2024年プロ雑用が読んだ書籍BEST 7+
プロ雑用です!毎年恒例、プロ雑用が読んだ書籍シリーズの第六段!っていうことでなんやかんや6年もこれやってるんだー、と我ながら感心しておるところです。
ということでやっていき!
2024年に読んだ本BEST 7
エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」
吉田 満梨 (著), 中村 龍太 (著)
何かと話題のエフェクチュエーション。読み返したりもしながら色々と考えてみると、これは「こうすれば上手くいく」という法則ではなく、「うまくいってた場合の結果観測」=こういう傾向があるよってことなんですよね。なので、狙ってできるかというか、狙ったとてそう上手くいくかとかいうと、そういうことでも無いんだろうなと。この5つを心がけたとて、おそらく成功はしないと思います。だからおそらくこれは「5つの原則」ではなく「5つの傾向」なんだと思う。成功は偶然、失敗は科学 ですからね。目的をはあるが計画はしない、ということが本質何じゃないかなと思うのです。
喧嘩両成敗の誕生
清水克行 (著)
日本人の本質ってやっぱり仁義なき〜の社会なんだなってことが、本書を通してよくわかりましたwというのは雑な感想ですが、本書後半に以下のような指摘があります。
まんま極道なんだよねw
そして今も日本人って復讐劇結構好きですよね、忠臣蔵とか半沢とか。法よりもメンツが大事みたいなところは政治の世界でも身近でも未だに見られるし、喧嘩両成敗を通して日本の文化にいまだ根付く「勝敗よりも痛み分け」の感覚がどこからくるものなのかがよく理解できました。ビジネスでも徹底的に相手を潰さないってのは日本独特だと思うんだけど、これもそうだよね。「わりゃぁ、わしがここまで譲っとんじゃ、それ以上やるんやったら…わかっとるな?」みたいなのって一般人もあるよね?
目的ドリブンの思考法
望月安迪 (著)
目的は英訳すると三種類あるんですが、この本で言う目的はGOAL。目的がないから(あるいは見失うから)手段や短期目標に寄ってしまうことは多くあるので、そりゃそうだよねっていう内容が多く、目的ヤクザの私にとっても本書の内容はとても納得と共感が高い。
引用に関してはちょっと著者が勘違いている例もあるが(たとえばDXは手段であるとか。DXは結果です)、それを差し引いても目標設定すらままならない人には学びが多いことだろう。優先順位の付け方なども具体的に解説されているので、適切なKGIやKPIが作れない人は、本書の言う通りに一度やってみると良い。
多様性の科学
マシュー・サイド (著)
以前読んだ「失敗の科学」の著者が書く、多様性について。長い間主流となっている「能力の高さと多様性は両立しない」が、如何に間違っているか、実例、歴史、科学など多方面の知識でぶった切っている。特に問題が複雑であればあるほど(そして現代社会の問題はほとんどが超複雑な問題ばかりだ)、画一的な組織では太刀打ちできないことを、エベレストのデスゾーンからダイエットなど幅広い事例を用いて解説してくれている。多様性がなぜ重要かと言えば、複雑な問題もそうだが、そもそも人は自分の認知が歪んでいることに気づかない、という指摘には膝を打った。それは私も含めて誰も彼も例外ではないが、ほとんどの人は自分が正しく物事を見ていると考えているということ。考えれば考えるほど多様性は重要だと気付かされる。
就職氷河期世代 データで読み解く所得・家族形成・格差 (中公新書)
近藤絢子 (著)
まさに1999年に社会に出た我が身としても無視できない一冊。結論からいうと感覚でまことしやかに言われていたことの多くが、実際の統計でも見えてくるという内容でした。ほんとに恨みがましく繰り返すけど、あの時代はマスコミも世間も揃って「自己責任」の言葉を我々に投げつけてきたからね。あのときの怒りが今も私の原動力です。バブル世代とそれ以上の世代に読んでいただきたいが読まねぇねぇだろうなぁあいつらは。
