優柔不断なINTJ(私)の話

 INTJの特徴を見ていると「決断力がある」「即断即決」みたいな言葉が並んでいることがある。
 私はこれらの特徴を大いなる嘘だと思って過ごしていた。他のINTJの方々にとってはわからないが、少なくとも私には当て嵌まらない事柄だ。
 私は自他共に認める優柔不断だ。食事に行けばいつまで経ってもメニューが決まらないし、買い物に行けば一時間くらい悩んでいる。決まったものだけ買おうと思って行っても、結局買うものが増えるだけという謎の現象が発生する。
 だから私は優柔不断だと思って生きてきたし、周りの人間も優柔不断だと思っているはずだ。
 しかしよくよく振り返ってみると、一概に優柔不断だとは言いきれない可能性も出てきた。あくまで私の主観によるものだが、どうか一緒に判断を下して欲しい。


優柔不断でないときもある


 例えば仕事で何かトラブルが起きたとき。トラブル対応を代わるか、私より偉い人間を呼ぶか、それとも別で待っている方の接客をするか。色々選択肢がある中で、基本的にはすぐに自分がすべき行動を選択し、それを実行することが出来る。
 仕事に関しては経験値があるのも大きいだろう。こういうときはこうした方がいい、というデータがある程度蓄積されていることにより、判断を早めることが出来る。ということは、食事や買い物は経験値不足ということだろうか。
 確かに外食はあまりしてこなかったが、買い物は人並み程度にはしていたと思う。なんなら学生の時分の方が、金銭的に余裕が無い分、判断は早かったように思う。選択肢が多いから悩むのだろうか。仕事中の選択肢はある程度正解が定められているから、そうでないプライベートの選択では迷いが発生するのかもしれない。
 そこまで考えて、いくつか気が付いたことがある。

消去法は得意


 まず一つ目。いくつか選択肢が与えられている中で、「これだけは嫌」という事象を選び取るのは早い。
 食べ物で例えるならば、私は辛い物全般苦手だ。もし提示された選択肢の中が苦手なキムチと好きでも嫌いでもない大福だったとしたら、迷わず大福を選ぶだろう。もう少し現実味のある二択にすれば良かったと思わないでもない。
 このように二択なら「これだけは嫌」とならない方を選べばいいのだが、少しずつ選択肢が増えていくとやはり優柔不断が顔を出す。選択肢が複数ある状態というのがいけないような気がしてきた。

全ての選択肢に魅力を感じない


 例えば、昼食を摂るとき。自炊が出来なかったときはコンビニ等で調達するのだが、どうも食べたいものが見つからない。
 好き嫌いが多い方であること、食についての興味がそこまで無いことも相俟って、昼食選びには中々難航する。とっとと食べ始めなければ休憩時間が削れていくだけなのに、中々選ぶことが出来ない。
 逆に言えば、魅力的な選択肢さえ見つけられれば決断出来るような気もする。ところがそう単純では無いらしい。

買わない選択肢を吟味しがち


 これは特に金銭面が気になっているときに多い。
 服や本など、どうしてもこれが欲しいという気持ちになっているとき、自分の中では買うという選択肢しか残されていないのに、無駄に買わない理由を考えてしまうことが多い。
 金銭面は勿論、複であれば着回しがしやすいかどうかとか、手持ちの服に合うかどうかとか。本であれば既に積読が多いのにとか、スペースも無いのにどこに置くとか。検討するのは大事なことだが、結局買う羽目になるのだからさっさと買ってしまえばいいのに、何を悩んでいるのやら。

そもそもトラブル慣れしているだけ


 比較的、最善手を選びやすいときですら、実は優柔不断なのではないかとすら思う。
 トラブルは仔細は違えど大体似たようなパターンになってくるので、一度や二度経験していれば次は大体対処できる。逆に言えば、初回は上手く対応できなかった記憶が蘇る。
 元々「臨機応変」とか「咄嗟に機転を利かす」といったことが苦手というのもあるが、結局最初から決断するのが苦手ということに落ち着きそうだ。今までの話はなんだったのか。

結論


 変なところで思い切りは良いが、結局のところ根本的に優柔不断なのだろうというのが私の見解だ。
 こうして結果をまとめてみると、INTJあるあるで言われている決断力というのもこの変な思い切りの良さが形を変えて表出しているだけなのでは? と思う。
 本来INTJはじっくり考えて判断を下すタイプだと思っている。既に経験した、あるいは知識として持っている、ないし想定していた状況であれば判断は早いが、そうでない場合は私と同じような方も居るのではないだろうか。居ると信じさせて欲しい。
 あとは、買い物は悩むものだという気持ちもある。悩むことが楽しくて買い物をしている。だから時間をかけてしまう。無駄なように見えて無駄ではない時間の遣い方だと、無意識に判断を下しているのかもしれない。
 兎にも角にも、もう少し早く物事を決断出来るようになりたいと思う。この大したことのない内容の記事だって、どういう題材にするか無駄に時間をかけて悩んでいる。
 悩むことで結果やクオリティがより良いものになるのであればいいが……、そんなこともなさそうだ。
 せめて慎重な人にグレードアップ出来るよう、日々精進していきたい。


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