満月、出産記録。
5月のおわりに、無痛分娩にて無事、出産しました。そのときの記録を思い出せるうちに思い出すがまま、書きました。文書やらなんやら、おかしいところもあるかもしれませんが1人の出産記録として、痛い処置なども特にやんわりせず記録しておきます。これから出産を迎える方などの参考に少しでもなれば嬉しいです。(ちなみに私の場合、無痛分娩でも痛みはもちろんあったのでそれもそのままオブラートに包まず書いております。無痛分娩という名前、そろそろ変えてもいいのではないでしょうか...)
はじまりの夜
予定日の1週間前。
スーパームーンと皆既月食の夜、満月になんだかソワソワしながら夫とベランダで夕食を食べていた。
暗く消えた月がだんだん姿を現して満ちていくのを見ている時、なんだかお腹が痛くなる。ん?下した?と思いながら、とりあえずトイレに。
なんと、おしるしが!
あれ、本当にきた。どうしよう。え、どうしよう。という感じ。
夫におしるしがあったことを伝えて、とりあえずテレビを見てたけど、おなか、痛いとき結構痛い。そして何かじょろっと出る感じが。なにこれ!破水?!
陣痛タイマー使ってみたけど超不定期。使い方合ってるかどうかもわからない。前駆陣痛的なものも分からなかったので練習することも出来なかったのです。
アワアワしてるうちにおしるしの量が増えてく。うわぁ、やばい。と思いながら病院の冊子を見直して、登録してるのに結局冊子みながら電話。ソワソワ。そのまま一応陣痛タクシーを呼んで大荷物持って産院へ。
産院ついた!
破水してるとのことで点滴。夫は一時帰宅。まだなんの準備もできてない!どうしよう!とか思う。
待ってる間に、だんだん痛みが辛くなっていく。え、全然助産師さん来ない。これ、全然陣痛でもないの?陣痛どうなっちゃうの、とか思いながらとりあえず待つ。
やっと助産師さんが来る。結構張り強くなってきたねー。陣痛開始かな!と言われ、夫を呼び戻す。1時間ちょいで呼び戻される夫。
帰ってきてから、夫ととりあえずまだ話す余裕あり。無痛希望なので、どのタイミングで入れるかを丁寧に教えてくれた。子宮口7cmまで耐えた方が後が楽だよーみたいなことを言われる。その時まだ3cmくらい。
麻酔までの道のり
何を話していたかあまり覚えてないけど、とにかくヤバくなってきた。いだい!!!!と何度も言ってたしヒャーヒャー言っていた。声は出さなくていいよー!と言われ改める。息をフゥゥーと吐くと楽。でも陣痛の波くるとやばい。意味わからない。理性崩壊。胸がはだけようがパンツが見えようが、もうどうでもいい。とにかく痛い!
夫は永遠に腰をテニスボールでさすってくれる。超楽になる!ありがとうでしかない。でも痛い!
助産師さんもいろんなグッズを次々持ってきてくれる。これもまた良くて助かる!でも痛い!
とりあえずのたうちまわること、どのくらいかもわからないけど永遠に感じる。痛過ぎて気持ち悪くなり何度か吐いて全部出た。つらい。(だけど吐いたおかげで後に麻酔が効きやすくなっていたかもしれない。私ありがとう。)
トイレ行きたい!とトイレへ。その間も陣痛は来る。いみわからない。ひたすらにいたい。おしるしも大量に出ている。トイレしながらもヒャーヒャー言う。
ここにきて、限界を感じだして、遂に弱気な私が助産師さんにまだダメですか?(麻酔いれてくれ早く早く早く!!!!!)と聞く。
そこでやっと内診してもらう。これもまた超絶痛いいみわからない。出した事もない声が出る。
おー!がんばったね!!7cm開いてるよ!麻酔の準備してくるね!!と助産師さん出て行く。
あぁ、遂に!!!解放されるのか!!
しかし待つ時間は超長く感じる。何度も波が来る。つらい。ずっと夫に腰をさすって貰いながらのたうちまわり続ける。
いよいよ麻酔!
そしていよいよ分娩室へ。分娩台にのる。夫はちょっとだけ部屋で待たされるらしい。なんやらまた待って(これも永遠に感じる)、いろんな管をつけられ刺され、爪になんか赤く光るセンサーみたいなのつけられたり心電図のやつつけられたり。
遂に麻酔の先生登場!!!!!痛過ぎて見る余裕なかったけど神様のようだ。そして麻酔注入!背中の中心から首に向かって冷たい液体が上ってくるのがわかる。喜びも束の間、効くのに15分くらいかかるよーと言われ再び絶望。
痛みに耐えたり吐いたりして疲弊していたからか、効き始めてから一瞬意識が飛んでいた。(寝ていた)
気がつくと夫がいた。話す余裕、超ある!うれしい!効いてる!すげぇ!麻酔さいこー!
で、夫と2人分娩室に残され写真とったり歓談。これでもう何も心配ない。ここからは痛みとはおさらばだ!よく頑張ったなぁ自分。
まさかの、痛みが戻ってくる
あれ。痛い。は?
え、痛い。どんどん痛くなる。は?
痛い!!!!!!!!痛い!!!!!
なのに医師、助産師さん、来ない!!!!!
え!痛い!
(今思い返すとナースコール渡されてた気がする)
夫がまたひたすらにさすってくれる。けれども痛いし誰もこない!!!夫が何度かカーテンの向こうに向かってか呼んでみるけど誰も来ない。はぁ?!麻酔足してくれ!!!ちょっとはやく!
