出身ガチャ

「東京都出身です。」

と言うと

「東京のどこ?」と聞かれることがあるので自分の出身の場所を答えると

「へぇーいいとこ住んでたんだねー。」

と言われる。

驚くことに?こう言う風に言ってもらえるようになったのは大学を卒業してからだ。

でも自分の経歴を振り返ってみた時にそりゃそうかとなる。

小学校は公立の近所の小学校に通っていて、中高は私立。私立の中高に行く家庭なんかある程度収入がないと通わせられないし、都内だとほぼ生徒も都内出身だから驚かれることはない。大学で色々な所から上京してくる人もいるけど何の反応もなかった。というか東京のどこ出身か等掘り下げられる質問をされた記憶がない(皆僕に興味が無かったのかな。だから大学でぼっちだったのか!)。まあ都内の大学だったし都内出身や関東出身がある程度いるからなのかもしれないが。

浪人時代に予備校に入学する時、住所を書いたらチューターみたいな人から最寄駅を聞かれ、答えると「〇〇って住む所あるんだー!」と言われた。思えばそれがはじめてだったかもしれない。その時は「かなり駅からは歩くので…」と答えたが心の中では(ずっと歩いていけば住宅街だけどな…)と思っていた。でもそのチューターの人はどうやら地方出身だったようでその人にとっては信じられなかったのかもしれない。

それ以来あまり言われなかったが大学を卒業して一人暮らしをしてからだとかなり言われることが多くなった。というか知り合う人が地方出身で上京した人が多い。大学生の時は地方から出てきたての人が多いからあまり東京のこと知らなかったりするのもあるのかもしれない。言われる機会が多くなってから自分がどれだけ恵まれていたのかを初めて知る。自分と同じ東京都出身の同級生の数が歳を取る毎に減っていっていく。というか周りに地方出身者が多くなる。そうして環境の良さを知る。放課後にアニメイトに行くことが普通だった人もいればそれが当たり前にできなかった人もいるという訳だ。

こればかりは≒親ガチャ(というかほぼほぼ=に近い)なので勿論選ぶことができない。最近流行っている?曲で『オーバーライド』というボカロ曲があり、その曲の歌詞で「まあこの世の中ガチャの引き次第で何もかも説明つく訳だし」という歌詞がありそれに影響された形でこのタイトルをつけました。でも出身に関してはこれが殆ど当てはまっているだろう。親が仕事で海外に行っていたり海外住みだったら大学入試等で英語を苦にしない人が多いから帰国子女っていいなーと思う時期もあった。でも幼少期を海外で過ごしたら子供の頃何が流行っていたとか子供の頃の懐かしさとかの話では浮いてしまうかもしれないので今思うとどっちに転がってもないものねだりになるだろうなと思う。

港区女子という言葉が最近流行っているが、ああいった人たちはどこ出身が多いのであろうかとふと疑問に思うことがある。地方出身でコンプレックスがあるから都会に憧れて追い求めすぎた結果?はたまた元々都会育ちで、育ってきた環境未満の暮らしをするのが嫌だから?がめつくなるのかなと。

若い頃は当たり前だと思ってしまった居住環境も他人から見れば羨望の眼差しを向けられる環境なのかもしれない。当たり前と思わず感謝して生きていきたいし、自分に子供が産まれた時はそれ以上の環境を届けられるようになりたい。でもがめつくなったら嫌だなー。


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