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元銀行員の執行役員が語る、シンプルフォームの持つ可能性

中野 舜|Shun Nakano / Executive Officer(BizDev, Corporate)
2016年株式会社日本政策投資銀行に入行。主にメザニンファイナンスやバイアウトなどの投資業務に従事。2022年4月にシンプルフォーム株式会社に参画。

――最初に、ご経歴について教えてください。

2016年に、新卒で政府系の金融機関に入行しました。当初は電力などのエネルギー企業・案件を担当する部署に所属していました。ちょうど原子力発電所の稼働停止を受け、ベースロード電源としての高効率な火力発電所が新たに建設されるタイミングであり、それらに対し金融・アドバイザリー機能を提供する業務に従事しました。

その後、事業会社への投資を担当する部署に異動し、メザニンファイナンス(※1)や、バイアウト(※2)を含む投資業務に従事しました。傘下のファンド経由で、買収した企業へ派遣してもらい、コロナ禍の資金調達や経営管理業務の一部を担当するといったことも経験しました。

代表の田代さんは、当時の先輩にあたります。ただ、在籍していた当時は業務上の関わりはなく、特別親しい間柄、という訳ではありませんでした(笑)。

※1:資金調達手法の一つ。メザニンは「中二階」の意で、デットファイナンスとエクイティファイナンスの中間に位置する。
※2:対象企業の株式を買い取り、経営権を取得すること。外部資本による成長加速や企業再建などを目的として行われる。

――新卒で入った金融機関を退職され、シンプルフォームに参画したんですね。ご転職のきっかけや決め手はなんだったんでしょうか。

田代さんが、スタートアップを起業することを知るタイミングがありました。当時、私も自分で事業をやってみることに関心を持っていたので、純粋に「どんなことをやるんですか?」と話を聞きに行きました。それがきっかけです。

その後、縁あって参画することになるのですが、最後の決め手は、田代さんを含む「人」だったように思います。解こうとしている課題や事業・プロダクトへの魅力ももちろんですが、仮に今と全く違う事業を立ち上げていたとしても、今のこのメンバーと共に働きたいと思います。そういう意味で、多分「人」なのだろうなと、思っています。

――前職時代は業務上の関わりはなかったと仰っていましたが、田代さんは、中野さんから見てどんな方ですか。

色々あるのですが、一つだけ挙げるとすれば、「金融ビジネスオタク」ですかね(笑)。言い過ぎかもしれませんが、このドメインをやるなら田代さんしかいないだろうな、と思います。もともと金融への想いが非常に強い方だとは思っていましたが、ここ数年共にやっていく中で、想いは増すばかりであるように感じます。

田代さんは、金融産業やそこに立つプレイヤーの皆さんがどのように社会に作用していくべきか、そのための戦略やビジネスモデルはどうあるべきかをずっと考えていて、本当に金融が大好きなんだろうな、と思わされます。少しおこがましいですし、見習わないとなりませんが、特にこの領域について一生敵わないだろうなと心から思います。

ボードメンバーで

――共に働く時間が増えたことで、実感する機会も増えたんですね。ところで、大企業からスタートアップへの転身は大きな変化だったのではないですか。ギャップを感じたことや、何か気づきなどを得たことはありますか。

まず「金融」というものを全然知らなかったな、と(笑)。大企業からスタートアップというよりは、金融の中から外へ、というような話になってしまいますが、要は事業そのものへの解像度がまるで違ったということでしょうか。

例えば、全ての金融取引の基礎であり、またビジネスにおいて極めて重要な「相手を知る」ということが、いかに困難であり、いかにボトルネックになっているか、ということです。前職の主なお客様は中堅・大企業であり、そもそも本当に実在するのか、どんな事業をやっているのか、という観点では、細かくお客様を確認する必要がありませんでした。

しかし、中小企業や設立間もない法人を顧客とする金融機関は、「相手を知る」という非常にシンプルであるはずの業務に、大きな困難と課題を抱えていました。そして、そうした背景には、金融機関が直面する社会情勢や内部の課題、さらに複雑な事情があるということを、少なくともこれまでよりは理解できるようになりました。

私たちが挑む課題の大きさや根深さを痛感する一方で、難しいからこそ、それを解決することのインパクトや醍醐味も感じています。こうした実感は、なかなか前職の経験だけでは得られなかったと思います。

もう一つは、スタートアップ特有の組織成長の速さです。厳密に言えば、組織成長の求められるレベルやスピードが、いわゆる大企業出身の私にとっては、想像以上でした。組織がどんどん大きくなり、フェーズもめまぐるしく変わります。やりたいこともどんどん増えていきますが、当然ながら全てはできないので、「捨てて、集中する」ことが必要になります。極めて当たり前のことなのですが、「あ、本で書いてあったことってこういうことなんだ」と、本当の意味で理解するというか、追体験しているような感じです。

――組織成長のスピードをつぶさに感じてこられたのですね。会社の成長に応じ、シンプルフォームで中野さんは様々な役割を担ってきたと思いますが、その変遷について教えてください。

参画当初は、いわゆる三遊間を拾う、というのが私が担うべき役割だと思っていました。私はちょうど10人目として入社したのですが、先にいた9名の方の特性や素晴らしい力を最大限引き出すために、必要なことは何でもやるといった心持ちでいました。そのため、それまで会社が行っていなかった広報の立ち上げや、Bizチームで一部案件を引き継いでのお客様への導入の推進、調査チームの組織・機能拡大にも携わりました。

