2024/2/24 チェロレッスン

レッスンに向かうときは緊張する。
習い始めの頃は「先生に見捨てられたらどうしよう」という緊張だったが、最近は「先生にお時間を割いていただくし、私の時間も使うのだから、少しでも良い時間にしたい」という感覚の緊張である。
先生の前で良い姿(前回よりも成長している、指摘に対してその場で反応して改善する)を見せたいという結論は変わらないが、プロセスが大違いなためか、自然体でレッスンを受けられているような気がする。
時間は命で、レッスンというお互いの時間を差し出し合う行為は、命を差し出し合うような行為でもある、と思う。知らんけど。

今日もドッツァウアーを見ていただいた。
前回「これはスラーのあとのスタッカートが、パーッパパって歯切れよくないとペケ」と言われた62番。弓の先の方に重みを乗せて確実に音を出すのは難しかったのだが、後述の64番で指を使う練習をしたおかげか、だいぶマシになっていたようである。よかった。
だが拡張ポジションを一度におさえるのができていなかった。その場で「こうやってごらん」と先生の目の前で何度も練習させていただいた。しばらくして「ゆっくりならできるようになったと思う」その通りだった。「もっと速く弾いてごらん」できなかった。テクニックがスゴい人は、もっと速くても全部音をハメてくるからね~……と言われるも、及第点だったのか? またやっておいでーとは言われなかった。が、勝手に練習しておこう。
63番の重音エチュード。こちらは「音程がねぇ……たくさんおさえてると、思った以上に手が縮こまるから、もっとちゃんと確認しておいで」とのことだった。一音一音再確認し、取れてない音を取り直し、手が縮こまる部分は更に意識し……と練習してきたら、なんとか「まぁいいか」と思われるレベルに至ったらしい。私の耳と先生耳は精度が大違いなので、音を聞けていないことも多々ある。それでも着実に耳が育っていく実感はあるので、今後もちゃんと聴くことを心がけていこう。
右手の指を使いなさいと指導を受けた64番は、隣り合う2本の弦をスラーで行ったり来たりするエチュードである。弓を軸中心に回転させることなく、弦を支点に上下させる。どの関節をどれくらい使うか? というバランスの調整が必要である。見せなくてもいいけど、今後も指の動きを練習するように、とのお言葉付きでパス。
前々回チラッと弾いて「スラーの最後が消えてる」と言われた65番。練習中、返し弓でA線とC線を行ったり来たりすることもあり、移弦が間に合わねぇ! いうような問題があった。その際、別のエチュードで先生に受けた「先に肘を動かして準備しておきなさい」というアドバイスを適用させてみた。肘! 肘! と意識して練習すると、なんとか間に合うようになった。ゆっくりと肘の動きを確認して、再びインテンポ。といったことを繰り返していた。
が、使うべきは肘以前に指だったらしい。「もっと指を使ってらっしゃい」とのことで次回へ持ち越し。勘違いで違うことに力を注いでいたりするので、私にはレッスンが欠かせない。
そして音程が取れなさすぎた66番を見ていただいた。こちらは初だ。
「これ分散和音でしょ。和声でできてるから、ちゃんとそこに音をはめ込まないとペケ」ということで、こちらも次回へ持ち越し。音を取ってはその前の音とハモっているか確認するよう指導を受けた。な、なるほど……!?
まずは平均律で音がわかるようになりなさいね。一音一音、ちゃんと確認してきなさいね。という基礎中の基礎なコメントをいただいてしまった。いやぁ、音程がわかりたいもんだなぁ。

そして、夏の合宿に向けて曲を選んでいただいた。当初はデュオ+ピアノとのことだったが、デュオだけになっていた。
「どうかな。ピアノがなくなっちゃって嫌だったり、他に弾きたい曲があったりしたら言ってね」
全く問題なかった。先生が「これ、あなたの勉強にちょうどいいと思って」と選んでくださった曲に文句のあろうはずもない。というか「そんな曲は嫌だ」と意見するくらいなら、最初から自分で選んで先生に依頼している。自分の意思で、先生に委ねるという選択を既にしていた。

次回から、エチュードだけでなく曲も進めていく。
今回でドッツァウアー2巻が終わった(最後の曲は62番)ので楽譜の数自体は変わらないし、おそらくエチュードの進みが遅くなる分、練習する曲数もさして変わらないのだろう。
とはいえ、エチュードよりも「表現する」ことが求められる曲をいただき、なんかようわからんが、ワクワクしてしまう。スキップしたいような気持ちで先生のお宅を後にした。

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