Ingress: Overclockについて(グリフハック復習つき)
デバイスの操作時には安全に十分に気をつけてください。
以下の記述には筆者の推測も含まれています。
情報は2023/12/10現在のものです。
まずはグリフハックから
グリフハックとは
Ingressではポータルをハックしてアイテムを得ます。
Ingressにはグリフというものが登場します。ポータルネットワークを渡ってくる文字で、文字が意味を含む表意文字のようです。
グリフハックと呼ばれるものをすることでポータルからより多くのアイテムを得ることができます。
ハックを始める時にハックボタンを左上にスワイプするとグリフハックが始まります(REDACTEDではハックボタン長押しでした)。
まず、コマンドを入力する画面になります。コマンドの説明は後にまわします。少し経つと次に進みます。
グリフが順に表示され、全てグリフが出た後で、それらのグリフを出た順序で入力します。このグリフの列をグリフシーケンスと呼びます。グリフシーケンスにも文章のような意味があるようです。
ポータルのレベルによって出現するグリフの数が以下のように変わります。(Pnはレベルnのポータル)。
P1: 1文字
P2: 2文字
P3-5: 3文字
P6-7: 4文字
P8: 5文字
グリフハックボーナス
正しく入力できたグリフ数によってボーナス(ハックボーナス)がつきます。
グリフシーケンスを全て正しく入力すると、残り時間に比例したボーナス(スピードボーナス)がつきます。さらに、文字数によりグリフハックポイントがTranslatorの実績に加算されます。これは全問正解しないと加算されません。
1文字: 1ポイント
2文字: 2ポイント
3文字: 4ポイント
4文字: 8ポイント
5文字: 15ポイント
ハックの制限
ポータルのハックには制限があります。ハックするとポータルはオーバーヒートと呼ばれる状態になりクールダウンしないと次のハックができなくなります。
また、最初のハックをしてから一定時間内にハックできる回数にも制限があります。その回数ハックするとポータルはバーンアウトと呼ばれる状態になり、最初のハックから一定時間が経過しないとハックできなくなります。
これらの制限はデフォルト(何もModが入っていない状態)では、
クールダウンタイム: 自陣営ポータル 3分、その他: 5分
バーンアウトまでのハック回数: 4回
バーンアウト時に復活するまでに最初のハックから要する時間: 4時間 (これは短縮できません)
になります。
これらの制限を緩和するのが次のModです。
ヒートシンク: クールダウンするまでの時間を短縮します。
マルチハック: バーンアウトするまでの回数を増やします。
また、ヒートシンクをデプロイするとデプロイしたエージェントにだけ有効な効果が発揮されます。(Modの効果は全エージェントに適用されます)
すぐにクールダウンしてハック可能になります。
バーンアウトするまでの回数がリセットされます。(時間はリセットされません)
グリフハックコマンド
グリフハックを開始すると直後はコマンドを受けつける状態になります。重要ですが、ちょっと横筋にそれるので節を分けました。
この時いくつかグリフを入れることでグリフハックの挙動を変えることができます。MORE/LESS、COMPLEX/SIMPLEは後に入れた方が有効になります。(なお、ドローンハックではMORE/LESSは無効となります)
MORE: 既にポータルキーを持っていてもキーが出る可能性ができます
LESS: ポータルキーが出なくなります
COMPLEX: グリフハックの出題スピードが速くなります
SIMPLE: グリフハックの出題スピードが遅くなります
以上のグリフハックとOverclockには重複するところがあります。そのため、軽く復習しました。では、これらを踏まえてOverclockの話に入ります。
(グリフハックについては別記事にした方がいいかも…)
Overclockについて
Overclockのアナウンス
Overclockについて、公式には以下のニュースでアナウンスされました。
公式英語版:
公式日本語版:
OverclockはNianticの技術を導入した新しいグリフハックです。グリフが表示され、それを読み取って、その通り入力する、この基本は同じですが、現実世界との関連が強化されています。
この機能の導入はIngressのエンジニアリングディレクターのMichael Romero氏の講演で(おそらく)初めて公にされました。この講演については以下の記事を参照してください。
Overclockの技術
Overclockでは、Niantic LightshipのVPS(Visual Positioning System)という技術を使います。VPSはデバイスのカメラで撮影した映像から、デバイスのポータルからの相対位置を特定する技術です。平たくいうと実際にポータルの近くにいるということを特定します。
