イナズマロック フェス 2020@配信 ももクロライブ観戦
イナズマロックフェス2019では最終日のトリを務めたももいろクローバーZだが、オンラインフェスとなったイナズマロック フェス 2020では一転トップバッターで登場した。2日(あるいは3日間)かけて行われる通常のイナズマロック フェスとは異なり、短い持ち時間でトークを含めて行われるため、楽曲が2~3曲のなかでももクロはあえてovertureでパフォーマンスを開始。最近のロックフェスでは定番の「あんた飛ばしすぎ!!」を名刺代わりの1曲として披露した。
フェスでは短い時間でもスペシャル感を重視するのがももクロの魅力である。先日行われた松崎しげる主宰の黒フェスではピアノ1本でのアンプラグドで度肝を抜いたがこの日のサプライズはT.M. revolution 「LEVEL4」*1のカバーをオリジナルのダンス振付を交えての初披露。ダンスフォーメーションの仕上がりは素晴らしく、一瞬「まさかここでももクロ新曲の初披露。聞いてないぞ」と一瞬勘違いをさせるほどの作りこみでありながら(特に佐々木彩夏のソロダンスはスタイリッシュであった)、歌詞には最近若い女性と再婚した西川貴教を祝福しながら、玉井詩織のソロ歌唱部分では「奥さん、私の一個上」と冷やかすような替え歌部分をぶっこんできたりして、「何かやらかすももクロ」のトップバッターとしての期待に応えた。
この日はももクロにとっては狭いライブハウスの空間からの中継であるにもかかわらず、本来は野外フェスであるイナズマロックフェスに合わせて、歌い方やダンスの動きともにダイナミックさを前面に押し立ててのパフォーマンスとなり、アコースティックの繊細さ、きめ細かな完成度の高さを重視した黒フェスのパフォーマンスとは対極的なスタイルとなった。ももクロの面白さはTPOに応じて、自在な対応力が発揮できることで、勢いを重視するあまり「あん飛ば」では百田夏菜子の歌詞の出とちり、フランイングもあったが、それが起きた瞬間に他のメンバーが即座に突っ込みをいえるなど、むしろ配信ライブの生ならではの魅力を伝えるものとしていたのもさすがであった。
その一方で「LEVEL4」は4人でのダンスの振付が初めて披露したカバー曲の域を超えるほど、ももクロらしさに溢れていた。ただ、ユニゾンで歌うという程度のものではなく、そのままレパートリーに取り入れられそうなほどももクロの楽曲になっていて、始まってからしばらく新曲かと思ってしまっていたのはそのせいでもある。
その一方でトークでは天真爛漫さでMC役の西川貴教がたじたじとなるところも見せつけて、大いに存在感をアピールできたのではないか。
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