2022年の10月に執行役員という肩書をつけてもらい、現在は主にBizとコーポレート(HR、ファイナンスなど)領域に関与しています。

シンプルフォームは2023年10月に4期目に突入し、正社員の数は30名を超えました(2023年12月時点)。私が入社してから約1年半が経ち、3倍以上の人数になっています。

Bizチームの仲間と

――急激な組織拡大に伴う課題が、スタートアップではよく「壁」と表現されます。現在のシンプルフォームにおいて「壁」はありますか?どう感じてらっしゃいますか。

おっしゃる通り、遠くない未来の50人組織、将来的な100人組織へ向かうにあたり、メンバー同士が相互に理解を深められる機会や、ワンチームであるという一体感の醸成は、いっそう重要になります。言うは易しですが、実現するのは極めて難しい。そして、崇高な戦略も実行してなんぼであり、そのための「人」や「実行力」が本当に大事になっていきます。

経営から一方的にメッセージを送るのではなく、全員が納得し、同じ方向を見て一丸となれる組織でなくてはなりません。そのためのコミュニケーションの設計や制度の在り方、既に多数在籍している新卒メンバーの成長支援……、やるべきこと、やりたいことはたくさんあります。ただ、外から見れば「壁」なのかもしれませんが、成長のために必要な痛みであり、これを乗り越えていくことは非常にチャレンジングで楽しいことです。

先日、数年後の未来を見据えたロードマップについての意見交換会を、社内で実施しました。この意見交換会は、事前に案を社員全員に示した上で意見や質問を交わす、という形式で開催しています。対話を通じて理解を深め、コンセンサスを得るというプロセスを、今後さらに人が増えていっても、より大事にしていきたいです。

他にももちろん色々ありますが、一旦この場では、このくらいでご容赦ください(笑)。

――社員が会社の方向性に主体的に関われるよう、意識されているのですね。事業面については、ここ数年の成長をどう感じてらっしゃいますか。

日本経済を支える大手金融機関の皆様に貢献できるプロダクトを作り、それを最も使いやすい形でお届けする、という高い目標に、当初から現在までぶれずに向かっています。順風満帆とはもちろんいきませんが、概ね当初の想定通りに進めてこられている、と思います。たまに他人事のように、純粋にすごいな、と感じると共に、今いるメンバーがあってこその道のりだと感じます。

大変ありがたいことに、私たちのプロダクトを使っていただいているお客様の数は増えており、日々、プロダクトがより深く貢献できている実感もあります。
私たちの主なお客様は大手の金融機関の皆様ですが、同じ金融機関といえど、企業によって、部署によって、そこにいる方々によって、抱える課題は一様ではありません。課題解決のためには、それぞれの業務や事情を深く理解することが不可欠であり、単にプロダクトを売る、ということに留まらない、包括的な支援とそのための力が必要とされます。簡単ではありませんが、お客様の真の課題解決にお役立ちできているという実感は、何物にも代え難い喜びです。

――やりがいを強く感じますね。働く場としてのシンプルフォームの魅力を、さらに詳しく教えていただけますか。

3点挙げたいと思います。1点目はプロダクトの力です。私たちのプロダクトが行き渡った時、審査から金融が変わります。変化を遂げた金融の姿を想像すると、非常にわくわくします。まだまだ途上にありますが、私たちのプロダクトには、金融の世界に変革をもたらすことができるだけのポテンシャルがあると確信しています。

2点目は成長環境です。日々、お客様からたくさんの期待をいただいています。ビジネスサイドの立場からも、働くメンバーにとって、質・量ともに、この上ない成長環境が揃っていると思います。おそらく、エンジニアメンバーに対しても、同じことをCTO小間さんが言及するでしょう。

3点目は、データの可能性です。私たちが開発するプロダクトの根幹は、日々蓄積し進化し続けるデータにあります。この膨大かつ代替の効かないデータを活用し、どんな事業が実現できるか、非常に多くの可能性を有しています。

――やりたいことがどんどん広がっていきます。そんななか、実現したい未来に向けては、まだまださまざまな方のお力が必要だと思います。どんな方にお会いしたいですか。

「新しいチャレンジをしたいが、行動にはまだ移せていない」「現状に不満はないけれど、もう少しやれるんじゃないか」など、何となくこのままで良いのかともやもやとした気持ちを抱えておられる方には、私自身の経験も踏まえて、色々とお話できることがあるんじゃないかと思います(笑)。

すぐに結論は出ないでしょうし、私たちの仲間になっていただくことが必ずしも正解でないこともあると思います。それでも、お話をきっかけに当社をより知っていただいたり、好きになっていただけたら大変嬉しいです。もちろん、結果として一緒に社会の公器を作っていける、となれば、それこそ、これ以上ない喜びです。

毎週金曜にオフィスを開放し、本当にただ飲むだけ(笑)のカジュアル交流会を開催しています(実は創業時からずっと続けています)。会社を通じてでも、私個人へのコンタクトでも構いません。まずは一度、お気軽にお話できれば嬉しいです。

――中野さん、ありがとうございました!

中野さんのちょっとこぼれ話
・高校時代はサッカー部(ボランチしかできません)。選手権出場を目指して、日夜練習に明け暮れていました。現在も、社内フットサル部でたまに汗を流しています。
・休日は、殆ど妻と子供と過ごしています。毎朝保育園に自転車で送っていくのですが、その時間は癒しでありほっとする時間です。
・仕事のお供のお菓子は、一度食べはじめると止まらない(袋を開けたら翌日以降まで保存したことがない)ので、できるだけ衝動を抑えています(笑)。

社内フットサル部のみんなと(部員募集中です)

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