戦略の要諦 (日本経済新聞出版)
リチャード・P・ルメルト (著), 村井章子 (翻訳)
サブタイにデカデカと「ミッション・パーパスは無意味である」とあるので気になって読んでみた。結論から言うと全てが無意味であるとは著者は言っていない。戦略の究極とは「戦いを略す」という字が示す通り、戦わずに勝利することだ。戦略が100%達成すれば、作戦も戦術も戦闘も必要がない。戦略は優先順位(重み付け)、リソースの確保、そのリソースをどこに集中させるかという分配の3つが重要だと著者は指摘する。これはほんとにその通りで本書も非常に納得度・共感度高く読めた。
本書の言う無意味なミッションやパーパスとはつまり、クソの役にも立たない夢見がちな寝言のことだ。掲げているだけで現実とは決してリンクしない妄想の垂れ流し。私はこれをミッションやパーパスとは呼ばないが、多くの組織はこの夢見がちなお題目を掲げてなんかやった気になっている。総論アグリーでも各論NGになるようなものは、ミッションやパーパス足り得ないのだね。
万物の黎明~人類史を根本からくつがえす~
デヴィッド・グレーバー (著), デヴィッド・ウェングロウ (著),
酒井 隆史 (翻訳)
これはまだ実は半分しか読めておりません。昨年末から読み始めて、コツコツ読んでるのだけど、とにかく難しいw事前知識も大分必要になるので(世界中の遺跡の名前とどこにあるか、どの文化圏にあるものかぐらいは諳んじれないと全く意味不明w)、人にはオススメしませんw
ジャレド・ダイアモンドなどの現代知の巨人が提唱する人類史をかなり丁寧に反証していることは価値があると思う。彼らのおかげで広く普及している「穀物が人類にヒエラルキーをもたらした」だとか定住がはじまったとかには疑問を感じていた。彼らの主張は正直西洋史観により過ぎてて不完全だと感じていた。レヴィ・ストロースが「発見」した野生(という名の彼らからみた原始的な様式)も結局西洋から見て野生的なのであって、一方的な見方なんですよね。そういう違和感を丁寧に解きほぐしているのが本書です。新しい発見もあるが、それよりも既知だが他の人類史系の本の著者などが無視している発見にもフォーカスを当てながら人類史を解き明かそうとしているのが本書です。おそらく最後まで読んでもはっきりわからない部分はあるのだろうけど、それは文字ではっきり残さない時代が長く続いた古代日本にも通じることがあってなるほどと思う内容が続きます。しかし、とにかく幅広いベース知識が必要なので、安易に手を出さないほうが良い一冊ですw
今年はなんで7冊なのか
毎年10冊〜でお送りしているシリーズですが、今回は7冊の紹介となりました。Amazonウィッシュリストにその年読んだ本を都度追加しているのですが、さて今年はどんくらい本読んだのかなぁっ〜て思いまして、リスト見返してましたら、いやーびっくり!なんと近年では一番少ない!!
読みかけを含んでもギリ10冊…という少なさ!コミック含めてもめっちゃ少なかったです。毎年、書籍の読了はコミックや小説などを除くと20冊くらい、読みかけ含めると30は読んでいるのに、今年一体何してたんだ!?
と、考えてみたら、そう言えば今年は毎週note書いてた!
2月までは、ほぼ毎日書いてましたし、どうやら読書の時間を無意識に削っていたようですブヒ。そういや例年になくゲームもやってました。本を読む時間と筋トレの時間が削れられていたということで、今回はBEST10じゃなくてラッキーナンバーの7でお送りしました。
読了率5%未満の書籍がやたらと多かったのも気になる。来年はnoteの頻繁更新は辞めるので、また読書によるインプット数を回復させたいと思います。積読とウィッシュリストだけが増えていく現状をなんとかせねばと思う次第です。
万物の黎明も今年中に読了予定だったのになぁw
ということで、来年はまた10冊以上に戻せるように精進します。
それじゃ、また👋