「グッドライアー 偽りのゲーム」 社会性病質者(ソシオパス)と一般人の違い


概略

ベテラン詐欺師のロイがせせこましい詐欺を繰り広げながら出会い系で出会った老婆。

その彼女が思いのほか大きな資産を抱えていることが分かりそれを丸どりしに行くのだが・・・

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ジジイが詐欺をしてはしゃいでいる姿はなぜか犯罪の性質に反してとても軽く感じられてしまう。
表面だけをなぞっているとジジババの化かし合いに感じるがその根底に流れるのは
「生まれながらの社会性病質者に携わる恐怖」

であり、それはなかなか一般人の当たり前の生活の中で味わうことはできない。

己の異様なまでに高い自己顕示欲を邪魔するものにはどんな短絡的に見えることでも平気で行い破滅させることを気にもかけない。
だから己のせいで60年間恨みを抱えている人間に平気で
「なぜそこまでする?」
と言えてしまう笑

ただこの映画で致命的なのは、永遠にも思える期間恨みを抱えて復讐心に燃えるババァが
「家族にも孫にも恵まれて幸せな人生を送っている」
という事。
それがどうも辻褄が合わずそこだけ説得力のある筋書きが欲しかったですね。
ここまで幸せな人生を作り上げた彼女が「今」なぜそれをする必要があったのか。

悪事を働くのに「理由」が必要なまともな人間となんの理由もなく行える人間の時間差が60年という歳月なのかもしれない。


そしてラストシーンのあの幸せそうな大家族に恵まれた完璧な様子を見てやっと彼女の気持ちのかけらが分かりましたね。
完璧で美しい人生に一点だけ曇っている事。
私たちがまるでガラスの汚れを拭くようなそんな感覚だったのではなかろうか…

さぁあなたはどう感じるだろうか。


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