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「面白い」と「好き」の違いについての独断的私見

◯はじめに

最近自分の中で「面白い」と「好き」の違いが明確になったので、言語化してみました。

ただこれはかなり自分の経験や感覚に基づいているので、考察ではなく独断的な私見であることをご了承ください。

◯「面白い」とは?

まず「面白い」についてです。

私は「面白い」を

そのコンテンツに対する「一過性」の感情

と定義しました。

「面白い」という感情は泡のようなものであり、そのコンテンツに触れた瞬間に(そのコンテンツが自分にとって面白ければ)自然に浮かび上がりますが、時間が経つと弾けて消えてしまう性質があると考えます。

例えばSNSに漫画が投稿されている場合。

読んだ瞬間は「面白い」と思いますが、少し時間を置くとその漫画についての印象が曖昧になってしまうことがあります。

あるいは週刊少年ジャンプを読んだ場合。

連載されている作品を読んだ瞬間は「面白い」と思いますが、ジャンプを読み終わるとそこで感情が完結してしまうことが多いです。

最近は「面白い」コンテンツに容易にアクセスできる手段が増えている(「面白い」コンテンツそのものが増えている)こともあり、「面白い」という言葉の持つ意味合いが相対的に弱くなっていると考え、「一過性」の感情としました。

◯「好き」とは?

対して「好き」は

そのコンテンツに対する「持続性」の感情

と定義しました。

つまり本来なら「一過性」でしかない「面白い」という感情が、何らかの理由で「持続性」を持った場合、それは「好き」という感情に変化する、ということです。

「持続性」は、何らかの具体的な行動に現れることが多いです。

「持続性」による具体的な行動例(漫画の場合)

●最新話を読んで感想をSNS等に投稿する
●その作品についてSNS等で調べる
●単行本を購入する
●何度も読み直す
●グッズを購入する
●その作品について考察する
●その作品を布教する
●その作品に関する小説やイラストを自作する
●アニメなどのメディアミックス作品も楽しむ
●その作品に関するイベントに参加する

他にもまだまだありそうですが、その作品が単に「面白い」だけではなく「好き」である場合は、上記のような具体的な行動をすると考えました。

ここで問題になるのは、「好き」にはコストが発生するということです。

一番分かりやすいのは金銭的コストで、単行本やグッズ、イベントなどを楽しむためには相応の金銭を支払わなければなりません。

また考察や布教、小説やイラストには体力的、精神的コストを支払う必要があります。

つまり「好き」の「持続性」にはそれなりのコストを支払う必要があり、そのコストを支払う価値があるかどうかが、その作品を「好き」になるかどうかの基準になるように思います。

◯「面白い」けど「好き」ではない

以上のように「面白い」と「好き」を定義した場合、

「面白い」けど「好き」ではない

という作品が存在することになります。

これはそんなに珍しいことではなく、私が「好き」な作品であるワールドトリガーにも当てはまります。

私がワールドトリガーを布教した人の中には、ワールドトリガーを『「面白い」けど「好き」ではない』と評価する人もいました。

つまりその人にとってはワールドトリガーの「面白い」に「持続性」が付与しなかったことになります。

逆に言えば私がワールドトリガーを「好き」なのは「面白い」に「持続性」が付与したためであり、それが私の考察のテーマである「なぜワールドトリガーは面白いのか?」に繋がっているのかもしれません。

◯「好き」が前提の「面白い」

ワールドトリガーは序盤(大規模侵攻編まで)こそ「一過性」の「面白い」でもある程度は読み進めることが可能ですが、B級ランク戦編以降はそれが少し難しくなる作品だと思っています。

過去に登場したキャラクターの顔や名前、性格や能力(トリガー構成やサイドエフェクト)を覚えていないと「面白い」と感じにくくなります。

「覚える」という作業にもコストがかかりますので、ワールドトリガーが「好き」でそのコストを支払える人はより「面白い」と思う反面、ワールドトリガーがそれほど「好き」ではなくそのコストを支払えない人はそれほど「面白い」と思えないかもしれません。

特に遠征選抜試験編はB級ランク戦編に出てきたキャラクターがそのまま出てくる上に部隊シャッフルが行われるので、そのキャラクターがどの部隊にいたかも覚えておかなければなりません。

若村11番隊の場合

●若村→香取隊
●細井→生駒隊
●半崎→荒船隊
●笹森→諏訪隊
●ヒュース→玉狛第二

ワールドトリガーが「好き」な人にとってはそれほど難しいことではありませんが、「好き」ではない人にとってはかなり厳しいように思います。

明らかに遠征選抜試験編はワールドトリガーを「好き」な人が「面白い」と思えるような構成になっている気がします。

◯おわりに

自分なりに「面白い」と「好き」の違いを言語化してみましたが、まだ自分の中で完全に固まっていない部分もあるので、今後も考えていきたいと思います。





















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