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詩心とはなにか?この曲を聴け!

詩と聞いて皆さんはどう感じるでしょうか?「中学の国語の時間にやったけどなんか古臭いしとっつきにくい」みたいな感想が出てきそうです。たしかに李白、杜甫など中学で習いましたけどなんか堅苦しいですよね…

ですが僕は「詩」はそんなに堅苦しくなく、むしろ楽しく美しく素晴らしい作品に出会うと「酔いしれる」ことができるものだと思っています。詩は語りえぬ境地をあえて言語化するチャレンジだと僕は思っています。だから「詩とは何か?」と言われても説明は難しいのです。

僕も「五、七、五、七、七で~」などと堅苦しい説明をするつもりはありません。まずは詩を理解するためには「良質な詩」に触れることが一番の近道だと思います。

今回は『Over the Rainbow』(邦題:虹の彼方に)を紹介したいと思います。
作詞:エドガー・イップ・ハーバーグ
作曲:ハロルド・アーレン
歌手:ジュディ・ガーランド

『Over the Rainbow』は虹の向こう側に理想的な地があると終始夢見る少女の歌です。

(以下和訳はJazz2.0さんから引用させてもらいました。)

この詩の魅力は「純粋無垢な童心」だと思っています。

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特に好きなフレーズが


Where troubles melt like lemon drops(そこでは、トラブルはレモン飴のように溶けてしまう)

です。「レモンドロップのように悩み事は消え去ってしまう」…子供ゆえのなんて純粋な表現でしょう。

そして最後の

If happy little bluebirds fly
Beyond the rainbow
Why, oh why can’t I?
(小さな幸せの青い鳥は
虹の後ろに飛んで行ったのに
なぜ私にはできないの)

というフレーズも素晴らしいの一言に尽きます。きっと大人が子供からこの歌詞のようなことを聞いたら一笑に付すことでしょう。「そんな理想郷なんてあるわないだろ。あんたは人間なんだから飛べるわけないだろ(笑)」といった感じで。

ですがその大人もかつては「童心」を持っていたのです。しかし大人になるにつれ現実が見えてきて「夢」や「憧れ」といった何かに夢中になる、恋焦がれる感情を捨て去ってしまうのです。

ですが全ては恋焦がれる気持ちから始まるものだと思います。やり甲斐を求めて入った仕事もいつの間にか目の前の現実が迫ってきて、「報酬」や「地位」、「名誉」といったステータスを求めてしまうものだと思います。

そんな時に『Over the Rainbow』を聞くと始まりの恋焦がれる純粋な気持ちを思い出させてくれるのです。素晴らしい詩心に溢れた作品だと思います。

『Over the Rainbow』は様々なアーティストがカバーしていますが、僕はオリビア・ニュートン・ジョンのカバーが一番素晴らしいと思っています。「童心」というものを心得ていて、丁寧に歌い上げていて素晴らしい「詩の境地」に導いてくれます。





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