読んだ物〜SW2.5リプレイ「10ガメルの心臓」〜

新年一発目の記事が読書感想文的なものになるとは思ってなかった。幻想詩人です。

さて今回のお題はソードワールド2.5リプレイ「10ガメルの心臓」
こちらの作品はTRPGソードワールド2.5という卓上ゲームのプレイ風景を読み物とした作品ですね。
昨今では動画でクトゥルフ神話RPGが隆盛を誇っておりますが、こちらリプレイ本は意外と古くからある読み物です。特にソードワールドは無印の頃から考えたら
相当古い。古参の部類ですね。その最新ルールであるソードワールド2.5の、現状最新のリプレイがこちらって感じです。

リプレイ本の評価点に、自分はそのリプレイのテーマなんかに何があるのかをみるんですが、本作の見所はいくつかありました。以下はその見所を箇条書きして観たいと思います。

1:最新データの運用に関して
リプレイ本を買う一つの理由としては直近で出た(出る)サプリメントの新ルールやデータを使用していて、その運用に関して公式のやり方はこうだよ。と示される点が個人的には重要です。
その点この作品はサプリメント「エピックトレジャリー」に記載されているルールをちゃんと使用していて、尚且つさりげなく「こんな感じで使います」というのを示してくれているのでとても良いですね。

2:シチュエーション
TRPGの、特にGMする側がいつもシナリオを考える時に悩まされることの一つに「物語の導入」というものがあります。
当然回数を重ねて経験を増やせばその辺りの解決策は自然と身についていくのですが、始めたばかりの初心者やそもそも回数を熟せていない人などにとっては常に、と言っていいくらい難しい問題だったりします。
リプレイや動画はその辺り「他の人はどういう導入を行うのか」ということを簡単に明示してくれるいいツールだと思っています。
今作は最初ちょっと特殊な入り方をしているのですが、読んだ人に「こんなやり方がありますよ・やっても大丈夫ですよ」というのが見えるなと思いますね。
注意点としてPLと事前に打ち合わせと話し合いが必須だよってのを書いていてもらえたらすごいよかったと個人的には思う。

3:物語生
読み物としてやっぱり大事な点で、これがつまらなかったら上記二点がどんなに良いものでもやっぱり評価が下がります。
今作は物語としてもしっかり出来ていてキャラの背景なんかを知るのがとても楽しいものとなってました。続きが気になるのは良い読み物。

4:その他
上記以外の点。参加プレイヤーの表現や文章的な相性なんかを含めた部分。
著者の前作「水の都の夢みる勇者」からだけど、個人的なことなのだが実は文体が合わないのかすらすらとは読めなかったりする。
それでもちゃんと全部読みたくなる点やシチュエーションの作り方・物語の進め方などはとても上手いと思うしGMとしてシナリオを作る上での参考になると思っている。

総評
現時点での評価はSW2.5ユーザーなら読んでおいて損はないリプレイだと思う。
もちろん読む読まないは個人の自由なので必須とかそういう話はしないけれども、個人的な感想を述べるなら良い一冊だと思いました。
あとすごい個人的な好きな点として表紙のイラストとか挿絵とかすごい好き。
どこにどんな絵を入れるかとかはセンスの問題だと思うのだけど、雰囲気とか本当に素晴らしくてそこだけで個人的な評価はすごい上がった。

どこかの誰かの何かの足しにでもなれば幸い。

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