《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声
前回
1.長く困難な旅ー(3)
「ひとつ質問してもいいかな?」
ジミーは、1966年型復元モデルサンダーバード・コンバーチブルのハンドルを握っているスザンナへ向けて言った。返事はない。スザンナの姿は大昔の映画に出てくる女優気取りだ。ロングスカーフを頭からすっぽりとかぶり、首のところでクロスさせている。
ジミーはスザンナの耳元へ顔を近づけた。
「スザンナ、質問があるんだ」
「何?」
スザンナの声が、首元ではためくスカーフの先端から飛んでいく。
「君って、事務所の