VPSを可能にするにはポータルの周囲の映像が必要になります。その収集のために行われているのがポータルスキャンです。対応したデバイスではポータルの周囲の映像を録画してサーバに送信することで、この収集に参加することができます(Scout/Scout Controllerの実績になります)。ポータルスキャンをする時には十分周囲に注意してください。
ポータルスキャンで収集された映像からLightshipのサーバでモデルが生成され、ポータルごとにVPSが利用可能になります。つまり、ポータルごとに十分良質な映像が収集され、サーバで処理されモデルが生成されたポータルでのみOverclockすることができます。
Overclockとは
Overclockでは、VPSによりスキャナの位置を特定し、4次元超立方体(Tesseract。2次元の正方形、3次元の立方体の4次元版)をデプロイすることを可能にします。
この超立方体にグリフが投影されます。ポータルネットワークから届くグリフの情報を単なる2次元ではなく4次元のものとして得ることで、より強力にポータルからアイテムを引き出すことができます。
問題は4次元のグリフを結局はスキャナの2次元画面に表示することになることです。
そのため、グリフの解読がものすごく難しくなります。
そのかわり成功すると、複数回のハックを1回のOverclockで行うことができます。まさにオーバークロックです。
Overclockは2023年6月に導入されましたが、この難易度の高さからか、あまり使われていなかったような気がします(筆者の勝手な感想)。
Overclockをすると有利なイベントがあり、再び注目を浴びました。以下のOperation Chronosです。
(Overclockをすると有利ですが、キャプチャとModデプロイでもOperationを完了できます)
このイベントがこの記事を書くきっかけとなりました。
前置きが長くなりましたが以下にOverclockはどうすればいいのか記載します。
Overclockするには
Overclockするには十分なスキャンが収集されてVPSが利用可能になっていなければなりません。Overclockが可能かどうかは、ポータルに印がついているかどうかでわかります。
OverclockするにはOverclock可能なポータルの20m以内に近づく必要があります。Overclockが可能になると、右下のボタンが押せるようになります。
ただしポータルスキャン同様、ある程度の機能・性能を必要とするためOverclockできないスマートフォンもあります。(ポータルスキャンができなくてもOverclock可能な場合もあります)
まずはグリフハックコマンドの入力画面になります。入力できるコマンドは今のところ(2023/12/10現在)MOREとLESSになります。
その後に、(リアリティ)キャリブレーションと呼ばれる処理に入ります。カメラから得た映像をサーバに送信して、モデルと照合してポータルからの相対位置を決定します。ポータルにスキャナを向けて少し動いてみてください。(なお、モデルの質がいい場合は全く動かなくても成功します)
Overclockする時には周囲に十分注意してください。
この時、カメラが有効になり、映像がサーバに送信されることにご注意ください。ポータルスキャンではデバイスに蓄積しておいてWi-Fiが使えるところでアップロードということができましたが、キャリブレーションはリアルタイムに行われます。
失敗すると再試行するか、キャリブレーションなしでOverclockをするか選択することになります。キャリブレーションなしの場合、ありの場合と表示や操作は同じですが、複数回ハックを1回でという効果はなくなります。キャリブレーションなしでOverclockすると終了後にキャリブレーションできるようにするべくポータルスキャンすることを勧められます。
また、Overclockはグリフハック同様、Overclockハックポイントが実績になりますが、キャリブレーション成功時はグリフ数に応じてグリフハックと同じポイントが得られる一方、キャリブレーション失敗時にはポイントが0.25倍(切り上げ)になります。
さらにキャリブレーションは成功すると、グリフの入力の成功失敗にかかわらずOverclockハックポイントを5ポイント得られます。
キャリブレーション成功時にはx4などの1度のOverclockで何回分のハックに相当するかが表示されます(失敗時はx1扱い)。この倍率は4とバーンアウトまでのハック回数の小さい方になります。
つまり(バーンアウトから回復してから)1度もハックしていない場合は4になります。これはマルチハックを入れていても4までにしかなりません。1度ハックしてからOverclockするとx3になります(ただしマルチハックでバーンアウトまでの回数が増えている場合は最大x4までになります)。
キャリブレーション後に、超立方体をデプロイすることになります。これがトリッキーです。超立方体はくるくる回り、スキャナの向いている方向に置かれます。どうデプロイするかで、場所と向きが変わり、この後のグリフの見え方が変わります。
