているため近距離で非常に脅威となる武装となっていて事あるごとにお世話になったりした。

アセンブルの難しさはそのままに
優しい配慮が随所に

繰り返しになるがACⅥは10年振りの新作だ。
その注目度故に今作からアーマード・コアに触れる人も多いはずだ。操作難易度は上記で述べたターゲットアシストによってだいぶ楽になり機体を動かすというハードルは下がった。
しかしアーマード・コアを難しくしている部分は操作以外にも存在する。その大部分はアセンブルにあるのでは無いだろうか。

アセンブルとは各カテゴリーで用意されたパーツを組み合わせて自分だけの機体を構築出来るものだ。

  • コア

  • ブースター

  • FCS

  • ジェネレータ

  • 左右背部武装

  • 左右腕部武装

ACⅥでは上記の11のパーツカテゴリーが存在している。頭から脚までが外見やAPに関わるフレームパーツ、ブースターからジェネレータが内装パーツで残りが武器パーツとなっている。
これらのパーツを使って機体を構築していくのだが、積載上限やEN上限といった制限を超えないようにしながら求めたものに近づけたりミッションなどの目的に応じた機体を作っていくのがアセンブルの本質的な部分である。

各パラメータにヘルプが付いた

アセンブル画面から直接パーツパラメータの解説が見れるようになっている配慮には驚いた。以前までは攻略本を見るとか自力で調べるとかしていた所がゲーム内で(一応)完結するのはいいことだし、この項目の多さと細かさはやはり始めたての人には難儀なものだし正直自分もそこまでしっかり理解しているわけではないので非常に助かっている。
これによって機体構築における難易度が大幅に下がるのではないだろうか。

余裕が生まれやすいパーツバランス

今回のパーツパラメータを見ていると突き詰めない限りはかなり選択肢が広く見える。もちろん突出して強いパーツは何個かあるが所謂産廃パーツと言われるものは見当たらないように感じる。使えないパーツがないと言った感じでどのパーツでも戦えるようなバランスだ(ジャンクパーツは除く)。
特に脚部の積載上限はかなり余裕があると思う。軽量2脚でも高火力武器を複数持てるし重量2脚に至っては積載過多にはなかなかならないと思う。
武器においても注目されづらかった武器が軒並み使いやすくなったりシステムと上手く噛み合っていたりするのも選択肢を広げる要因となっている。

アセンブルの複雑さは変わらないがマイナスではない

アセンブルに関してもだいぶ優しくなったものの、やはりアセンブルは難しい。これは開発者インタビューでも触れられているところだ。
この難しさがアーマード・コアをアーマード・コアとして成り立たせているものだと個人的に思っているので、今回のように複雑さはそのままに初心者でも理解しやすい形に変わったのはいい傾向に見える。
配慮の1つにACテストから直接アセンブルの変更が行えるというものがある。今まではACテストとアセンブルでローディング画面を挟まなければ行けなかったが、ACⅥではポーズメニューからアクセスが可能となりパーツの性能を手軽に試すことが出来るのでパーツごとの特徴や機体性能の変化をスペック上だけでなく実際に動かして試すことが容易となったことで学ぶハードルが一気に下がったのではないかと思う。
自分としてもアセンブルを学び直すという意味でも大いに活用させてもらっている。

個人的に嬉しかったところ

個人的に嬉しかったこととして2つほどピックアップしたいと思う。

企業とブリーフィングの復活

今作ではACfa以来の企業が復活した。
パーツ配給を行う企業だけでも10社と多い方でこれは4系の次に多い。各企業ごとに特徴のあるパーツ群を見ているだけでも面白いがACの世界観がより色濃くなっている。
ちなみに自分はシュナイダー社が好きです。

フォトモード

好きな機体の好きなシーンを自由に撮れるモード。
アリーナやミッション中のカッコいいシーンを収めることが出来るのだが割と自由度が高いものとなっていて昨今のゲームと同等の機能が実装されている。ミッション途中に寄り道をしてルビコン観光をしながら写真を撮るのもまた面白い。

全体の感想

ここまで色々と書いてきたがシリーズプレイヤーとして全体的にどう感じたかを書いていく。
結論から言うと今作ACⅥは間違えなくアーマード・コアだという事だ。シリーズに初めて触れる人に向けた親切設計や10年で変わったゲームトレンドに流されてしまいアーマード・コアとして築いてきた物が崩れてしまうのでは無いかと発売前は懸念していた。しかしプレイを初めて見ると何をしていても「アーマード・コアをしている」感覚があり、その1つ1つに懐かしさを感じつつも現代ゲームとして洗練され進化したゲーム体験に新鮮さを感じる事が出来た。
ゲーム難易度に関しても色々言われているが、実際今作は歴代シリーズを見ても難しい分類だと思う。自分はシリーズで1番難しいと思っている。
だがこれは理不尽すぎる難しさではないと言っておく。
確かにボスには即死コンボがあったり、理不尽めいた攻撃、瞬間移動さながらの機動力でプレイヤーに襲いかかってくる。でもしっかりと観察しているとどの動きにも規則性がありこちらの距離や行動に応じて最適な攻撃を行ったり、攻撃前に動きが遅くなる瞬間があったりなど避ける猶予は間違えなくあった。
それにアーマード・コアはアセンブルをミッションに対して最適化していくことで攻略難易度が変化する。1つの武器やパーツにこだわればこだわるほど難易度が上がっていくのでアセンブルを見直せば攻略の糸口は見えてくるはずなのだ。
さらに言えばターゲットアシストの追加によって相手を見失うような事はほとんど無くなっているので高機動に翻弄され死角から攻撃されやられる事も無くなった。
なので自分はこの難易度に関して難しいとは思うが、やられた所から学ぶ事が出来ればACⅥの難易度は丁度良いと感じている。自分自身も一体のボスに半日以上やられ続けて腹立たしさも覚えたが、友人から攻略のヒントを貰ったりアセンブルを大きく変えたり観察して攻撃パターンを覚える事で攻略する事が出来た。
このゲーム体験は過去から続くアーマード・コアシリーズそのものでシリーズ経験者としては懐かしい感覚で非常に満足している。

個人的な今後の要望

今後のACⅥに期待したいのはやっぱりストーリーの拡充が欲しい。
本編が物足りないんじゃなくもっとこういうのが見たい。それだけ本編のストーリーが楽しかったのでDLCとかで出てほしいなと思う。
あとは協力ミッションを今こそやりたい。大規模作戦みたいなノリで戦いたいよなぁ…笑
パーツももう少し増えないかなとか。バランスとるの難しいのは重々承知の上だけどもレールガン復活とか見たいですアーキバスさん。カッコいいブレードがもっとみたいですタキガワハーモニクスさん。コーラルをもっと燃やしてくれ技研さん。企業頑張って。
ACVDやったBGMのDLCも欲しい。世界観と合いづらいかもしれないけどあの演出とかアレンジ好きだったのでまた聴きながら戦いたい。

まだ要望(欲望)は多々あるが書いていたらキリがないのでここまでにしておく。

まだ発売から1か月も経たないACⅥ。
今後どのような調整が入るのか。新コンテンツはあるのか。
楽しみに待っています。


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