声だし解禁で大変な盛り上がり 世界観邪魔するコール見られず ばってん少女隊 SPRING 『想定の遥かナナメ上』ツアー in新宿@Zepp Shinjuku (TOKYO)
ばってん少女隊 SPRING 『想定の遥かナナメそ上』ツアー in新宿@Zepp Shinjuku (TOKYO)はばってん少女隊のツアーファイナルとなる公演。春に新宿に出来たまだ新しいライブハウスでのライブで、ばってん少女隊にとってはコロナ禍以降では初めての声出し可能なレギュレーションとなった。
楽曲は前回見た中野サンプラザでのライブ同様に和の要素、お祭り、ダンスミュージック、九州というモチーフを体現したアルバム「九祭」の楽曲中心ではあったが、ほぼそうした内容に限定されていたアルバムライブとは異なり、「おっしょい」「ばってん少女」など過去の人気曲も披露。コールの解禁も相俟って大変な盛り上がりぶりを見せた。
白いフレーム状のオブジェを除けばほぼ舞台美術はなく、シンプルな舞台空間をパフォーマーの身体と舞台背面に映写される映像で空間構成がされていく。この日は新しいライブハウスということもあり、天井に吊られたミラーボールにレーザー光線を当てて、会場全体に映し出すような演出も多用された。
コールに関してはアイドル現場特有の名前コールなどがそぐわないような最近のダンスミュージックに曲と無関係にむりやりだみ声で名前コールを押し込むような行為はほとんどなく、ゴールの定着した過去の楽曲には「もっともっと」というメンバーの煽りなども相まって激しくそうでないところは抑えめにと軟着陸がうまくできていたと感じた。
そしてこの日改めて感じたのは結局のところ実はコール問題というのは観客の問題というよりもメンバーが自分たちの音楽性とも相俟ってどういうライブにしていきたいのかという意思の問題。だから、パフォーマーのちょっとした所作や発言でそぐわないようなコールや行為は客席から排除できるはずで、この日のばってん少女隊のメンバーは見事にそれをこなしていたのではないかと思う。実は私がライブに出掛けている他のグループについてもももクロが次のワンマンでコール解禁、AMEFURASSHIもフェスやリリイベについてはそれぞれの会場や企画のレギュレーションにより声出し解禁をしつつあり、いまのところ一部私の目から見たら「ライブの世界観に合うのかなあ」と思うコールなども散見されるもののこういうのはそのうち空気感から次第になくなっていくもので、メンバーがそれを感じないようなら、それは「そこまでのグループ」ということだと考えた方がいいのかもしれない。
ダブルアンコールではこのツアーで初めてと思われる熊本を主題にした新曲(「あんたがたどこさ」が曲中に取り入れられている)が披露されたが、そのままMCも何の説明もなく、曲が終わると捌けていった。実にばゅっしょーらしい演出。
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