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あかし


今日泊まるお宿に辿り着く。
荷物をおろし冷えた床に座りこむ午後3時。


わたしにとって
音楽は暮らしの中で大切な彩りのひとつ。
だけど
無音の中にある音と過ごすこともすき
音に敏感だ
そんな心地よい静寂のメロディーと共に
少し疲れがでてきた昼下がり


ふーっと息を吐くと同時に
外から聴こえてくる音がある
笑い声
声のトーン
はなしかた
人に対しての距離感
決して悪い気をもたせない人との接し方


まるで それはもう
そっくりでそっくりで驚いちゃった。
ここにいるはずはないって
わかっているからこそ
どれだけそっくりでも
あなたじゃないことは私が理解している。



だけど
耳を澄ましている自分がいた。
自分のしている息さえも
こらえちゃうぐらい
聴こえてくる
あなたのようであなたじゃない

を聴いていた。



少しでも長く
少しでも側で
聴いていたかった。



午後3時昼下がり
冷たい床に
わたしはあおむけになる
そしてゆっくりと瞼を閉じる。
瞼の奥で瞳も一緒に閉じる。
そーっと
覗きこむような見つかってはいけないような
そんな気分で
あなたではない あなたのような声に
耳を傾ける。
いつまでも いつまでも。



大好きなあなたの声に揺らされて。
あぁ やっぱりやっぱり好きなんだ
やっぱりやっぱり愛しているんだって気づかされる。
夢なのかなぁ。
いつまでたっても
わたしはあなたのぬくもりの中で
生きていたいようです。



例え 届かなくても。
この先2度と逢えなくても。



わたしは この愛を選ぶのだろう。



想う尊さ
想う美しさ
想う歓び

今 わたしが生きているあかし
今 あなたが生きているあかし



きっと
愛ってそうなんだと
そうなのかなって
わたしは憶う。



好きよ



今日も
明日も
ずっと
ずっと


きっと、ね


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1日の始まりに、
心に映しながら空見上げる人は誰ですか。

1日の終わりに、
心に抱きながら眠りにつく人は誰ですか。

私にいつも話してくれること、
その心に住む人に、伝えられたらいいね。

伝えられないとしても、
伝わるといいね。


よりそうつきひ   小谷 ふみ


ありがとうございます🥰