残酷な神の翼下で①

神に使える身の見習いであったマティウスが、冷たく変わり果てた姿となって院の質素な寝室の固い寝台の上で発見されたのは、ある寒い冬の朝のことだった。

見つけたのは、朝の礼拝に現れない彼を院長から迎えに来させられた、幼児院住まいの孤児の少女。

最初はその少女自身が疑われたが、まだ幼い子供には足場のない寝台に上るのが難しいことはすぐにわかり。
また、マティウスの命を奪った薄くて固い枕が寝台の脇の床に転がっていることもすぐにわかり。
子供の力では、それを若者の顔に押し付け窒息させることはとても無理だろうと思われた。

そして、マティウスに手を下した犯人は、ほどなく知れた。
近隣の村から定期的に院に食料などを届けにきていた雑貨屋の娘が、その日のうちに親に付き添われ、自らの罪を告白しに来たのである。

この「神」の信仰では、罪人は1人礼拝堂で「神」に罪を告白し許しを請うという習慣があり。
その罪に対し、「神」が程良き時に適切な罰を課す……と、考えられていた。

雑貨屋の娘の来訪から翌朝まで、その夜は、礼拝堂に灯りが絶えることはなかった……。



~~その日の午後:雑貨屋の娘の告白~~


マティウスを殺したのは、私です。

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