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オンライン父さんの休日

~膝枕 オマージュ作品~膝に溺れた人たちへ…2

え~こんち、お日柄もよく、まだ5月だというに汗ダラダラで書いております。(太りすぎとか言わない、そこ。自覚してますから。)毎度お騒がせします、倭國です。
わたくし休日の朝ではありますが、晴天なのにお出かけするとこもなく、PCに向かってもくもくと、時間を無駄に消費しております。

今回、投稿させていただきました、「オンライン父さんの休日」は
以前に書いた「オンライン父さんの決心」のリメイクと言いますか、シナリオバージョンとして進行する予定ではありましたが、かなり脱線してしまいまして・・・、形になってからとは思っておりましたが。
これって外伝じゃないの?声もあり、未完成の状況ではありますが公開させていただきました。(いつも未完成じゃないか?わかってます)ご勘弁ください。

今回も、脚本家 今井雅子先生の短編小説「膝枕」の世界観に憧れまして、
勝手にリスペクトさせていただいております。
外伝なんておこがましい。ただの素人の妄想です。笑って、読み流してください。


「オンライン父さんの休日」


       原案 今井雅子 「究極の愛のカタチ『膝枕』」
          作 倭國(わくに)

1、
休日の朝、無趣味で特にやることもない男は
床の上でゴロゴロしながらTVをみていた。

部屋の片隅にある、座布団型充電ステーションの上で静かに座っていた、ナイチンゲール型膝枕、ニーナが話しかけてきた。

二 「エナマエ様、エナマエ様 天気が良いのでお出かけしませんか?」
エ 「お出かけ?」
二 「そうです、そうです、お出かけです。」
エ 「いやいや、ニーナ・・・君が外を歩いていたらみんなびっくりするでしょうよ。」
二 「エナマエ様大丈夫ですよ、日本は治安のいい国です。ネコ型ロボットなんて何十年も前からお買い物行ったり、空飛んだりしても誰からも何も言われませんよ。」(それは、前にもやりました)
エ 「いやいや、あれは国家機密のグレーゾーンですから・・・ところでどこに行きたいの?」
に 「大型ショッピングモールってところに行きたいです。」
エ 「なんでまたそんな所に、って言うか、なんでそんなの知ってるの?」
二 「エナマエ様のスマホちゃんにテザリングしてもらって、教えてもらったよ。」
エ 「やはり、お前のせいだったんだ、最近パケットの減りが早いと思ったら。手もないのにどうやってインターネットできるんだよ?」
二 「パソコンはいらないよ、ネットにつながれば自分で見ることできるよ。テレビも点けることができます。」
ニーナーは器用に脛でTVのリモコンを操作してTVをつけて見せた。
エ 「こら、足でTVをつけてはいけませんって、ママに言われてなかったのか?」
二 「そこかい・・・」ぼそりとつぶやく。
エ 「すごいな、まるでア○クサみたいだな・・・ニーナ、いい感じの音楽流して」
二 「ムリ!音楽再生機能は無いです。」
エ 「ニーナ、電気点けて。」
二 「ムリ、スイッチに届かない」
エ 「ニーナ、明日の天気は?」
二 「知らない、スマホちゃんにきいてください」
エ 「ダメダメロボットじゃん。ロボット三等兵かお前は。」
二 「ロボット三等兵なんて誰も知らんわ。」

しばしの沈黙。
エ 「ところで、なんでショッピングモールなんかに行きたいの?」
二 「かわいいスカートと替えの下着が欲しいわ、いつまでもナース服じゃ24時間働けますかって感じで、ちっとも落ち着かない。それに私だってレディーなのよ、可愛い白のフリルのスカートくらい欲しいじゃない。それと、それと、かわいい下着はマストアイテムね。履きっぱなしなんて考えられない。前からずーっと言いたかったのに我慢してたんだからね。あと、あのセンスのかけらもない座布団カバー、紫色に『笑点』の白抜き文字なんてどう言うセンスかしらって、人間性を疑ってしまうわ。それとね電気屋さんに行ってねブルートゥースイヤホンを買って、3個コインショップに行って・・・」
エ 「ちょっと、ちょっとわかった、ところでその最後のブルータスって何するの?」
二 「エナマエ様知りませんか?ワイヤレスで音楽を聴いたり、会話をしたりできるやつです。知りませんでした?私、5.5対応なんです」
エ 「5.5?・・・5.1chじゃなくって?」
二 「それはサラウンドスピーカーです。知ってる単語、適当に言ってるでしょう。」
エ 「ひどいな、そんな嫁さんみたいな突っ込みを・・・。」


