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中西理のアイドル論考

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演劇ダンスなどを批評してきた中西理がアイドルについて考えてきたこと、ライブ参戦のレポートなどを掲載します。
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#アイドル

主演の二人が好演ももクロ主演映画・舞台から8年 日向坂46版で蘇った平田オリザ「幕が上がる」  舞台「幕が上がる」(日向坂46主演版)@サンシャイン劇場

「幕が上がる」*1はももクロ主演で2015年に映画化、舞台化された。その時から数えると8年が経過している。今回の舞台は平田オリザの小説を原作とはしているものの、脚本・演出は久保田唱。本広克行、平田オリザが企画したものとは直接の関係はない。それゆえ、もし原作のイメージを崩されていたら嫌だなということがあって、見に行くかどうか迷ったけれど、日向坂46は以前(けやき坂時代)に平田オリザの劇団に所属していた柴幸男の「あゆみ」を上演したことがあり、映像しか見ることができなかったものこれ

【連載第1回】『ももクロを聴け!』の堀埜浩二さんにAMEFURASSHI『Coffee』について聴く(1)

「『ももクロを聴け!ver.3』の堀埜浩二さんにAMEFURASSHIの音楽について聴いてみることにした」*1の第二弾。今回は『Coffee』について聴いてみることにしました。収録されたリード曲「Blow Your Mind」がこれまでの最速で25万再生を達成するなど注目のミニアルバムだが、前回のアルバム『Drop』に続き、現在のAMEFURASSHIの音楽性や戦略がますますはっきりしてきたようなところがある。(ZOOMにて5月24日収録) 中西理(以下中西) インタビュー

「アイドルのアイドル論」もっと深堀りできないか 及第点だがまだまだいけるはず 元たこやきレインボー春名真依、配信きっかけで初冠ラジオ、配信きっかけで初冠ラジオ

反省会で吉田アナ(ごぼう)に言われていたのはまいまいは真面目すぎるところがあって、独り語りも如才なくこなすけれども、優等生すぎるのではないかということだったかもしれない。そういう意味ではたこやきレインボーというグループは実に絶妙のバランスだったかも。根岸可蓮と彩木咲良は自分の好きなものに対する傾倒について常軌を逸しているところがあり、春名真依にそういう過剰性がまったくないわけではないけれど独り語りだとそれがまだ十分には発揮しきれていない。 「アイドルのアイドル論」についても

【アーカイブ】日本最初のアイドル、松井須磨子とももクロ~5色のペンライトはいかにして「日本文学盛衰史」に登場したのか 青年団第79回公演「日本文学盛衰史」@吉祥寺シアター(2回目)

日本最初のアイドル、松井須磨子とももクロ~5色のペンライトはいかにして「日本文学盛衰史」に登場したのか 「日本文学盛衰史」は平田オリザ作品としては珍しい4場の構成となっており、明治を代表する4人の文学者(北村透谷、正岡子規、二葉亭四迷、夏目漱石)の葬儀が取り上げられている。 今回の舞台「日本文学盛衰史」では平田オリザいわく全部で80近くの小ネタが散りばめられているということなのだが、その中のひとつでモノノフ(ももクロのファン)をざわつかせているのが登場する文学者たちが5色の

元BiSとももクロで武道館で歌ったBiSH「オーケストラ」に感涙 【配信&アーカイブ】『第6回 ももいろ歌合戦〜50組以上の超豪華出場者と年越し8時間無料生放送〜』@AbemaTV

今年の目玉も「最強アイドルメドレー」 全体を通して見たとき、大御所や人気シンガーが多数参加したにも関わらず、目玉となったのは「最強アイドルメドレー」だったことは間違いない。 中でもメドレーのラストを飾ったのが、ファーストサマーウイカとももクロ4人によるBiSH「オーケストラ」だったということが分かった時には全身が総毛立つようななんともいえない感覚を感じたのだ。  私はBiSHの熱心なファンというわけではないが、このパフォーマンスは2023年での解散を発表しているBiSHへの

乃木坂46のダンスパフォーマンス(レクチャーから抜粋)

 乃木坂46のダンスの特徴は群舞であることだ。その群舞も初期にようにほぼ全体で同じ動きをするユニゾンや少しずつ動きがずれながら移項していくカノン(輪唱)のような動きと比較的単純なものだったのが、次第に複雑なものに変化している。 乃木坂46にはそれほど詳しくない私には乃木坂46というと「ぐるぐるカーテン」のように身体は正面向けのままで両方の腕をゆらゆらさせようなイメージ。この頃の振付は南流石という人。「ぐるぐるカーテン」から5thシングルの「君の名は希望」までを振り付けています

AMEFURASSHI「FALL IN LOVE TOUR 2022」追加公演@代官山 UNIT

AMEFURASSHIツアー追加公演の代官山UNIT第2部に出掛けた。ツアー初日以来の参戦だが、初日にあった緊張が解けて、かといってツアー先の大阪、名古屋のようにぶっちゃけるということもなく、パフォーマンスの完成度の高さを見せつけるようなライブとなった。 K-POP系列のアルバム曲が中心だった前回の「Drop」ツアーから一転し、ロック系の従来曲、ダンスミュージックの色合いの強い最近の楽曲と同じ「アゲ」曲でも系統の違う楽曲を変幻自在に組み合わせ、ダンス&ボーカルグループとしての

