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平成の舞台芸術回想録(中西理)

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これまでも過去30年間に私が体験してきた舞台について、回想録の形で取り上げる連載をスタート、青年団「東京ノート」、ダムタイプ「S/N」を掲載してきたが、チェルフィッチュ「三月の5… もっと読む
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記事一覧

平成の舞台芸術回想録第二部(10)シベリア少女鉄道「耳をすませば」

 2000年以降の日本現代演劇の新たな方向を代表する劇作家としてシベリア少女鉄道の土屋亮一と…

中西理
10か月前
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平成の舞台芸術回想録第二部(8)ミクニヤナイハラプロジェクト 「3年2組」

矢内原美邦が率いるパフォーマンスグループNibroll(ニブロール)の舞台はそれ以前から見てい…

中西理
10か月前
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平成の舞台芸術回想録第二部(9)ヨーロッパ企画「サマータイムマシン・ブルース」

「サマータイムマシン・ブルース」(2001年初演)は京都に本拠を置く劇団「ヨーロッパ企画」の…

中西理
10か月前
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平成の舞台芸術回想録第二部(7) 青森中央高校演劇部「もしイタ~もし高校野球の女…

 平成の舞台芸術を回想していくうえで、青森県に本拠を置く、劇作家、演出家畑澤聖悟のことを…

中西理
10か月前
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平成の舞台芸術回想録第二部(6) 東京デスロック「再生」

 青年団演出部所属の演出家、多田淳之介が率いる東京デスロック「再生」は平田オリザ流の群像…

中西理
10か月前
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平成の舞台芸術回想録第二部(5) ナイロン100℃「カラフルメリィでオハヨ ―いつも…

ナイロン100℃「カラフルメリィでオハヨ」(1988年初演)はケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA…

中西理
10か月前
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平成の舞台芸術回想録第二部(4) 劇団☆新感線「阿修羅城の瞳」

人気劇団の劇団☆新感線の演目がここで取り上げられるというのはこれまで取り上げてきた演目の流れから不思議に感じる人がいるかもしれないが、平成の30年間というスパンで日本の現代演劇を考えると劇団☆新感線というのは絶対に落とせない存在だと考えている。  ただ、どの作品を取り上げるべきかということになるとなかなか難しい。個人的にはおポンチ路線のひたすらバカバカしい作品*1やミュージカル路線*2の作品もそれぞれ新感線らしくて好きなのだが、ここでは「いのうえ歌舞伎」の代表作で映画化*3も

平成の舞台芸術回想録第二部(3) 大人計画「ファンキー!」

 この連載では90年代を代表する作家として、平田オリザのことをたびたび取り上げてきたが、実…

中西理
1年前
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平成の舞台芸術回想録第二部(2) ク・ナウカ(SPAC)「天守物語」

 90年代には平田オリザらによる現代口語演劇(関係性の演劇)と並ぶもうひとつの大きな流れが…

中西理
1年前
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平成の舞台芸術回想録第二部(1) 弘前劇場「家には高い木があった」

 第一部では1990年代を代表する作家として、平田オリザ*1、松田正隆*2を取り上げたが、現代口…

中西理
1年前
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平成の舞台芸術回想録(10) 松田正隆(青年団プロデュース)「月の岬」

マレビトの会の松田正隆が1990年代には平田オリザと並ぶ現代口語演劇の旗手で、松田の颯爽たる…

中西理
1年前
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平成の舞台芸術回想録(9) 維新派「呼吸機械」

維新派の公演を巨大というしかない野外舞台を追いかけて奈良山奥のグラウンドから瀬戸内海に浮…

中西理
1年前
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平成の舞台芸術回想録(8) 劇団ホエイ「郷愁の丘ロマントピア」

山田百次は約10年前に上京。弘前劇場を退団した女優らとともに「劇団野の上」を設立し本格的な…

中西理
1年前
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平成の舞台芸術回想録(7) 玉田企画「あの日々の話」

2010年以降に活躍が目立つポストゼロ年代演劇の代表的作家としてままごとの柴幸男と木ノ下歌舞伎の木ノ下裕一による作品を取り上げたが、彼らの世代に続く新世代の代表としてはともに青年団演出部に所属する玉田真也(玉田企画)と綾門優季(キュイ)が双璧といえるだろう。  そのひとりである玉田真也の代表作が玉田企画「あの日々の話」である。この舞台はカラオケボックスでの一晩を描き、大学生サークルにありがちな軽いノリが引き起こす気まずい出来事をきわめてリアルな筆致で描きだす。  次年度の会長