【短編小説】ホワイトアウト・セッション
その小さなホルモン屋は、白い煙が充満していてもうホルモン屋なんだか何なんだかわからなくなっていた。
何人かが同時にホルモンを焼くとすぐにこうなる。
風呂に入っても丸1日は身体から匂いが消えない。
「でもうまいんすよね、ここのホルモン。ねっ、津軽ちゃん」
「津軽ちゃんなら、外で電話してるぜ」
「あっ、加地さんいたんですか」
「いや、途中参加。ってか、キミ誰? 水戸くんだっけ?」
「水戸は来てないです。俺、草間です」
「草間かあ。久しぶりだな。元気そうだな、煙で見えないけ