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北陸ワイド周遊券の思い出

 先日、家の中で探し物をしていたところ、「北陸ワイド周遊券」という企画乗車券が発掘されました。
 北陸ワイド周遊券は、当時は北陸本線であった、新潟県の糸魚川駅から福井県の敦賀駅の非常に長い区間に加え、能登半島に向かう七尾線などの周辺路線を含む周遊区間について、特急や急行の自由席が乗り放題という、現地の移動には非常に使い勝手の良い切符で、東京都区内発であれば、たしか行き帰りで7日間有効であり、それでいて2万円を超えるぐらいの良心的な価格設定のため、学生時代は学割を使い、よく利用していました。
 僕が学生時代の北陸方面の鉄道事情は、新幹線は上越新幹線しかなく、信越本線が健在で、横川と軽井沢の間の碓氷峠が使われており、東京から北陸方面には、寝台特急北陸、夜行急行能登が運行されていました。
 ワイド周遊券の往復には、追加料金なしで急行の自由席が利用できたので、夜行急行能登の自由席はワイド周遊券利用の鉄板でした。
 また、北陸新幹線開通前の北陸本線は、関西や名古屋方面からの特急が頻繁に運行されており、ワイド周遊券があれば、周遊区間内を特急で行ったりきたりすることで、特急の車内で一日過ごす、といったことも可能でした。
 今は、東京から北陸ヘは新幹線で2、3時間といったところであり、夜中に碓氷峠越えをして北陸ヘ向かった夜行急行は、北陸ワイド周遊券とともに、前世紀の記憶になりつつあります。 
 

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