第3回ポジショニング③
欲しい情報を最短の時間で手に入れる。
みんなが望むことだと思います。僕なんかせっかちでYouTubeでも早送りして見たいとこだけ見ちゃったり。でもそうして得たものって身にならないですよね。次、滑り出す時には好きなようにやっちゃってる。ただ消費してるだけなんですよね。口から入れたインスタントラーメンをうんこで出すみたいな。落ち着きましょう。筋肉にしましょう、脂肪だっていいんです。身につけましょう。
ここで紹介していく技術は、とてもシンプルですが身につくにはやはりそれなりの時間と努力が必要です。
滑りが1日でこんなに変わりました!みたいなやつじゃないです。付け焼き刃。
ちゃんと芯から熱を加えてトントン叩いて、それこそ硬いバーンをもろともしない鋭い刃に仕上がります。
このテキストはぜひそんな風に何度も何度も読み返して、理解しようとして下さい。流行りではない、風雪に耐えるような話をしています。
「ああそれね、知ってる知ってる」ではなく、まるで新しいものを見るように読んでください。書いていることをそのまままるごと受け取ってください。
そうすることで初めて、このテキスト以上のものを引き出すことができるはずです。
さてさて前回の続きです。
ポジショニング。
「板の真上」に「おしり」を乗せたまましゃがむにはどうするか。
と、その前に重心の位置について「共通認識」を持っておきましょう。
一口に重心位置と言ってもそれは前後左右上下、様々に移動します。
板のノーズ、テール方向を「前後」
つま先、カカト方向を「左右」
腰の位置の高さを「上下」
として話を進めます。これから先も出てくるので覚えておいてください。
まずここでいう「板の真上」というのは「左右」方向に外れないことです。「前後」はとりあえず置いておいていいです。
そして「下」に重心を下ろしていく。つまりしゃがむ。
一つの方法として、おへそを前に向けるように腰を旋回しながらしゃがむ方法があります。やってみてください。
腰の旋回に伴っておしり(特におしりの後ろ足側)が板の上に移動してくるはずです。アルペンライダーをイメージすると分かりやすいです。
でもこのやり方はアングルが前振りの方限定というか、横乗りだと後ろ膝が捻れて負担がでてくる可能性があります。
このテキストでは全てのスタイルの方へ伝えていきたいので、ちょっと違うなと。
じゃあどうするか。
まず真っ直ぐ立ってください。おしりは「板の真上」にありますね。
そしてそのまま腰を回したりせず、シンプルにおしりの位置を下げてください。その時に、「前後」にも「左右」にもおしりが移動しないようにしてみて下さい。
そして可能なら上半身が前傾しないようにしてみましょう。
立った状態の形からおしりだけ下げる。
そうなると取るべきポジションは一つだけです。
一つだけ、と言っても万人にとっての一つではなく、あなたにとっての一つです。
そう、そこです。そこがあなたの「基本姿勢」です。最高のポジショニングです。
なんかおしりがカカト側に出ちゃうなあって人はコツがあります。
ブーツのタンを足のスネでつぶすようにしゃがんでください。つぶす力のない女性は自分の体重をブーツのタンに預けるようにしゃがんでみて下さい。
そう、そこです。そこがあなたの「基本姿勢」です。最高のポジショニングです。
どれくらいの量しゃがめばいいか。
おしりの「上下」の量ですね。
これは「ターンスピード」と「板を立てる角度の大きさ(角付け量)」に比例すると、僕は考えています。
例えばグラトリやラントリが好きで、トリックありきのターンであればそれほど板を立てる必要はないでしょう。スピードも抑えて滑ることが多いでしょう。
そうなると必然的におしりの位置は「高め」でいいと思います。
例えばカービングが好きで、いつどんなときも「速く深く」を求めるのであればおしりの位置は「低い」方が良いでしょう。
でもでも、カービングしかしないんだけど、新雪フカフカとか春雪シャバシャバ、なんて日は多少「高い」位置にポジションを設定しても良いでしょう。
このように最高のポジショニングはその人のスタイル、その日のコンディションによって変わります。
変わらないのは「板の真上」におしりを乗せることだけです。
そして、このポジショニングは滑走中のいつどんな時にでもとりつづけて下さい。
切り替え時、ターン前半、ターンピーク、ターン後半、そう
いつどんな時にでも
です。
さあ、難しくなってきましたね。そう、シンプルだけど難しい。でも、やることはこれだけ。
最初に言いました。ポジショニングで8割決まる。
8割とっちゃえばこっちのものです。
さあ、滑ってきてください。
上手くいかない場合は、次のテキストでお待ちしてます。
まずはトライ&エラー。いってらっしゃいませ!
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