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要介護認定の訪問調査を受けた体験記~事前準備と当日同席が大切

母の介護保険の要介護認定の更新調査がありました。

前回は入院中の調査でしたが、今回は自宅に認定調査員の方が訪問されての調査になりました。

いろいろ反省点が多い調査になってしまったので、介護保険の自宅での認定調査で感じたこと準備しておけばよかったことを、備忘録を兼ねて記します。認定更新だけでなくて初回の認定調査の場合にも共通する部分が多いので、同じように要介護・要支援認定の調査を受ける場合の参考になれば幸いです。

要介護の認定調査とは?

要介護・要支援の認定を受けるためには、住んでいる市区町村に要介護認定を申請します。その後に、市区町村から派遣された訪問調査員(認定調査員)が自宅や病院(入院時)などを訪ねてきて、要介護者の心身の状態についての聞き取り調査が行うものが、要介護の認定調査と呼ばれているものです。

母のように、すでに要介護の認定を受けている際には、有効期限満了日の60日前から更新申請の受付が開始されます。初回の調査のときと同様に、調査員が自宅・病院などを訪問して、全国共通の調査票を使って聞き取り調査が行われます。

母の場合、昨年は入院⇒退院⇒老人ホーム⇒マンションへ転居という流れを経ていました。要介護度の更新認定の有効期間は原則12ヵ月(1年)なのですが、母はその後に隣の市へ転居をしたために、転居後6カ月(半年)しての認定更新が必要となりました。結果として、要介護認定を受けてから9カ月での更新の認定調査になりました。

訪問調査票の様式と認定調査員向けのマニュアル

以下のとおり、厚生労働省のホームページから、訪問調査票の様式と認定調査員向けのマニュアルを参照できますので、当日どんな質問をされるのか参考になります。

認定調査票(厚生労働省のウェブサイトより)

認定調査員テキスト2009改訂版(平成30年4月改訂)(厚生労働省のウェブサイトより)


認定調査の体験記

市への手続きについて

市から「更新のお知らせ」が来ていましたので、それを母のケアマネージャーの方が市へ提出を代行してくれていました。手続きには介護保険証と身分証明が必要になるので、いつも母の介護保険証と後期高齢者被保険者証を預けています。信頼できるケアマネージャーの方がいなければ、わたしが仕事を休んで手続きに行く必要があるので、感謝だな~と思いました。

調査員について

市区町村によっては、ケアマネージャーが調査員を兼ねている場があるようですが、母の住んでいる市では、ケアマネージャーとは別の方が調査員としていらっしゃいました。そのため、初めてお会いする方でした。

ケアマネージャーの立ち会いについて

ケアマネージャーの方も立ち会ってくださいました。ただ、私が家族としても立ち会うことをお伝えしていたこともあってか、当日は遅れていらっしゃったので、調査の半分ほどについては、母と私のみで対応しました。

認定調査を受けて気付いたこと

詳しくメモを取っていたわけではないのですが、実際に質問される内容は、昨年受けた初回の要介護認定のときとほぼ同じでした。

基本的には、正直にあるあがままに質問に答えていくスタンスなのですが、今回気になったのは、以下の3点でした。

母の答え方について

ベッドで起きたり寝返りをしたりなどのその場でのチェックは、母がその場で対応すればよいのですが、それ以外の普段のことについては、母はかなり適当に答えてしまう傾向がありました。

「足が痛いこと」や「精神的な不安定」のことなど、ほとんど自分からは触れないのです。「できるだけよく思われたい」という本能的な心理が働いてしまっているようでした。

母は張り切りすぎだった

普段ひとりでいる時間が多いのに、聞き取り調査では調査員、ケアマネージャー、私の3人に囲まれている興奮もあってか、かなり元気にがんばっていました。

がんばったのはよいのですが、普段は引きずりることもある左足も、目立たないようにサクサク歩こうとしてしまっていました。「普段とおりに歩けばいいんだよ~」「普段はそっちの足は引きずりがちだよね~」と横から口をはさんでしまいました。そうすると、「そうだった、ここがいつも痛くて・・・」などとようやく実態を話し出す母。ケアマネージャーの方には、家族は調査に同席してもしなくてもいいと言われたのですが、やっぱり同席してよかったと思いました。

本人の対応次第では「結果が変わる可能性」がありますし、「同席しても結果は変わらない」かもしれないですが、母が訪問調査でどのような対応をしたかを理解しておけば、家族として認定結果に納得がいくと感じました。

母の前で調査員に話しづらいこと

後半に、家族に対して、母の精神的な安定度に関する質問があるのですが、母を前にしてあまり詳しく説明をすることができませんでした。

「もっと準備しておけばよかったな」と思いました(詳しくは後述)。

要介護認定の更新で準備しておけばよかった3つのこと(反省)

