2024/3/9 チェロレッスン

夏の音楽合宿に向けて「これ聴いておいで。好きだったらやろうか」と曲をいただいていたのだが、今日の段階でボウイングとフィンガリングの指示が入った譜面をいただいてしまった(好きだったので感謝しかない)。先生、仕事がはやいっ!
曲はまだ弾けないので、ドッツァウアー65から見ていただいた。次回の課題とはならなかったが、スラーのあとにスタッカートで返すような音の形のとき、スラーの最後の方で力が抜けて弓圧(というのか?)が落ちてしまい、情けない音になることが多かった。その場で指摘を受け、修正して弾いたら及第点をいただけたのだろうか。
続くドッツァウアー66では、音程が悪いね、とぼそり。分散和音で音がはまってないのが目立つらしい。頭の中でちゃんと和音を鳴らして、そこにはめるように弾くんだよ、という、前回と同じご指摘をいただいてしまった。
思い返せば、ピアノで和音を弾いて覚えておこうと思ったのに、すっかり失念していた。明日、実家に行ってピアノをたたき、平均律の和音を頭に叩きこもう……と心に誓う。手帳にも書いた。
ドッツァウアー67は半音ずつ上がり下がりするエチュードだが、振ってある指順通りに弾いたら全然ダメだった。
「もっと速く弾ける指使いを考えてごらん。例えばこう。こんなのもアリかな」
と、いくつかサンプルを見せていただく。その通りに弾くと、なるほど、指が回る。
「そう! 他にもそういうところがあるでしょう。あなたの中に知識が蓄積されれば、何かを表現したいときにどんな指にしたらいいか、パッと出てくる。エチュードは正確に弾くことが第一だけど、そうやって色んなパターンを自分で考えてみると、もっともっとためになるよ。この指使いはヘンだなって気づいたりね」
それから先生は、再来週に演奏するというシューベルトの歌曲を弾いてくださった。
「これはもともとホルンのパートだから、このメロディはやわらかい感じで、こう弾こうと思ってるの(演奏する)。同じメロディが出てくるから、その時はちょっとチェロらしさを出そうと思って、こう(演奏する)。3回目はねぇ……(短調から長調になる)この、前の2回とは音が変わる前の音、わかる? 違う音にはアクセントがついてるから、そこに向けて前の音の弾き方も変えてるんだ」
こんな演奏を間近で、しかも解説付きで拝聴できるなんて……と、感激のあまり泣きそうになった(堪えた)。こんなに色々と考えて演奏されるのに、聴衆のほとんどは「なんかきれいだなぁ」「なんか違うかも」で流してしまうのだろう。「なんか心地良い」を感じさせるための配慮がたくさん詰めこまれているのに気づかれないのももったいない気はするが、先生は「それでいーの」とおっしゃる。何というか、職人的で、めちゃめちゃかっこよい……。
普段は隔週でお願いしているのだが、再来週は先生が不在のため、来週にレッスンをお願いしてしまった。
はやく帰って練習しよ! と思いつつも、お腹が空きすぎて立ち食いそば的な店に寄るのであった。

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