聖女と輝きの鳥

それは、遠い遠いどこかの世界での出来事でした。

その地には、一族を統べる〈聖女〉がおりました。
一族を導き、整え、より善き方向へと向かおうと歩みをすすめていた〈聖女〉の日課は、〈聖域〉で彼らを照らす〈輝きの鳥〉と語り合うことでした。

その地は、命達の生きる場所として、非常に長い、長い長い年月を経ていました。
そのため、〈聖女〉の力でも〈鳥〉の力でもどうすることもできない、深くて濃い邪念の澱のようなものが、その地に生きる命達の多くにまつわりついてきていたのです。

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