読んだ物〜SW2.5:ショートストーリーズ〜

さて読んだ物の感想ということで、結構前に読んだものを引っ張り出してきたりしてみる。というかこれとても良い物ですので単純に書きたいだけである。

SW2.5:ショートストーリーズ〜呪いと祝福の大地〜

もうこれ発売が一昨年の2018年10月になるのだね!奥付の発行年月見てびっくりした!
さて本書の内容に触れる前に軽く解説を。
こちらテーブルトークロールプレイングゲーム:ソードワールド2.5の短編小説となります。
面白いのがこれリプレイじゃなくて小説なんです。書き手も挿絵描きも複数人いてソードワールド2.5の世界であり舞台であるラクシアのアルフレイド大陸で生きて生活している人々の物語が描かれているのですが、これがとても良い。

新米冒険者はどんな感じなのか・冒険者が引退したあとどういう生活を送るのか・そもそも冒険者は冒険を失敗したらどうなるのか・冒険者の店やギルドはどんな物なのかエトセトラetc。
リプレイだけだとなんとなくフワッとしかわからないことなんかが垣間見えたり、2.5からの新種族リカントやメリアについてグッと理解できる物語が詰まった一冊となっています。

内容に関しては短編集ということで多岐に渡るんですが、その中で個人的に好きな三つほどを紹介します。
まずは「死体回収屋の多忙な日々」著者は北沢慶先生。
冒険者が発見した遺跡の調査や探索で失敗し全滅した後どうなるのか。それに対してギルドや冒険者の店はどうフォローするのかという疑問のある程度の回答がこれ一つに出ています。
そして魔剣の迷宮に対しても、短編のあとのちょっとしたコラム的なものも含めて個人的には今までよくわかってなかった部分なんかにスポットが当たった感じがして面白いです。リプレイだけだとなかなかフォーカスしづらいところにスポットが当たっているともいえますね。というかこれ一本でシナリオネタになるよ本当。

次は「愛憎」著者は河端ジュン一先生。
これは解説入れちゃうとネタバレになるから詳細を書けないという難しいものになっていますが、なるほどこれもアルフレイド大陸の物語だと言える一作となっています。
先日感想書いた「10ガメルの心臓」でも思ったんですが、河端先生はこういうちょっとした設定を拾って広げるのが上手い人なんだなと思いましたね。多分発想というよりは着眼点が良い。もう一本の「これからの二人の話をしよう」も含めて河端ジュン一という作家の良さがとてもよく見える。もっと読みたくなること間違いなしと言えると思います。

三つ目は「手旗信号士ジャックの完璧から程遠い日」著者ベーテ・有理・黒崎先生
2.0のリプレイの頃からベーテ先生は面白いと思っていたのですが、こうして短編の小説を読んでみるとびっくりするくらい上手い。面白い。
もう一本「コカトリスの丸焼き」はとてもベーテ先生が書いたものです!って感じがするんですが、こちらの作品は良い意味で裏切られていてびっくり。
リプレイで「トレイントラベラーズ」を執筆しているところから、確かに鉄道関係のものを書いてもおかしくないのだけど、それにしてもシチュエーションが良いし読んでいて「なるほど確かに!」と膝を打ったくらいに考察が深い。
普通に長編のものも読んでみたくなることと思います。私は読みたいと思った。

他にも三名の方が四編の短編書いてますし、北沢先生も上記以外に「新米冒険者の旅立ち」という、イントロにちょうど良い短編書いています。
正直これとてもお買い得だし、もっとこういう本出して欲しいなと思う。
昔のシェアードワールドノベルみたいに出ないもんですかね?出版社に見えるように感想を出そうと思いました。

本当、面白いからユーザーは買って良いよ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?