母の状況についての介護ダイアリー

母と時間を過ごすことで、「あれっ?」と感じることがあるのですが、そのときは覚えていても、日にちがたってしまうと、「それがいつだったか?」「どういう状況だったか?」の記憶が薄れてしまいます。いざ調査員の方に説明しようとしても、具体的に説明がうまくできませんでした。

特に、精神的なことはしっかり記録に残しておくほうがよいと感じました。精神的な問題の場合、わたし自身も感情的になっているので、あとから冷静に振り返ることが難しいからです。時に鬱病的な感じに落ち込む母の精神状況や、私に対して「いつもお母さんを悪く言う」というプチ被害妄想的な状況について、いろいろ記憶はあったのですが、きちんと説明をすることができずに反省しています。

精神的・内面的なことはきちんと伝えないと調査員にはわからないことなので、しっかり具体的に説明することが大切だと思いました。わたしの場合、今回は上手くできませんでしたが、今後は母の状況について感じたことを、きちん記録しておこうと思いました。

母を抜きにして調査員と話せる時間

上記のことと関連するのですが、前回は母が入院中の調査だったので、母を残して病室を出た後に、調査員と2人で話す時間を持てました。そのため、そこで母に遠慮することなく、母の状況や私たち姉妹が感じている心配などを伝えることができました。

今回は自宅への訪問ということで、調査員と2人だけになって話す時間を持てなかったのですが、調査員をマンションのエントランスまで見送るなどして、母を抜きにして調査員の方と話せる時間をもつようにすべきだったと思います。そのほうが、母の精神的なことについては、もっと話せただろうな~と思います。

次回は、「最後に調査員を外までお見送りする」などと決めて、調査員と2人だけで話せる時間をもつようにしようと思いました。

入院中ならば入院中の調査がベター

母の初回の要介護認定の調査がそうであったように、親が急に入院することになり、急いで要介護認定を受けたいという場合があると思います。その場合には、できる限り病院に入院している間に認定調査を受けたほうがよいです。病室まで調査員の方が来てくれます。

退院後になると、退院してから生活がある程度落ち着いたタイミングでの訪問調査となるので、日数がかなり先になってしまいます。また、入院中ならば、主治医の先生も状況をばっちり把握していますし、病室を出てから本人を抜きにして調査員の方ときりで話すことも容易です。

市区町村の窓口では、状況によっては退院後の調査をすすめるかもしれませんが、可能な限りは、入院中の認定調査がおすすめです。

主治医の先生への情報の引き継ぎ

母は隣の市へ移ったことで、日常医を近所の医院へ変えました。そして、今回の要介護認定の更新調査では、この新たな日常医の先生を主治医として提出しました。前回は病院にいたこともあって、主治医の先生ともいろいろお話できたのですが、今回は訪問調査のことばかりに気を取られてしまい、この部分の対応が不十分になってしまいました。

これまで、わたし自身が新たな日常医の先生にお会いしたことがありません。また、母自身から新しい先生へ、昨年からの母の状況(入院や老人ホーム入居・退去など)をきちんと説明しきれていない様子です。新しい主治医の先生は、母についての情報を十分に持っていないので、母の要介護認定の意見書を詳しくは書けないと思うのです。

要介護の認定には、認定調査からくる結果に加えて主治医意見書をあわせて最終判断されるので、主治医の先生のコメントはとても重要です。今回はもう間に合わないのですが、次回には母の通院に付き添って、これまでの状況やカルテの引き継ぎなどやって、主治医の先生が充分な意見を書けるように対応したい思います。

結局は主治医の先生と会いました(後日談)

その後、更新調査の結果を待っていたところ、市の担当者から「主治医のところへ行くように」との連絡がきました。やっぱり、主治医の先生も意見書を書くための情報が不足してたようです。その際には、「母はひとりで行ける」と言いましたが、わたしも一緒に行きました。母自身の説明では、昨年の入院のことや日常的に膝が痛いことなどの説明が不足していたので、わたしが補足する形で説明をしました。

主治医の先生に意見書を書いてもらうときには、やはり「同席したほうが心配がない」と感じました。

まとめ

いろいろ反省点のある要介護認定の更新調査となってしまいました。

一時はどうなることかと思った母が順調に回復していて、それはもちろん嬉しいことではあります。ただ、要介護の認定から外れて要支援や自立となると、お世話になっているケアマネージャーの方との縁が終わってしまうかもしれません。母のサポート体制を見直していかなくては・・・。

わたしたちの体験が、これから要介護認定の訪問調査を受ける方の参考になれば幸いです!

(当記事は元ブログからの移管です。オリジナル公開日:2018年2月5日)


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