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中西理のアイドル論考

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演劇ダンスなどを批評してきた中西理がアイドルについて考えてきたこと、ライブ参戦のレポートなどを掲載します。
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2023年5月の記事一覧

コロナ禍後初の声出し解禁にモノノフの歓喜が爆発 代々木無限大記念日 ももいろクローバーZ 15th Anniversary@国立代々木競技場 第一体育館

「代々木無限大記念日 ももいろクローバーZ 15th Anniversary」はももクロの結成15周年記念公演ではあるが、本来の記念日である翌日(5月17日)に比べて、この日はコロナ禍後初のコール解禁の日というのが大きかったかもしれない。会場ではやっと声が出せるモノノフの歓喜が爆発した。 冒頭の「overture~ももいろクローバーZ参上!!~」からして我慢に我慢を強いられてきたモノノフのコール復活の喜びが溢れ出した。5年前の10周年記念公演では東京ドームの外側までその音が響

声だし解禁で大変な盛り上がり 世界観邪魔するコール見られず ばってん少女隊 SPRING 『想定の遥かナナメ上』ツアー in新宿@Zepp Shinjuku (TOKYO)

ばってん少女隊 SPRING 『想定の遥かナナメそ上』ツアー in新宿@Zepp Shinjuku (TOKYO)はばってん少女隊のツアーファイナルとなる公演。春に新宿に出来たまだ新しいライブハウスでのライブで、ばってん少女隊にとってはコロナ禍以降では初めての声出し可能なレギュレーションとなった。  楽曲は前回見た中野サンプラザでのライブ同様に和の要素、お祭り、ダンスミュージック、九州というモチーフを体現したアルバム「九祭」の楽曲中心ではあったが、ほぼそうした内容に限定されて

【アーカイブ】ももクロとモー娘。のパフォーマンスの違いについての考察 ガールズ・グループの祭典 RAGAZZE!~少女たちよ!~@NHKBS1

地上波版は1時間だったが、この日は放送時間が2時間。AKB48のスペシャルメドレーを除くと全てフル尺で公開されたのはアイドル番組としては画期的なことではなかったかと思う。 トップバッターはももいろクローバーZ。いまももクロを持ってくるとしたらトップに置くか、トリとして最後に持ってくるしかないだろう。そのくらい現在の実力を存分に見せつけたセットリスト、そしてパフォーマンスであった。披露されたのは「ロードショー」「Chai Maxx」「天国のでたらめ」「走れ!-ZZ ver.-」

フィロのス、OCHA NOMA、アメフラが揃い踏み 歌舞伎町UP GATE↑↑@ Zepp Shinjuku (TOKYO)ほか

新しく出来たZepp Shinjuku。音響がよくVRなどの映像の使い勝手がいいというもっぱらの評判のため、そういう条件を存分に使いこなせる実力を持つAMEFURASSHIがここでどんなパフォーマンスを見せてくれるのかが、とても楽しみでチケットを取った。 直前というわけではないがこのフェスでは同じ会場をフィロソフィーのダンスやハロプロの実力派OCHANOMAのパフォーマンスも予定されており、動員、知名度はともかくこういう実力派のグループとの比較でAMEFURASSHIの実力の

アメフラっシ「メタモルフォーズ」の楽曲分析記事

「偶像音楽 斯斯然然」というネット上の連載*1でアメフラっシの1stアルバム『METAMORPHOSE』*2が紹介されている。いささか長くなるがその部分の文章を引用し、紹介したい。アイドル音楽についてのライターである筆者はまずアルバムの紹介を以下のように始める。記事中でも何組か取り上げたなかでのトップで紹介しているし、なかなか好意的な評価といえそうだ。 アメフラっシ 'メタモルフォーズ' Music Video さて、次に続くのが表題曲である「メタモルフォーズ」の分析であ