偶然を信じる。

出張先の青森某所からお送りしています。

ここ最近の私は、「偶然」をとても大切にするようになりました。
たとえばどこかに出かけるしても、少し前の自分は行くところをしっかりと決めてから靴を履いていましたが、今では最寄り駅につくまで決めないこともあります。

それはある危機感からです。

色々な「偶然」と思われていた物事が、ビッグデータやAIによる解析で実は偶然じゃなかった、必然だったと判断されることが、この先どんどん増えていくだろうなという危機感です。

たとえばお天気。

気象学という学問が体系化されるまで、その日の天気は神のみぞ知る、偶然で片付けられていたのではないでしょうか。
しかし、いまはレーダーや衛星などの最新のテクノロジーである程度予測することができる。つまり、気象現象は偶然ではなくある程度「必然」と呼べるようになってきたのではないかと考えています。AI技術でますます予報精度は上がっていくでしょう。

それから、人と人、特に男女の出会い。

ある調査によると、今年結婚した人の5人に1人はマッチングアプリで知り合ったという結果が出たそうです。
人と人、とりわけ男女の出会いは偶然がほとんどを占めていると思っていたのですが、こちらも個人が入力した情報を基にプログラムによって選ばれたペアが結ばれていく。この二人が結ばれたのは偶然ではなくAIによって仕組まれた「必然」だった、と。(それが悪いということではありません。マッチングアプリは効率的かつ精度の高い出会いを求めるには良いツールだと思います)

という感じで、AIが発展してくることで今まで「偶然」とされてきたものが計算・説明できるようになってしまい、「偶然」という名のブラックボックスが解明されていくことでそれを楽しめる機会がどんどん減っていくかもしれない。ということを考えてます。

だからこそ私は「偶然」に賭けたいとも思っています。

AIでも計算できない人と人との出会いは、まだきっとあるはず。
むしろAIから除外された領域に、大きな可能性が秘められているのではないか。そこからまだ見ぬ未来が待っているのではないか。

そんな考えに至り、以前よりも色々なイベントに積極的に足を運ばせていただくことが増えました。
そして思わぬ形で、一生記憶に残るような企画をさせていただけることになり準備を進めています。(この話はまた別の機会で)

また、実は10月から実家を出て一人暮らしを始めました。
一人暮らしを始めたきっかけも、4年ぐらい前にとある偶然で知り合った人と最近会話したことがきっかけです。
この偶然の出会いがなかったら、私が実家を出るのはもっと後になっていたアもしれません。
(ちなみに、その会話をしてから一か月後には引っ越しました。かなりのスピード感でした)

AIの進化は私たちにより良い未来をもたらしてくれるものと信じています。
一方で、人智を超えたAIが、偶然だと思ってきたものを解き明かし必然にしてしまうかもしれない。

果たしてその未来は面白いのでしょうか。

計算された未来より、偶然の未来を信じて楽しみたい。
私は偶然の出会いを信じます。


おやすみなさい。



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