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2023年プロ雑用が読んだ書籍BEST10+読書という非日常

こんにちわ、プロ雑用です。
毎年恒例、今年もやります2023年プロ雑用が読んだ書籍BEST10!
ということで早速行ってみましょう。


2023年に読んだ本BEST10

良心をもたない人たち
マーサ・スタウト (著), 木村 博江 (翻訳)

相変わらず行動経済学が好きですが、これはそれとは全くかけ離れた「宇宙人」についての解説本。いわゆるサイコパスな人とはどういう人か、サイコパスのタイプ分類も含めて、ソシオパスや反社会性人格障害、自己愛性パーソナリティ障害も含んで、幅広く解説されています。アメリカでは25人に一人はいると言われるサイコパス。しかし時代が違えばおそらく英雄として祭り上げられたであろう人々も多く、人間の多種多様な特性を考える一助となると思います。

運動しても痩せないのはなぜか
代謝の最新科学が示す「それでも運動すべき理由」
ハーマン・ポンツァー (著), 小巻 靖子 (翻訳)

今年読んだ本で、何を一番に進めるか、と聞かれたら文句なくこちらをおすすめします。それくらい、自分の常識が間違っていたことを思い知らされた一冊。そもそもタイトルからして衝撃的ですが、その根拠をしっかりとした科学調査による「いまだわかっていないこと」も含めて書かれている本書。
先進国の都会人から、サバンナに暮らす狩猟採集民、さらにはチンパンジーやオランウータンなどの類人猿まで、数多くの対象のカロリー消費から読み解く、運動と代謝の最新科学が本書には詰まっています。現代病の多くが「カロリーの炎症」が原因だという説、類人猿と比べて人間だけが突出して太る理由などなど…人間という不思議な生き物を考える一助になります。
とりあえず僕らの料理は、ほぼ調味料だということはわかったw

人類と気候の10万年史
過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか
中川毅 (著)

異常気象と呼ばれない年はないのでは無いかという昨今。21世紀になり、地球温暖化がごく身近に感じられるようになった、と思っていましたが、十万年という期間で見ると、実は氷河期以後、人類が農作を始めた時からすでに温暖化が始まっていた、という説。地質調査を通して、20万年に及ぶ人類と気候の歴史をひもとく一冊。まさかその大いなる調査が、福井県・水月湖を中心に行われていたとは驚きです。地球温暖化やその対抗施策に対して、一歩引いた冷静な視座と知見を与えてくれる良書です。

先生、どうか皆の前でほめないで下さい
いい子症候群の若者たち
金間 大介 (著)

量産型女子、などという言葉が表すとおり、現代っ子の多くは「ほめられたくない、目立ちたくない」という心理があるという。メディアではYouTuberやインフルエンサーに憧れる子どもや、早熟な天才を取り上げるが、それとは裏腹にある現代っ子の心理がどのようなものなのかを取り上げた一冊。
読んでみた感想として、平等を何より好み、空気を異常に読みすぎる子供たちは、ある意味では自信をなくした日本、失われた30年が培ったある種の「完成形」のように感じる。目立つ人々の足を引っ張り、一緒に不幸になろうとする日本人の集大成としての子供たち。子供は親を映す鏡とよく言うが、まさに社会の鏡といってもいいだろうと思う。まさに親、教育、そして企業、社会全体が変わらなければいけないと考えさせられた。

教養としての決済
ゴットフリート・レイブラント (著), ナターシャ・デ・テラン (著), 大久保 彩 (翻訳)

SWIFTの元CEOが「支払い」の歴史を仕組みについて解説する一冊。正直、タイトルにだまされて(?)、ライトな感じかなと思ったら大間違い!
現金以前の支払いからビットコインなどの仮想通貨まで、単純な解説だけでは無く、世界情勢や政治との関係、国ごとの文化の違いなどにも言及して、決済を取り巻くことをすべてを網羅した一冊です。読み終わると「確かにこれは教養だ」と思いました。学校の授業で一講座作れる一冊です。

AI時代の新・ベーシックインカム論
井上 智洋 (著)

昨今話題のベーシックインカムについて学ぶために読んでみた一冊。ベーシックインカムの仕組みについては他の書籍よりわかりやすく勉強になりました。本書を読んで、あらためてベーシックインカムをこの国に導入するのは難しいだろうなとは感じるし、著者は研究者なので理想が過ぎる面も否めないが、それでも議論は今後も必要だろうと思うし、議論をするためには前提となる知識も必要だと思うので読む価値はある。特に最近は共産主義・社会主義の復権を求める言説も多く見かけるので、そういった知見に本書の内容を併せてみるとより深く理解できるだろう。
後半は著者の専門外の持論展開が続くのでちょっと冗長であり、一部勘違いした記述も目立つので鵜呑みにするのは辞めといた方がいい。

ビジネスも人生もグロースさせる
コミュニティマーケティング
小島英揮 (著)

