見出し画像

プロ雑用の失敗2・わかった気になっていた話

こんにちわ、プロ雑用です!
というわけで、失敗シリーズ第二弾です。
さぁ、今回はどんなことをやらかしたのか…?

時は2004年ごろ。
プロ雑用24歳頃の話です。

そのころのプロ雑用は何をしていたのか?

前回の失敗1のときに勤めていた印刷会社は、3年目に辞め、その頃わたしは派遣社員をしながら、フリーランスとして活動していました。

派遣社員としては、HTMLやCSSのコーディングを。
(この時代のHTMLはver4、CSSは世に出始めたばかりです)
フリーランスとしては、名刺やチラシの制作を請け負っていました。

画像1

フリーランス、といっても、今のようにマッチングサービスなどはない時代のことです。会社員時代のつてなどで、小さな案件を回してもらってる程度のものでした。まぁ、ほとんど下請けみたいなもんです。

どれくらいだろう?
一月に、2,3件のお仕事が回ってきてたかなぁ。
大して儲かった覚えはないので、そんなもんだと思います。(むしろその当時やってたBLOGのアフィリエイトで稼げるほうが多かったくらい)

それで、ある時、小さな会社の名刺制作の依頼がありました。

この名刺のお仕事で、プロ雑用はやらかしました。

プロ雑用は何をやらかしたのか

名刺づくりは結構好きなんです。
あの小さい限られたサイズの中に、人や会社のイメージをシンプルに表現するのが好きなんですよね〜。

そのお仕事の以前も、
美容院とか、個人の方の名刺とか、それなりに数は作ってました。
なので、特に今回の仕事も、何の気負いもなく受けました。

印刷物は通常、CMYKの四色で作るわけなんですが、ときに、特色というもの使って印刷する場合があります。CMYKは減色混合と言いまして、4色を順番に「重ねていく」ことでさまざまな色を再現します。

画像2

基本的にこの4色でほとんどの色は再現できるのですが、たとえば蛍光色や金銀のような金属色などは、再現できませんので、特色で印刷する必要があります。

また、印刷は、色数を少なくするとコストを少し抑えられます。コピーでも、モノクロのほうがカラーよりコストが安いですよね。印刷の場合、モノクロかフルカラーか、ではなく、様々に組み合わせが可能です。
たとえばCMYKのうち、C(シアン)とM(マゼンタ)だけとか、K(スミ、黒)と特色で印刷するなども可能です。

今回のお仕事は、特色を利用した、2色印刷のパターンでした。
使う色は、スミ(K)とオレンジ系の特色。

このオレンジ系の色は、その会社のコーポレートカラーなのですが、配色などは決まっていなかったので、イメージに近い色を、こちらから提案する必要がありました。

お客さんに名刺のデザインと一緒に特色も確認してもらいます。
印刷所は、お客さんの知り合いの印刷所を使うということでした。
確認して問題なし、ということで、データをその印刷所に納品。

これで私の仕事は終わり…

のハズだったのですが、後日、お客さんからクレームの連絡が入りました。

オレンジ系色じゃなくて、ピンク系色で印刷されてるんだけど!!

画像3

ふぁぇ!?

どういうことだ?特色の色指定はちゃんとしたはず…!
印刷所が間違えたのか?
しかし、印刷所は指定通り印刷したという主張。

画像4

なんだ、何をやらかしたんだ?!

結論からいうと、私がやらかしました。

なんで?確認したんじゃないの?
と思うじゃないですか。
そうなんです、確認はしたんです。
お客さんと色も確認しました。OKもらってます。

では、何をミスしたのかというと、
それは「特色の指定方法」。

特色は、CMYKでは出せない色、と先ほど記しました。

通常、特色を指定する場合には、色見本チップを利用します。
特色を製造しているメーカーが、色見本帳というものを販売してまして、普通は、ここから色見本を確認し、チップを切り取って、印刷見本などに付けて印刷現場に回します。

じゃぁ私は、それをしたのかというと…

してなかったんですね。

なんで?

それは一つ理由がありまして、色見本帳って結構高いんですよ。
一通り揃えると、4〜5万くらいになっちゃう。
当時の仕事での利用頻度を考えると、ちょっと高いなと。
だから持ってませんでした、色見本帳。

では、どうやって特色をしてしたのかというと、
先にIllustratorのスウォッチライブラリから特色を探し、その特色番号を指定しました。特色をCMYKに変換した時に、画面上では色に変化がなかったので、問題ないと判断したのですが…
これが間違ってた。

後で確認したところ、スウォッチライブラリで見れる画面上の色と、色見本の色は全く異なっていました。

画面は、印刷の減色混合とはちがう、RGBの3色での加色混合で行われます。RGBで再現できる色範囲のほうが、CMYKで再現できる色よりはるかに多いのです。そのことは印刷技術の基礎中の基礎なので、当然、私も知っていました。

だから、印刷と画面の色は全く異なる場合もある、ということは重々承知していたはずなのに…完全に油断です。

「それは知ってるけど、この色は成分的にそんなにズレないだろう」

と思い込んでいたんですね。

失敗したときのお気持ち

完全に自分の間違いがわかった後も、まさか、と思ってました。

特色指定の番号を間違えたのかな?
それとも、何か別の要因があるのでは?

といろいろ考えましたが、
出力センターに足を運んで、色見本を確認し、完全に色指定ミス、ということが確定しました。

最初から出力センターに行って確認すればよかったんですよねー。

今ならご近所にKinko'sとかあるんで確認できるんですが、当時は自宅周辺になく、新橋か新宿まで出る必要がありました。
…といっても新宿も新橋もすぐなんですよ。たいして時間かからない。

なんでいかなかったのかなー
まぁ、たぶん、めんどくさいと思っちゃったんでしょうね。
簡単な仕事なので手を抜いちゃったんでしょうね、当時のプロ雑用は。

くそ野郎だな、ははは😂😂😂

どんな教訓、学びを得たのか

この失敗で私が学んだのは、これですね。

・「合ってるだろう」で仕事を進めない…ミスやトラブルの種はあちこちに転がってる。慣れた仕事、かんたんな仕事といえど、思い込みで進めない。
・大きい小さいで仕事を差別しない…お客さんからしてみたら失礼な話ですよ。こちらを信用して仕事を振ってくださってるわけですから、それをないがしろにするような仕事をしてはいけません。

当然、この失敗でいただける料金はなし。
二度とこのお客さんからお仕事をもらえることはありませんでした。

こういう失敗は、ハッキリ言って「やらなくていい失敗」です。
手を抜かず確認してれば、十二分に防げる失敗でした。

画像5

若かりしころのプロ雑用は、こういうバカな失敗をしてたんですね。
自分で思い返しても、だいぶクソだなほんと笑

というわけで、プロ雑用の失敗シリーズ第二弾、
わかった気になっていた話、でした。

それじゃまた、第三弾でお会いしましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?