SGE(生成AI)の台頭とオウンドメディアの新たな価値:深い悩みを持つユーザーへのアプローチ
ライター、編集、オウンドメディアの運営をしている下川(@simo_saga)です!
ついに日本でも検索画面にSGE(Search Generative Experience)がテスト導入されましたね。
実際に体験してみると、まだ情報の正確性に心配な部分はありますが、検索画面だけで検索行動を終えてしまうユーザーは増えていくのだろうと率直に思いました。
そうなった時、オウンドメディアに携わっている人たちはどう行動したら良いのか?SGEの台頭がオウンドメディアにもたらす新たな価値?について考えてみました。
SGE(生成AI)とは?
生成AI(SGE)は検索エンジンがユーザーの質問に対して独自に生成した回答を提供する技術です。この技術の進化により、ユーザーは検索エンジンの結果ページ(SERP)から特定のサイトに入らずに必要な情報を手に入れることができます。
この点が、オウンドメディアへの流入を減少させる一因になることが予想できます。SGEは検索画面のトップ(リスティング広告の下)に表示されるので、スクロールさえもしないようになるかもしれません。
SGEのメカニズム
SGEは大量のデータを解析してユーザーの質問に最も適した回答を生成します。SGEの画面には情報元が提示されますが、そこのアルゴリズムはわかりません。
何を基準に表示しているのか、なぜそのサイトなのか。印象としては、検索順位を考慮しつつも公的機関のコンテンツを優先表示しているように感じました。
たとえば「NISA 始め方」と調べると次のように表示されました。
情報元のサイトと検索順位は次のとおり。
iDeCoナビ:1位
三菱UFJ銀行:情報元のメディアは20位以上
三井住友銀行:10位
このサイトだけで回答しているわけではないと思いますが、情報元の検索順位はバラバラです。
この点に関しては、結局「価値の高いコンテンツ」を提供するしかないと思います。
SGEでは満足できない悩みが深いユーザーの行動
SGEが表示されることでオウンドメディアへの流入は減るかもしれません。
ただ「一般的な情報に満足できない悩みが深いユーザー」は、より専門的な情報を求めます。このようなユーザーは「信頼」できるオウンドメディアを特定し、そのメディアを定期的にチェックするのではないかと考えています。
深い悩み=パーソナルな問題
ここでいう「深い悩み」は次のように定義します。
『一般的な解決策では対処できない、特定の専門知識や経験が必要なパーソナルな問題』
たとえば「家計 見直し方」というKWは悩み深度が深いです。
2023年9月現在、このKWを調べるとSGEでは下記のように表示されます。
端的にまとめてあるのでわかりやすいですが、SGEを見て「よしこれをしたら家計が見直せるんだ!すぐに実践しよう!」となるのでしょうか?
「家計」というのは非常にパーソナルなもので、子どもの人数や居住地、持ち家や車の有無で毎月の支出は大きく変わります。そのため、SGEの情報だけでは悩みが解決されない可能性が高いです。
ユーザーの行動心理
悩みが深いユーザーは、解決策を求めて積極的に情報を探します。
この過程で、信頼性や専門性が高いと感じるメディアに注目し、そのメディアの情報を重視するようになります。
特定のオウンドメディアへのリピートが高まると考えてもいいかもしれません。
オウンドメディアの新たな価値
ユーザーの悩みをすべて解決するまでにはならないと思いますが、SGEだけで満足する場合も多く生まれてきます。
ただ、SGEは一般的な質問に対する回答は生成できますが、特定の専門領域における深い洞察や解決策を提供することは難しいです。
さらにいうと生成AIに対する「信頼度」もまだまだ不足している部分。私たちのような業界にいるとAIのスピード感に驚きますが、普段PCなどをあまり扱わない業界などでは「ChatGPT」を触ったことがない方は多くいます。
野村総合研究所(NRI)「日本のChatGPT利用動向」の調査結果(2023年6月時点)によると、運輸や飲食・宿泊業界の利用率は10%以下と低いです。
利用率や認知度がまだまだなので「生成AIの答えなら安心!」となるには、まだまだ時間がかかるでしょう。
このギャップを埋めるのが、専門性を持つオウンドメディアの役割です。
SGEが提供できないような専門的な知識や視点、体験談などを提供したり、価値観や哲学、メソッドを出し惜しみせずに公開したりするとユーザーからの信頼が獲得できます。
この専門性と信頼がメディアの価値を高めていき、悩みが深いユーザーを定期的な読者に変えるカギになるでしょう。
新技術によって既存のモノの価値がアップデートされる
SGEの台頭は、一見するとオウンドメディアにとって脅威に見えますが、実は新たな価値を生むチャンスでもあります。
悩みが深いユーザーほど特定のメディアをチェックする傾向があると考えると、このニーズに応えることで、オウンドメディアは新しい価値を提供できます。
信頼と専門性を中心に、効果的なオウンドメディア運営を目指しましょう。
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