日本におけるコミュニティ活動の第一人者の書籍。ちょっと古い本であるが、これからコミュニティを起こしていきたいと考えている人は必ず読んだほうがいい一冊。最近、いろんな国産サービスでも企業主導のコミュニティが多く作られているがどれもこれもパッとしない、というかはっきり言ってどれも失敗している。それはなぜなのかがわかる一冊。本書でも触れられているが、国産サービスで最もコミュニティマーケティングが成功しているkintoneコミュニティ・kintone Caféは、まさに著者のお作法を学んで行われていることからもわかるとおり、コミュニティで売ることを考えてはいけないのである。NPOでもセミナーでも無く、なぜコミュニティなのかを学びたい人は必ず読むべき一冊。

人が増えても速くならない ~変化を抱擁せよ~
倉貫 義人 (著)

全エンジニアが「それな!」と言いたくなるであろうタイトル。システムを知らない発注者と、システムを作るエンジニアの間にある無理解の壁は、なぜ現れるのか。それを乗り越えて行くにはどうすればいいのかを著者の経験から、誰にでもわかりやすく解説している一冊。エンジニア以外にも、例えばデザインやフォトグラフィック、ゲーム制作、はたまた職人など、職種の違いによる無理解の壁にぶちあたっている人は、みな読むべき一冊。
アジャイルの考え方の入門書としてもおすすめ。

未来を実装する
テクノロジーで社会を変革する4つの原則
馬田隆明 (著)

テクノロジーが社会を変革するためには、どんな要素が必要なのかを成功例を失敗例の双方から読み解いた一冊。インパクト、リスク、ガバナンス、センスメイキングという4つの原則に沿って、どのような手順で社会に実装していけばいいのかを解説。正直、これだけでうまくいくとは思えない部分も多いですが、単純に一企業にテクノロジーを実装する際にも応用できる考え方は多いです。ただ、正直文章は読みにくい。研究者特有の言い回しが読みにくさを助長しており、ベースとなる技術知識がないと読むのはしんどいと思います。

女子の心は、なぜ、しんどい?
清水あやこ (著)

女性の敵は女性、男は何もわかっちゃいない、などとも言われるような複雑な女性心理についての一冊。ただし、科学的調査に基づく内容が書かれたものではなく、実例を取り上げて、そこに対するアドバイスを綴った構成です。なので読みやすいのがよいところ。最近はコミックでも女性の生きづらさを綴ったものが多いので、そういうものを併せてみるのも一興でしょう。多様性は一種の逆バイアスを生むものですから、そういったことも含めてみんな悩んでるんだなぁと感じるにも良いと思います。悩みや迷いの無い自分からすると学びの多い一冊でした。また内容としては男性にも共通するものも多いし、女性のパートナーがいる男性も読むと学びは多いでしょう。

読書という非日常

2022年は「出張が多い年でした」と振り返ったのですが、今年23年はそれに輪をかけて出張してました。というか、糸魚川にいましたw
それはそれとして、新幹線移動中は仕事をしている時間も多くて、本を読む時間は昨年に比べて少なかったようです。というのも、今年は全体的にビジネス関連書籍が多く、全くの趣味の本はほぼありませんでした。意識してもっと雑学仕入れたいぞ、ということも含めて、そもそも自分にとって読書とは何なのか、という話をちょっと最後に書きたいと思います。

見出しにあるとおり、読書というのは、一種の非日常なのではないかと思っています。読書はインプット行為ですが、インプットするということは自分の中に新しいものを吸収するということです。ということは、日常的な頭の中の世界に、新しい世界をインストールする行為として捉えることもできると思います。既知の世界のアップデートのための読書もあると思いますが、自分にとっては知らない世界を知るファーストステップとしての役割が多いのです。

コネクティングドッツなんてかっこいいこと言うつもりは無いですが、そういう体験は読書を通して感じることは多い。抽象度を高めると、全く分野の違う現象がつながることが多いのです。もちろん、それはリアルな体験にも応用可能。年齢を重ね、自分のなかで多くの知見が増えたことで、学習コストがどんどん減っていることを実感します。すると、どんな未体験でもあらかた予想ができるようにになる、それは未経験に対するハードルをする効果もあるのです。(まぁ、それが行き過ぎて非日常体験が予想の範疇に収まってしまうこともよくあるのですが…笑)

読書が苦手、という方は多いです。しかしはっきり言うと、苦手という人ほど、チャレンジしていない。片手で収まる程度の挑戦で「苦手」と言ってしまっている。なので言いたい。せめて100冊読んでから苦手と言え、と。
それは苦手なのではなく、単に「挑戦してない」だけなのです。また実感値として読書が苦手という方は、コミック、テレビ、ポッドキャスト、SNS、YouTubeなどの読書以外のツールでのインプットもしていません。つまり、そもそも何もしてない。それは読書以前の問題です。インプットの絶対量が少なすぎるのです。読書は現代において最も気軽に「非日常」を感じられるお手軽ツール。利用しない手はない。コミックだって今は良質なコンテンツがあふれている。自分にあった手段で非日常のインプットをしましょう。
話はそれからだ!

ということで、2023年のプロ雑用が読んだ書籍BEST10を終えます。
来年はどんな本に出会えるかな!今から楽しみです。

それじゃ、また。

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