二 「そんなにすねないで、行きましょう、行きましょう、ショッピングモール」
エ 「わかったかから・・・で、どうやって行くの?」
二 「そうね・・・。お姫様抱っこ。とか?」
エ 「お姫様抱っこ、って。重すぎるわ!」
二 「レディーに重たいだなんて、仕方がないです。かぼちゃの馬車か、高級リムジン。」
エ 「そんなもん誰も持ってない。」
二 「じゃーね、じゃーね・・・。タケコプター!!」
エ 「それはやめろって。」

男は仕方なく、クローゼットの中から少し大きめの旅行鞄を持ち出してきて差し出した、鞄には、小さなキャスターがついていた。

エ 「これでいいか?」
二 「えー、狭そうで臭そうです。」
エ 「臭そうは余計じゃ。」
二 「仕方がないですね、きれいに洗ったバスタオルをひいてくださいね、私の美しい柔肌が傷だらけになってしましますから。」
エ 「はいはい、解りましたお嬢様。おとなしく入っていただいてよろしいでしょうか?」

男は、旅行鞄の底にバスタオルをひいて、中にニーナを座らせた。
鞄のジッパーをしめてしまおうとすると、ニーナが叫びだす。
二 「きゃーやめて、全部閉めちゃうと真っ暗になっちゃう、窒息しちゃうー、やめてー。」
エ 「わかった、解った、ちょっとあけておくから静かにしてくれ。」
二 「ありがとうございます、丁寧に動かしてくださいね」

鞄の口を少しあけて旅行鞄の持ち上げる、重い。
昔、何かの本で読んだことがある、下半身の重さは全体重の40パーセントくらい、つまり・・・

二 「エナマエ様、変な詮索はしないでください。」
エ 「はい・・・。」

タクシーを呼ぼうかと思ったが、我慢をして駅まで歩くことにした。
旅行鞄のストラップを引きずりながら、ダラダラと駅までの道を歩く。
その道のりもニーナはずっとしゃべりかけてくる、初めての外出がよほど嬉しかったと見える。

二「エナマエ様、あの建物はなに?あのお店は何屋さん?・・・あのおじさん、カツラだよね、バレバレ」とか
エ「ニーナ、ちょっと静かにしててよ、変な目で見られちゃうよ。」

なるべく人通りの少ない道を選んで、駅に向かった。
駅前のロータリーからショッピングモールへ向かう、無料シャトルバスが出ているとの事だった。ニーナが教えてくれた。お買い物の家族連れの中に混じって大きな旅行鞄を抱えて、シャトルバスに乗り込んだ。
流石に休日ということもあって、車内は結構込み合っていた。ドアの近くの一人掛けのシートに腰を下ろすと、小声ではあるがニーナが話しかけてくる。カバンを膝に抱えニーナのボケを華麗にかわしていると、反対の列に座る、就学前と思われる子供がこっちを見ていた。
子 「ママ、あのおじちゃんカバンとお話ししているよ」
母 「あんまり、見るもんじゃありません。かわいそうでしょ」
エ 『かわいそうって、なんだよ。』男は、心の中でつぶやいた。
二 『エナマエ様、かわいそうなの?』男はカバンに握りこぶしを見せつける。

大型ショッピングセンターは駅から少し外れた郊外に立っていた。
工業団地の少し外れ、広大な敷地に数百の専門店が集まる文字通り。巨大な商店街なのである、つまようじから自動車まで、ここに来れば何でもそろう。無料シャトルバスはロータリーに停車した。地上3階建て巨大な駐車場を備え、屋上にも駐車できるようになっている、男はその建物に初めて足を踏み入れた。

