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令和の国防

 昨日は標記の本を読みました。自衛隊の陸海空の最高幹部経験者、安全保障分野に通暁した元外交官による対談であり、何となく見て見ぬふりをしていた現実を突きつけられる内容でした。
 太平洋戦争後、日本はゆるやかな鎖国を守り、軽武装でありながら、戦乱に直接巻き込まれることなく、遠い場所での戦争にどう関与すればよいかを議論していればよかったわけですが、中国はアジアで圧倒的な軍事力を持ちつつある中、台中関係は緊迫の度を増しており、北朝鮮もミサイル発射実験を繰り返しながら着実に技術を向上させています。
 できれば現状の平和がこの先も続けば良いと思うのですが、どこかで力の均衡が崩れたり、均衡が崩れなくても、先制攻撃が最善の判断として無理やり力の均衡を破ったりする国があると、次々に戦争に至る仕組みが発動し、日本も甚大な被害を受けずにはいられない。今でも火薬庫の上に寝ているようなものです。
 実際に仕組みが発動すると、そうした攻撃から国を守ることは非常に困難で、甚大な被害が出てしまうことは必至です。甚大な被害により多くの命や財産が失われる、そこに自分が入らないという保証はありませんし、仮に直接の被害はなくても、日常生活に大きなダメージを受けることは間違いありません。ミサイルのアラートは、今は沖合に向けた威嚇実験だから良いのですが、実弾が大都市を狙って発射されると、防ぐことは困難で、核兵器の場合は安全な場所に逃げるのも難しい、あのアラートは実際にはどれぐらい役に立つのだろうと思ってしまいます。
 この国は安全保障だけでなく、大地震や火山噴火などのリスクも高く、財政状況は先進国最悪で、少子化も進んでおり、問題の先送りも限界に来ています。そうした中で、対処療法で良いのか、今のポジションに縛られ、先人の轍を踏むことが正しいのか、悩むところがあります。とはいえ、自由になっても明日の糧を得ることもできませんが、常にこうした本と触れて、危機において生き残る術を、どうしたら持つことが出来るか、自分に対する問いかけを忘れず、泰然たる一日一日を大事に使っていきたいと思います。

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