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世界的技術イケメンの作り方

自分は世界2位のクラウドの中の開発者としてアメリカで勤務している。自分のチームの2つ上のマネージャがあまりにも仕事ができるので、びっくりした。そこで、二か月に一度の One on One の時になぜそんな仕事ができるのか聞いてみた。そのアドバイスが実際に自分に相当刺さったので、ここでシェアしておきたい。

その人とは、

の記事で私が観察したその人だ。技術的な問題の切り分け、判断の速さ、ほかの人の言っていることを理解する速さと、集中力、判断の速さ、正確さ、そして、私は直接見る機会はないのだが、ハックをしてもうちの組織で1、2を争う技術力のようだ。(ちなみに、少なくともうちの会社だと、マネージャは、大抵相当な技術力がある人がほとんどで、絶対的に自分よりコード書けるのは間違いないと思える人が多い)

「どうしたら、すこしでもよりよくできるか?」

さて、自分はというと、クッソ程何もできない。人にアドバイスみたいな自分がやらないことは得意だが、昔から自分が何かができたためしがない。だから、その反動から、自分は「物事がうまくなる方法」を追求するのが大好きだ。

今回2か月ぶりの One On One が巡ってきて、彼にズバリなんであんたはそんなに仕事できるんや?という話をしてみると、彼はたった一つのアドバイスをしてくれた。

どうやったら、すこしでもよりよくできるか考えてるんだ。それだけ。
もう、きみは僕の秘密をもう手に入れたよ。

自分的には、雷に打たれたような気分だった。ああ、俺がダメなのきっとそれだわ、、、。

ワインバーグの上達のグラフ

これだけの話だと何の事か分からないと思うので、自分の状況と合わせて補足しておきたい。自分の人生のバイブルとなる本っていくつかあるのだけど、ワインバーグ先生のこの本はその一冊。

上達に関して考えているときに、この本に載っていたワインバーグの上達のグラフを読み返していた。自分が最近上達できてないという思いがあって、夏休みはあえて何もせず過ごしてみた。その過程で本も読んでみた。

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ワインバーグ先生曰く、上達のグラフというものは、上記のようなものを想定するかもしれないが実際はそうではないとのこと。

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うまく上達できていくものが上記のようなグラフになる。やれば上達するのではなく、下記のような特徴がある。

* 上達は、ブレイクスルーで一気に上達する

* ブレイクスルーのためには今までのやり方を変えるので、下手になる

* 上達がプラトー(平地)に達したら、上達しなくなるので、やり方を変える必要がある。

つまり、何か上達をするためには、努力するだけではだめで、下手になるのを覚悟して、方法を変えてブレイクスルーを起こさないと次のレベルにいけないということだ。

今までの自分がなぜ上達しないのか?

思い起こすと、自分はなぜあらゆることが上達しないと思っているか?というと、何をめっちゃ努力しても、人並みにも上達しないから。真面目に毎日やったり、研究したりはする。しかし、大抵はうまくいったものですら、あまり高くないレベルで上達がストップしてしまう。音楽も、プログラミングも、英語もみんなそうだ。そして、自分はこんな努力してるのにここまでできないってなんでだろう?と思っている間に、みんな自分を追い越していって、自尊心はボロボロ、、、ということがいつものパターンだったからだ。

しかし、思い起こせば、技術イケメンマネジャのお話と、このワインバーグ先生の上達のグラフが自分の中でスパークして、自分がおそらく「できない」と思っている原因のしかも多分最大級のものが自分的にヒットした。

自分がもっとうまくなることを信じていない

私は上達したいと心の底から願っているはずなのに、「少しでも昨日よりよくしよう」と思っていなかったのだ。ギターの例でお話すると、例えばギターを録音していると、うまく録音できて、自分でもそこそこ満足したのが撮れたら、さらに録音とかはあまりしない。いつもいい演奏ができるかわからないし、少なくとも今録音できた演奏はなかなかのものだ。コンピュータ系の技術でもそうだ。このコマンドで「できる」ってわかったら、それを次から使う。つまり、自分は、あるていど「できる」状態になったら、それでフリーズしているのだ。おそらく自分は子供のころからあまりにもできないので、自分が「次はもっとうまくできる」ことを信じていなくて、「できることができなくなる」ことを恐れているのだ。だから、そこそこのレベルでとまってしまって、次のブレイクスルーを起こそうとしないから高いレベルにいけないんだ。

センスの正体

プログラミングや音楽も自分の仲間や同僚を見ていると、「ああ、やっぱセンスいいよな、自分はなんてセンス無いんだろう」と思うことが多いのだが、自分の最大の問題はきっと「どうやったらすこしでもうまくできるだろう?」と考えてないからだ。自ら上達を止めているので、深みがでず、なんか自分ダサいなぁ。といやになってしまっているのだ。

昨日より少しでもよりよくなるように

そう気づいてからいろいろ変えてみた。例えばギターは、よいと思ったテイクが録音できても、今までだと、目をつむって見逃しているミスでも、「これを改善できたらもっとかっこいいはずだ」と思って、それを改善しようとするようになった。改善しようとすると、前と違うことをやるので、やっぱ弾きそこなうし、今のテンポで演奏できなかったり、前できてたことができなくなったりするんだけど、やっていると、少しづつ上のレベルに近づいている感覚を覚えるようになってきた。

以前だったら、これぐらいやったらもういいだろう。とおもった技術調査も、このコマンド使ったらもっとうまくできるかも?試してみようと思ったり、自分が知らないことで、もっとよりよい方法があるかもしれないから、ほかの人に聞いてみようとか今までの行動パターンまで変わるようになってきた。自分的には手ごたえを感じているので、今後この作戦がうまくいくか、継続して試していきたい。

おわりに

自分がこれで上達するかはわからないが、今のところ手ごたえがあるし、自分がこのことを忘れたらこのブログを見返すことができるようにするために書いてみた。自分が夢見ている「何かができる人」になれたらいいな。

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