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インフォーマルな関係

 組織が大きくなると各部門の意思疎通が間接的になり、巡り巡ってきた情報に、間に入った人たちの憶測や伝言ゲームによる事実関係の歪みなどが加わると、仕事上、カウンターパートの部門がとんでもないことを主張しているように感じることがあります。
 特にトップダウンの事案となると、部門をまたがってのテーマであったり、どこで受けるのかわからないような話であったりして、トップの意向を受けて初動で仕切る部門、例えばトップ直属の企画室的なところの動きが大事になってきますが、ここが丸投げ主義だと、部門間で押し付け合いになり、いつまで経っても物事が動かない、そういう事態になります。
 本来は、初動のところで、トップから振ってきた課題を整理し、論点をシンプルにして、これまでの枠組みであてはめられるのであれば、そういう話として、担当部門に咀嚼したうえで発注し、枠組みを超えていれば、細かく砕いてそれぞれを担当部門に振り分ける、そういう作業を厭わない組織であることが、企画室的なところには求められると思います。
 そのうえで、細かく砕いて振り分ける事案がパターン化されてきて、組織をパッケージにして動いた方が効率的ということであれば、そういう組織を新たに作ることが、ビジネスチャンスの拡大にもつながるのでしょう。
 ただ、往々にして企画室的なところは爆弾を長く持ってられないとばかりにすぐに丸投げする傾向があるので、部門間の押し付け合いになりがちです。その際には、以前、仕事を一緒にしていたことがあるとか、古くからの友人であるとか、そういう人間関係が、対立する部門間で存在していれば、パイプ詰まりというか、巡り巡って不確かな情報を双方が受け取って、相手のことを悪く誤解している、そういう機能不全の状態を、インフォーマルなホットラインにより軽減、解消することができると思います。
 もちろん、個人で仕事をしているわけではないので、組織間のセクショナリズムは残っており、人間関係だけですべて解決するわけではないのですが、少なくとも正しい情報を得ることで、物事が進めやすくなります。
 組織人においては、広く張り巡らされた人的ネットワークが重要であり、それは、組織の中枢で苦労してきた人ほど、同年代の中でもステージの高いところで仕事をしてきており、そうした人は相対的に人的ネットワークの層が厚く広いため、仕事を円滑に進める有力なツールを多く持っていることになり、成果にもつなげやすく、結果的に評価されることになります。
 昨日は、自分の人的ネットワークに感謝した次第です。

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