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CEOが創業から1年半を振り返っての記録

こんにちは。CEO田代です。

2020年10月1日に創業したシンプルフォーム株式会社も2022年3月末で1年半が経ちました。今のシンプルフォームを共に作り上げていただいた、メンバー・株主の皆様・お客様に先だって御礼申し上げます。

起業をしてみると、目の前のお客様にどうお役立ちできるか、プロダクトをどう磨き込めるか以外に時間が全く取れず、気付けば対外発信をせぬままに時間が経っておりました。

本当に有難いことに、会社メンバーが増えてきました。このタイミングで、創業~1年半を振り返り、改めて知っていただくとともに、もしかしたら将来の仲間の目に留まることを期待して、筆を執ってみました。
(本当は、いい加減なんか書いてよと、メンバーからせっつかれているというのが事実でして、感情のハイライトを記すというとても恥ずかしいお題をもらってしまいました。)

起業する前は、数億円の調達を発表するような会社は創業した後、どんな特別なことをしているのかと考えていましたが、僕達の1年半はひたすらに地味で・面倒な作業を積み重ねてきました。
1年半で切り取るとものすごい大きな変化なのですが、1日1日の経過で見ると、本当に毎日少しずつだけ成長してきました。

すべてのことを書くのは難しいとは思いますが、もしかしたら将来の仲間に読んでもらえるかもしれないので、恥を忍んで纏めてみます。

※本投稿は、2022年6月13日公開時点の内容です。


1.創業から1年半の早見表

2020年10月1日
シンプルフォーム創業
2020年10月~12月
ビジネスコンセプト作りと創業メンバーとの出会い
2021年1月~3月
資金調達とサービスの方向性の決定
2021年4月~6月
SimpleCheckのプロダクト開発本格化と最強に泥臭い情報収集の開始
2021年7月~9月
最初のお客様に向けた本番プロダクトの調整
2021年10月~12月
本番プロダクトの提供開始と新たなコアメンバーの参加
2022年1月~3月
SimpleCheckを使用していただくお客様の増加と、プロダクトの成長

2.体験・感情面でのハイライト

” 信念 ”意外は何もない、創業期に起こった奇跡(2020年10月~12月)

奇跡というのは、集まっていただいたメンバーのことです。代表者は代表者を名乗ったときに代表になるのではなく、メンバーを代表するから代表者になるのです。最初に信じてくれた人のことを僕は生涯忘れないでしょう。 創業当初のメンバーで最初から会社に入ろうと思ってコミュニケーションしている人はいなかったように思います。

シンプルフォームのメンバーは、みんな僕よりも秀でているところがあります。話をしているうちに、何故か分からないけど、助けてあげようと思ったくれた人の集まりです。 その理由をビジョンへの共感とか色々な形で表現しようとすると、言葉を当てはめようとすると、軽くなってしまうのです。 当時のその場で流れる空気感や話しの文脈が失われると凄く表現しづらいのですが、あの時、あの場所、あのタイミングで出会って、創業期のベンチャーを一緒にやるという不合理な決定をしていただいたのは、一人一人の人生において、あの一瞬しかあり得ない奇跡みたいなものだと思います。

創業時のオフィスにて。メンバーとの出会いに心から感謝!

信念しか示せない状況で、株主になっていただく1番の意味と大きな感謝(2021年1月~3月)

僕は創業前、政府系金融機関に従事し、事業会社を支援する側でした。シンプルフォームを創業したことで、事業会社を運営する側になりました。
事業会社側にとって、最初の株主の方というのは、資金以上の意味があります。何者でもない登記したばかりの会社が、期待値を寄せてもらった「何か」に社会的にしてもらえる瞬間だと思います。 当たり前ですが、創業初期は信じてもらうものが、創業者である自分、プロダクトのコンセプト、仲間になってくれる予定のみんな、くらいしかありません。 所謂、裸一貫の状態で信じてもらうことの怖さは覚えています。

本当に自分にはできるのだろうか?という自分でも心の片隅で不安に思っていることに対して、「出来るはずだ」という信念を込めて株主様に伝える訳です。 勿論、当初の仮説は具体的なものであればあるほど、外れていることも多いです。然しながら、あの時の信念は1年半の間人に伝え続け、自分にも跳ね返ってきて、まるで自分が生み出したものとは思えないくらいの力を自分に与えるようになっています。

電流が走る瞬間とプロダクトの決定(2021年4月~6月)

