240208寝台

 営業日の前日は物の出し入れで一日が終わる。箱を開けて物品を定位置に収め、箱を捨てたり洗ったりして次の箱を開ける。自営業は物の出し入れである。

 肩と腰が痛くなったので韓医院に行く。韓医院(ハニウォン)とは主に針灸を施してくれる東洋医学の病院であり、ソウルではコンビニ並みにあちこちに存在するから面白い。最近、行きつけのG医院がある日突然廃業してしまい、一週間後には別の韓医院(美容専門)に変わっていた。今は近所の他の韓医院(徒歩圏内に数十とある)を試しまくり、体を張って比較検討している段階だ。
 韓医院はピンキリである。弘大のJ医院は腕は確かだが、一回の治療で3000円ほどするし人気すぎて来週の予約を取るのも難しい。新村のS医院は一回1000円台と安くいつ行っても受け付けてくれるが、治療はスピーディーすぎて物足りない。かつてのG医院は時間をかけて丁寧に治療してくれるのにお手頃価格で、いつもすいているうえに家から近く、まさに天国のような場所だったが残念でならない。
 昨日行ってみたH韓医院はまあまあ悪くない気がしたので、今日も再訪してみた。先生の腕がいいのか悪いのかよく分からないが、物理治療(電気マッサージ)を長い時間やってくれるのはいい。要予約だが当日予約も可能で、夜10時まで営業していて、なんと1000円以下とこれまで聞いたことのない価格。しかし大きな問題がひとつあって、それは治療を受けるベッドが微妙に居心地悪いということである。
 施設は至って清潔だ。しかしベッドは小さく、長方形の柔らかい枕がひとつ置かれるのみ。治療の際はここにうつぶせになるわけだが、どうすれば気持ちよく横になれるのか分からない。枕の上に顔を乗せれば息が苦しいし、おでこを乗せれば首が痛い。他の韓医院には、たとえば顔に当たる部分がへこんでいるなど、うつぶせで寝やすい枕が用意されているものだが……。結局不自然な寝姿で治療を受けることになり、終わるころには手足が痺れ、寝違えたような疲労を受けることになる。
 しかしそれ以外のメリットは捨てがたく、今日もう一回行ってみたが再び寝違えた。まあまあ悪くない気がしただけだったと悟った。

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