【連載第7回・完結】『ももクロを聴け!』の堀埜浩二さんにばってん少女隊『九祭』について聴く(7)

ばってん少女隊はダンスミュージックでありながら和のテイストも感じさせるような所属するスターダストプラネットのグループの中でもこれまでにないユニークかつ魅力的な楽曲がそろっており、個人的にも注目してきました。新アルバム「九祭」が発売になった機会をとらえアイドル楽曲に造詣の深い「『ももクロを聴け!』*1の著者、堀埜浩二さんに話を聞いてみました。 (ZOOMインタビュー発売以前の17日夜に収録。聞き手は中西理) 中西  次は渡邊さんの話をしたときにすでに話題に出てはいましたが「禊

大森望著「50歳からのアイドル入門」を再読

「ハロプロ」にハマったSF評論家・翻訳家の大森望さんが書き上げた、実用的アイドル入門書。初版が発行されたのが2016年2月。確かゲンロンのトークショーでそのことを知りすぐ購入して読んだのを記憶している。2016年2月というとももクロがアルバム「アマランサス」「白金の夜明け」*1を出した直後。 この後ももクロはDOME TREKと題する4大ドームツアーを開始。この時は札幌ドーム以外の大阪、名古屋、東京(西武ドーム)には出かけたから、かなりのめり込んでいる状態ではあったが、ももク

【連載第3回】『ももクロを聴け!』の堀埜浩二さんにばってん少女隊『九祭』について聴く(3)

ばってん少女隊はダンスミュージックでありながら和のテイストも感じさせるような所属するスターダストプラネットのグループの中でもこれまでにないユニークかつ魅力的な楽曲がそろっており、個人的にも注目してきました。今回そうした楽曲を収録した新アルバム「九祭」が発売になった機会をとらえアイドル楽曲に造詣の深い「『ももクロを聴け!』*1の著者、堀埜浩二さんに話を聞いてみることにしました。 (ZOOMインタビュー発売以前の17日夜に収録。聞き手は中西理) 中西 次に個別の楽曲についてお聞き

【連載第2回】『ももクロを聴け!』の堀埜浩二さんにばってん少女隊『九祭』について聴く(2)

ばってん少女隊の4thアルバム「九祭」が19日発売になりました。最近のばってん少女隊はダンスミュージックでありながら和のテイストも感じさせるような所属するスターダストプラネットのグループの中でもこれまでにないユニークかつ魅力的な楽曲がそろっており、個人的にも注目してきました。今回そうした楽曲を収録した新アルバム「九祭」が発売になった機会をとらえアイドル楽曲に造詣の深い「『ももクロを聴け!』*1の著者、堀埜浩二さんに話を聞いてみることにしました。 (ZOOMインタビュー発売以前

【連載第1回】『ももクロを聴け!』の堀埜浩二さんにばってん少女隊『九祭』について聴く

ばってん少女隊の4thアルバム「九祭」が19日発売になりました。最近のばってん少女隊はダンスミュージックでありながら和のテイストも感じさせるような所属するスターダストプラネットのグループの中でもこれまでにないユニークかつ魅力的な楽曲がそろっており、個人的にも注目してきました。今回そうした楽曲を収録した新アルバム「九祭」が発売になった機会をとらえアイドル楽曲に造詣の深い「『ももクロを聴け!』*1の著者、堀埜浩二さんに話を聞いてみることにしました。 (ZOOMインタビュー発売以前

AKB48とももクロについて再考してみた「AKB48白熱論争」@幻冬舎新書を読む

 私がももいろクローバーZの論考を書くきっかけになった書籍。AKB48全盛期と言っても過言ではない2012年の出版。最近家にある書籍の不要なものを古書店に売却処分するなど整理している中で本棚の奥からこの著作を発見。思わず懐かしくなって読み返してみたのだが、AKBがその当時と比べると凋落していると言わざる得ない現在読んでみると忘れていたいろんなことを思い出して懐かしい気持ちになった。  逆に現在の冷静な目から俯瞰してみると日本の言論界においてそれなりの地位にあった(あるいはあ

BTS、Dai-CE、Snow Manなど男性グループの曲もカバー。ノンストップで行うダンスミュージックのライブ「AMEFURASSHI ”SONG AND DANCE Vol.2"」@白金高輪SELENE b2

「AMEFURASSHI ”SONG AND DANCE Vol.2"」@白金高輪SELENE b2が凄かった。ハイライトがありすぎて、目移りするような展開。あーりんのポジションに萌花が入り佐々木彩夏ソロ曲「Lady Cat」をダンスカバー。BTSの「BUTTER」、Da-iCE「CITRUS」も歌、ダンスつきで完全カバーした。もちろんオリジナル曲もダンスに切れがあり、歌にもより勢いを感じた。Snow Manの楽曲を歌いながら、踊るなど女性ボーカル&ダンスグループとしてはこれ