スタートアップとしてプロダクトを生み出す以上、何度失敗しても、これが顧客の課題を解決しているという感覚を持てない限り次のステップには進めないと思います。 僕がこの感覚を持ったのは、まだデータが入っていないけれど、このようになりますというモックアップを見せたときの見込み顧客からの反応です。ここに至るまでに5回くらいは作り直したと思います。 一番の反響をいただいたのが、面倒くさ過ぎて集められないような情報や検索できないような情報を、泥臭く人の手で集めて、エンジニアリングの力で構造化するという流れでした。気が付いた瞬間、電流が走りました。ここにプロダクトを最大化するためのヒントがあったからです。

何故なら、僕達のお客様のボトルネックは、機械的に行える作業の代行ではなく、判断をできるような経験を持つ人材の時間が限られているということです。そして、その経験を持つ方が今もなお、自分の手でWebからポチポチと調べる作業を続けており、ここに時間が相当かかっていることです。
「ワンクリックで世の中に散らばった情報(調べるのが面倒くさ過ぎる情報)を構造化して届ける」という価値提供が明確になった瞬間であり、泥臭い仕事から逃げないということを明確化した瞬間でもありました。

この電流が走った体験が弊社メインプロダクトである、リアルタイム法人調査システム”SimpleCheck”となり、僕達が大切にしている価値観である「面倒を愛する」という言葉に繋がっています。

最初の1円の価値(2021年10月~12月)

僕達のプロダクトは主に金融機関を対象としたプロダクトということもあり、ご契約いただいた時の金額感は相応なものです。しかし、導入までのリードタイムの長さやセキュリティ上の障壁も高く、トレードオフの関係にあります。覚悟をして飛び込んだものの、やはり導入までの時間は長く、大手金融機関の皆さんにご使用いただくようになるまでの道のりは不安の連続でした。

条件が決まっても、セキュリティ上のチェックや、先方内での社内説明の時間が当然ながら数か月はかかります。この間、売上は発生しない訳で、売上が上がらないというのは、直接的な金銭面での辛さよりも、次の調達ができないかもしれない、僕達がやっていることは、本当は1円にもならないかもしれないという恐怖と常に戦うことが辛かったです。恐らく、ここで信念と仲間にどれだけ恵まれているかが試されていたと思います。
その分、初期に信頼をいただいて、ご契約いただいたお客様には本当に感謝しています。

「創業しないと味わえない感情だったな~」と当時を懐かしむ田代

3.これからの1年半で目指すこと

僕と関わる方の人生に影響を与えるような決断を何度も行い、自分の分身であるプロダクトのフィードバックをいただくヒリつく瞬間に立ち会ったり。出口の見えないトンネルを進み続けるような恐怖もあれば、背中合わせにここを抜けた先にはどんな世界があるのだろうかという楽しみもありました。
全て起業をしていなければ得られない、感情を揺さぶられる瞬間の連続でした。次の1年半で僕が目指すところは、メンバーの一人一人が効果的に働ける組織作りです。

この1年半は、誰をお客様として、何を届けるかに集中してきましたが、業務上で使うプロダクトを安定的に届けていくというフェーズに入ると、メンバーのスキルセットや年齢などにも一人一人異なってくるはずです。
会社はヒトで成り立っています。会社をつくるメンバーがどんな人生を歩みたいのか、どんな期待を持ってシンプルフォームに入社してくれるのかなどを受け止めていきたいです。そこに寄り添うことで、みんなが効果的に働ける環境を用意することが出来、延いては会社の目標である「全ての法人がフェアに繋がれる世界」を実現出来ると思っています。

一人一人が気持ちよく働ける会社=効果的に働ける会社だと思うので、メンバーも増えている今、組織として会社を成長させていくことを目指していきます。

4.終わりに

創業からの1年半の濃さが凄まじく、読んでいただくことを考慮すると、綴れたのはほんの一部分になってしまいました。

書ききれなかった僕の体験・想い、プロダクトなどについてのご質問などはコーポレートサイト内のお問合せ田代個人のFBからいただけますと幸いです。オフィス訪問も大歓迎です。その場・その瞬間のリアルな空気でしか得られない体験があると僕は思っているので、今後も対面でのコミュニケーションを大切にしていきたいと思っています。

ここまで駄文にお付き合いをいただき、誠にありがとうございました。
また、お会いできる日を楽しみにしています!