どう置くといいかは各自でコツをつかむ必要があります。(それを求めていることはわかってはいますが…)
なお、キャリブレーション後は対象にカメラを向けている必要はありません。いかにも撮影しています感を出したままにするよりはキャリブレーション後にスマホを下に向けてデプロイすると周囲の人から見た不審者感が少し減るかもしれません。、
デプロイすると、その超立方体にグリフが描かれます。見にくい場合は動くことで違う視点からみることができます。
(なお、これは非常にわかりやすく表示された例です)
入力すべきグリフがわかったら(わからなくても…)中央下のボタンを押してグリフを入力します。
通常のグリフハックではグリフシーケンスを全て見てから、グリフシーケンスを入力しますが、Overclockでは、グリフを1文字みたら、そのグリフをすぐに入力することになります。その後、グリフの表示、入力をシーケンスが終わるまで繰り返します。(ぼーっと連続して出題されると思っていると終わってしまいます。)
通常のグリフハックと異なり一度入力すると前のグリフ入力には戻れません。入力中のグリフは確定までやりなおすことができます。
その後、結果が表示されます。以上でOverclockは終了です。まとめて行われたハック分のアイテムが一度に出ます。
読み取りにくいグリフ例
まずはこちら。
右上に、縦棒2本でPOTENTIALそうですが下の線が離れて見えて自信なくなります。
慣れてくれば、そのままでも想像がつきますし、この場合は少し左に動くとよりわかります。
実際にこれはPOTENTIALです。
次です。
中央に集まるタイプ。XMかTRUTHか(LIE(かSTRONG)か)最初は悩むところです。
上の両角が繋がってないからXMかなぁ、と考えられます。
実際XMです。
では次の例です。
中央に集まるタイプ。TRUTHかLIEか(XMか)。横の線がないのでXMではなさそうです。
焦ってるとTRUTHかLIEか間違えそうです。シーケンスから推測するのもありです。この場合AVOID/XM/MESSAGEと続いた4連だったので最後はLIEです。
グリフの形から言えば左下から右上に線がないのでLIEだとわかります。
では次の例です。
まんまとPORTALと入れてしまいました。よく見ると始点と終点が繋がっていません。これはIDEAでした。
次はこちら。
線が繋がっているグリフも繋がってないように表示されるので難しいです。これはPUREです。上に横棒と真ん中に三角だったらPUREかなと覚えてしまうしかない感じ。
次はこちら。
まんまとMESSAGEといれてしまいました。これはCAPTUREです。対称性の低さと始点と終点の位置が違います。
2次元グリフを見比べるとCAPTUREは右下の点を経由して二辺離れていますがMESSAGEは三辺離れています。
これだけぐしゃぐしゃだと、CHAOSだと気づくかもしれないですね。LEGACYが出ると混乱するかもしれません。
ENDはまともに見えない状態で出るとシーケンスから推測しないと厳しいです。ぐしゃぐしゃはCHAOSでなければENDを入れてしまうとか決めてしまうのも手です。
コツ?
Overclockが何かや、仕組みや、操作はわかっている。どうすればうまくできるのかが知りたいんだ!
そう言っているエージェントたちの声が聞こえてくるかのようです…
慣れるしかありません。
キャリブレーションを失敗させればOverclockハックポイントは低くなっても一気にバーンアウトさせることなくOverclockハックを試してみることができます。
どう慣れればいいのか?
いくつかポイントはあります。
どう超立方体を配置するか
これはどのようにするか何らかの基準で固定するとよいでしょう。それに対して自分を慣れさせるイメージです。
筆者はキャリブレーションが終わったら即デプロイしてしまいます(どうするといいかわからないので)。
グリフの形から絞りこむ
超立方体に投影するとはいえ、ある程度画数や連続性は保たれます。完全には保たれないので逆に騙されるかもしれません(上記のLIEの例)。SIMPLEやSEEならわかると思います。
ただし通常のグリフハックで出てくるグリフを覚えておかなければなりません。
あるいは崩れた表示の傾向からたぶんこれだろうと推測で入れてしまうという手もあります。PUREなどはちゃんと見えなくても変に見えたときの傾向があります。
グリフシーケンスから絞りこむ
出てくるシーケンスは限られています。通常のグリフハックのグリフシーケンス(の一部)しか出てきません。そのためグリフシーケンスを記憶していると有利です。
最初のいくつかわかったら次が、あるいは最後まで全部わかることがあります。例えば4文字グリフシーケンスでALLが最初にでるとALL/CHAOS/INSIDE/BODYしかありません(2023/12/17現在)。従って見てわからなくても続きを入力できます。しかもALLはわかりやすいです。
4文字(ポータルレベルが6か7)は比較的やりやすいと思います。
最後の手段…?