としばらく耐えてると助産師さん来る。麻酔を!!!痛いです!!!痛いんです!!!と言う。
それからまたしばらくして医師が麻酔を足してくれる。脚の痺れとか聞かれ、正直痺れていたけどそんなことより痛いのが辛いので大丈夫です!!!と言う。(誰も真似しないでください)
そしてまた激痛の内診、子宮口全開!痛い!
全開。
もうすぐそこですよー!と言われ、まだまだ信じられない気持ちになりながらもゴールが見えてきたのならちょっと我慢する気が出てくる。早く終わらせてやろうじゃないか、という気分。
痛みなのか、おしりらへんのすごい圧迫感なのか区別がつかなくなっている。
そしてその場で呼吸法を伝授され、いきんでみようかー、と言われよくわからないけど何かを出す感じでふんばってみる。いいよいいよ〜と言われ言われるがままの呼吸でがんばる。
何度か繰り返す。つらい。早くだしたい。次で出してやる!みたいな気持ちが湧いてくる。のでめちゃくちゃふんばる。
そして、あともう少し!みたいなところで赤ちゃん苦しいから会陰切開しますね〜麻酔してるから痛くないよ!みたいなことが聞こえた。もうそんなの何も気にならないくらいの状態なのでとりあえずハイ!!と言う。あれだけ避けたくて恐れていた事もこうなってしまえばなんでもよかった。
会陰切開なんて、されるときはそれどころじゃないよ〜と言ってた人の気持ちが初めてわかった。
ついに
いきみながら処置された瞬間、全ての痛みがフッと無くなるのと同時に、泣いている声。
呆然。
とりあえず、終わった〜!という感じ。
そして、脚の向こうにバタバタしているちいさな身体が見えた。
ちゃちゃっと拭かれて、私の胸の上にそっと置かれた。
小さいのに、すごく重い。
宇宙からやってきたのかと思うくらい不思議な感覚。今出てきてくれたのに、自分の身体から出てきたのが信じられなかった。
寝ている状態で抱っこ、どうしたらいいかわからないけど、ぎこちなく撫でてみる。
最初に出た言葉は「小さいね〜!」だった。
そしてこの小さな身体で一緒に頑張って出てきてくれたのかと思うと、ありがとう、ありがとう、と何度も言って涙が止まらなかった。
産後。
しばらくして赤ちゃんは近くの台に連れていかれ、体重を計られたり綺麗にされたり。夫は見に行っていた。
胎便に驚いたり楽しそうな夫。そういえばこの人、昨日4時に起きたままずっと起きててくれたのか。本当にありがとう。
私はなんやら産後の処置。
これ、普通は激痛の処置なんですよ〜と言われながら、そこまで痛くないけどなんか違和感あるくらいの処置を受けた。麻酔ありがとう。そういえば痺れもとれてる。
そしてなんか色々終わったあと、おっぱいあげてみましょうか!と言われる。
え、出るの?となる私と夫。だけど含ませてみると出たようで飲んでくれた。身体ってすごい。
初めての授乳。まだまだ不思議な感じ。なんだこの小さな生き物。思っていたより可愛い。
しばらく不思議な生き物と、不思議な感じのまま、赤ちゃんは検査やらなんやらで連れて行かれた。私と夫は残ったまま、しばらくそのまま。なんか話したけど覚えてない。なんの時間だろうねこれー、とか言ってた気がする。
へこんだおなかを触って懐かしい感じと寂しい感じ。久々だねこんなおなか!とかも話していた。
担当の助産師さんは明日から2連休らしい。ので違う助産師さんに変わる。その助産師さんにも、わたしの担当助産師さんが2連休だと聞かされる。珍しいことなのかもしれない。けどなんか面白かった。
分娩室を後に。
ちょっと時間が経って助産師さんと車椅子がきた。切開したとこがズキズキ痛んでなかなかヤバい。座るのも恐怖。座れないです!と言うも、痛いですよね〜くらいの返し。まじか。
そして、頑張って座り、助産師さんと夫と車椅子で入院する部屋へ。
朝になっていて、駅が見える窓からは出勤する人たちが見える。一夜にして世界がひっくり返った不思議な気持ち。
とにかく不思議なことだらけ。
そしてすぐに、小さいけど重くて、バタバタ手足を動かして一生懸命に泣く、どんなものよりも可愛く美しく愛おしい生き物との生活が始まった。
私の無痛分娩、結果。
結果、初産で5時間ちょいの安産で産むことができたのは、助産師さんと医師の指示に従えたからだと思っている。
子宮口開いていく痛みは思ったよりも壮絶だったけれど、早めに麻酔入れてしまえば収縮も緩やかになってしまうので長引いてしまって結局苦しむことになるのは想像できる。
無痛で麻酔早めに入れてしまって長引いてしまい、結局帝王切開になってしまいフルコース味わった話も知っている。
いきむときもおしりの違和感、痛みみたいなのを少し残してくれてたおかげで早く出すぞ!!!となれて早く出てきてくれたし。
頑張って耐えさせてくれたおかげで結果、痛みを味わう時間は減っていたので、とても満足できる出産だった。
産んだ数時間後にはまた産みたい!またこの経験したい!と思えるくらい。
めちゃくちゃ褒めてくれて励ましてくれた助産師さん、そしてまた褒めて伸ばすタイプの医師さん、ほんとうにありがとうございました。
そして、このコロナ禍で1人で出産を迎えられる方がほとんどな中、対策を徹底して家族で赤ちゃんを迎えられる環境を整えてくださっている産院にも本当に感謝。
世界がひっくり返ったかのような生活が始まってしばらく。まだまだ分からないことだらけだけど、楽しみながら、息抜きしながら、頑張っていきます!
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