エ 「ニーナ・・・帰ろうか・・・。」
二 「エナマエ様、なに怖気づいてるんですか。」
エ 「いや・・・おじさんが休日に一人で歩くところじゃないよね。」
二 「何言ってるんですか、行きますよ。」
エ 「わかりましたよ、行きますよ・・・その前にトイレに・・・」
二 「かしこまりました、トイレへナビゲートします。その先20m右折です」

お買い物カートにカバンごとニーナを乗せて店内を移動した。トイレは別館への渡り廊下の手前にあるらしい、ニーナのナビゲートで足早に、歩みを進める。
数々の華やかなテナントの前を、わき目も降らず素早く通過してトイレへ向かう、そんな中一軒のテナントの前で足が止まった。
『ひざまくら専門店』・・・

2、
店の中には数体の膝枕が並べてある、壁際には専用のスカートやホットパンツ、充電用座布団のカバーなどがディスプレーされていた。店員の姿は見当たらない。メインストリートから少し入り込んだあまり目立たない立地であるため、足を止める人も少ない、男は吸い込まれるように中に入ってしまった。

エ「ニーナ・・・トイレは?」
店員 「いらっしゃいませ、あなたがご主人様ね。お久しぶりです、ニーナ。素敵な名前をつけて頂きましたね。」
二 「お久しぶりです、135。」

いつの間にか店員が傍らに立っていた、カウンターの奥のパーテーションの裏から出てきたのであろうか、ブラウスのボタンんが弾けてしましそうな胸元には、名札に135の数字。(社員番号?)
タイトスカートから覗く白い膝が激しく主張している。

男は驚きつつも、胸から腰、腰から足をじっくり堪能し目線を顔へ移した。
飛び切りの美人ではないものの、端正な顔立ちをしている。真っ赤なルージュを塗った唇が印象的であった。
店員 「初めまして、エナマエ様。店長のヒサコと申します。ニーナとは定期的に連絡をとらせていただいておりました。今回、お招きいたしましたのはエナマエ様にお願いしたいことがございまして。」
エ 「お招き・・・?連れてこられたの?ニーナさん・・・」
二 「エナマエ様、ごめんね・・・てへっ」
ヒ 「一緒に、来ていただいてよろしいでしょうか?」

ヒサコに導かれるまま、男とニーナはパーテーションの奥へと進む。
パーテーションの裏に回ると、事務所の扉があった。中に入ると長めの廊下になっていて、廊下の突き当りには資材搬入用と思われる大きめのエレベーターがあった。ヒサコは慣れた手つきでエレベーターの脇の電子ロックを解除して中に入る。
上がっているのか下がっているのか、よく判らないが動いているのは確かだ。色々と聞きたくはあったが、質問が言葉にならない。
数分の沈黙を経て、エレベーターは止まったらしい、静かに扉が開いた。

そこには、アニメか映画でしか見られないような、光景が広がっている。
少し暗めの学校の講堂を思わせる、広さの室内には数十台のモニターの明かりが点灯している。壁一面には大きな液晶画面に日本を中心にした世界地図が表示されていた。
エ 「あの・・・ヒサコさん。」
ヒ 「はい。何でしょうエナマエ様。」

男は、青い顔をして、もじもじと腰をにじらせている。
二 「どうしました?エナマエ様」

エ 「トイレはどちらでしょうか?」


2日目へ続く

~~~~~~~~ 余談 ~~~~~~~~~~

自分にしては、大きく展開したのかな?
なんて思っておりますが、どうやって
思う方向に舵を取ればよいのか、プロの方は凄いですね。
只々、感心するばかりです。

また中途半端に、なってしまった、とりあえずお出かけ準備はできた。
今回、言いたかったことは、ドラえもんはなぜ?
単身で街中を歩いても、誰からも不思議に思われないのか?
ってことですかね。

他愛もない落書きにお付き合いいただきまして、ありがとうございました。


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