わからなかったらスキャナを強制終了してしまいましょう。
また最初からやりなおせます。わかりやすくデプロイし、わかりやすく表示され、わかりやすいグリフ(シーケンス)が出てくるまで繰り返すことも可能です。
あまりおすすめしませんが、ある程度慣れて成功体験を積むためには、こういう手段もありえます。特にOverclock可能なポータルが少ない場合はしかたないかもしれません。
(線が細い場合はスキャナかOSのせいなので、速攻強制終了してよいです)
Overclockその他もろもろ
Overclockのグリフの線
グリフの線が細く描画されることがあります。Androidデバイスで起こるようです。細く表示されたらスキャナを再起動すると直るようです。
(細いと思った時に再起動してしまいましょう。最初からやりなおせます)
Overclockとファーストハック
1日の最初のハックにはボーナスがあります(1週間続けてハックした場合は3倍、通常は2倍)。このボーナスはOverclockでまとめて行われるハックの最初の1回分にしか適用されません。
キャリブレーション
キャリブレーションはポータルスキャンの映像から生成されたモデルに対して行われます。従って、明るい時間帯の映像が多いと暗い時間帯でキャリブレーションに失敗します(たぶん。もちろん暗すぎると、そもそもだめです。光源の違いかスマホのライトを当てて明るくしてもだめだったりします)。
また、一時期地面をスキャンしないと弾かれたため、地面がデータに入っている可能性があります。
キャリブレーションできない時は時間帯や向きを少し変えてみるとうまくいくかもしれません。
ポータルスキャンしてモデルを改善することもできます。
Niantic Wayfarerアプリ(もう使えないかも)
十分にポータルスキャンが蓄積されてきてもモデルが生成されていないことがあります。そういうポータルはこのアプリからVPS ActivationすることでOverclock可能にすることができます。(ただし集まっているデータ次第です)。Activationにかかる時間(早くて数時間)とIngressのデータに同期されるまでの時間(24時間くらい)がかかります。
アプリはAndroid向けでアーリーアクセスです(2023/12/10現在)。
なお、このアプリの開発は(いったん)停止になりました(2023/12/13 AMA)。そのうち使えなくなるそうです。
(2023/12/23 アプリは起動できますが既にVPSのアクティベートができなくなったようです)
Overclock可能であるためには、VPSが有効化され、LocalizabilityがGoodである必要があります。
VPSが有効でもLocalizabilityがFairの場合はOverclockできません。追加のスキャンを行ったあと、再有効化を試みることになります。
VPSが無効でも十分なスキャンが集まっていると有効化をすることができます。一定時間内に有効化しようとするwayspot数には制限があります。
サーバ側の処理が終わると結果がメールで通知されます。データによっては有効化に失敗することもあります。
VPSの有効化には、最低10回のスキャンが必要で、さらに少なくとも最初と最後のスキャンが5時間空いている必要があります。
iOS版はこちららしいです(筆者はiOS環境がありません)。
Lightship開発者サイト
wayspotのVPSがどうなっているかを見ることができます。登録が必要です。
ポータルスキャンをサポートしているデバイス
ポータルスキャンやOverclockはデバイスにある一定の性能が必要です。
なお、ポータルスキャンができなくてもOverclock可能な場合もあります。
Brian Roseによるデモンストレーション
IngressディレクターのBrian Roseが実際にOverclockを行っている動画です。
見にくい場合に動いて確認している様子がわかります。
(実は筆者はもう動かずに推測して入力しています…)
なお、Operation Chronos前にグリフの種類を減らして難易度を調整したそうです。
このような調整は(難しい方にも簡単になる方にも)今後もありえると思います。
有志によるOverclockガイド
英語ですが、とても詳しいです。
日本語で読みやすいです。
グリフリスト。
ブラウザでグリフを回すことができます。
スキャナで動かせるようにできないか、に対するBrianの回答。ARなので自分で動くことを意図している(ので、できるようにする予定はない)。
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