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切れ者

 昨日は難しい案件について、当社の秘書担当役員と、当社と事業連携をしている、ある中堅企業のナンバー2との打ち合わせに同席しました。
 今年の春に表面化した、中堅企業の事業再編プランについては、当社の関連企業の存続に関わる大きな問題になることは必至であり、この困難な案件について、何となくの着地点は見込まれるものの、そこに到達するためには、多くの関係者を巻き込みつつ、合意形成をしなければならず、理論武装のための論点整理にも相当な時間がかかるとみていました。
 僕としては、現在進行中の、別な重い事案への影響も想定されることから、できれば、この中堅企業の事業再編は、後ろに引き延ばしてもらい、それが難しければ、この企業には荷が重いであろうから、当社が引き取って主導的に事業見直しを進めなければならないと考え、そのことをナンバー2に伝えようと思っていました。
 ただ、実際に会ってみると、このナンバー2は親会社でもエース級の人材で、短期間で一人で作業をして、着地点に至るまでの理論武装を済ませていることが判明しました。
 おそらく、関係者も多いので、そのとおりには進まない面もあるでしょうが、たたき台としての再編案は、非常に完成度が高く、データ分析と論点提示については、下手なコンサルティング企業にお願いするより、ずっと出来が良いので、このナンバー2の切れ者ぶりに、脱帽してしまいました。
 なるほど、世の中には、どんなにうず高く書類が積みあがっていても、めげずに書類の山によじ登って、悉皆整理に取り掛かり、それが片付くまでは手を緩めない、できる人がいるものであり、こういう人は、おそらく、この先も様々な困難に、こうやって不屈の精神で立ち向かっていくのだろうと思いました。
 というわけで、せっかくお膳立てが用意されているのであれば、下手に途中で引き取るより、この人の描いたシナリオに乗った方が、むしろ手間はかからない、仕事は一時的には増えますが、そこはこの不屈の精神を少しでも見習い、前倒しして進めていきたいと思います。


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