ワールドトリガーという作品を「定義付け」ている名言を独断と偏見で選んで語る
◯はじめに
ワールドトリガーはいわゆる「名言」がたくさんある作品です。
その中でもワールドトリガーという作品を「定義付け」ていると自分が思っている名言を選んで、語りたいと思います(考察ではないので注意)
今回取り上げるのはこの5人の名言です。
●空閑遊真
空閑遊真はバトル漫画の主人公として「最初からかなり強い」という設定があります。
実際、B級ランク戦編が始まってからもROUND1・2では単純な戦力で遊真に勝てる相手はいませんでした。
そんな遊真がROUND3の対戦相手である鈴鳴第一のエース、村上鋼に模擬戦で完敗してしまいます。
普通のバトル漫画の主人公なら落ち込む流れですが、遊真は特に落ち込んだりはしません。
ワールドトリガーのキャラクターは全体的に精神年齢が実年齢に比べて高めなのでやや達観している印象を受けますが、特にこの場面の遊真はその傾向が強く出ていると思います。
敗北が死に直結する近界で生きてきた遊真だからこそ、玄界の(ワールドトリガーの特徴でもある)負けても死なない戦闘システムを「おもしろい」と評することができるように思えます。
●三雲修
三雲修は空閑遊真とは真逆でバトル漫画の主人公なのに「かなり弱い」という設定があります。
この考察でも触れていますが、やはりバトル漫画の主人公とは思えない弱さです。
実際、私も他のバトル漫画を読んでいて主人公があまり強くないとストレスを感じることがあります。
しかし三雲修にストレスを感じることはほとんどありません。
その理由として、読者が三雲修に求めていることが単純に「敵を倒す」だけではないからだと思いました。
「敵を倒す」だけなら主人公である修よりも強い味方がたくさんいるので、無理に修が倒す必要がないのがワールドトリガーの特徴です。
「1人のキャラクターに役割を押し付け過ぎない」というのも、ワールドトリガーの特徴のような気がします。
●木虎藍
社会人になって気付いたこととして、世の中には「努力する人」と「努力しない人」がいて、「努力する人」は人から言われなくても頑張るし、「努力しない人」は人から言われても頑張りません。
だから「努力している」時点で一定の評価を得ることができるのですが、ワールドトリガーの世界は違います。
ワールドトリガーには基本的に「努力する人」しか出てきません。
だから必ずしも努力すれば結果が出るとは限りません。
努力することに満足するのではなく、その方向性や妥当性にまで意識を向けることの大切さを教えてくれるのは、ワールドトリガーの特徴だと思います。
●太刀川慶
ワールドトリガーの名言と言えば、やはり太刀川のこのセリフだと思います。
このセリフだけだと誤解されがちですが、ワールドトリガーは気持ちの強さを軽視している作品ではありません。
この考察で触れましたが、むしろ気持ちの強さを重視しているからこそ太刀川の「気持ちの強さは関係ない」が意味を持つように思います。
太刀川はこのようにフォローを入れるのですが、太刀川自身も黒トリガー争奪戦で迅に負けているからこそ、負けた方の気持ちに寄り添っていても違和感がありません。
この考察でも触れましたが、そもそも「太刀川慶」というキャラクターそのものがワールドトリガーを「定義付け」ているような気がしますね。
●柿崎国治
実はこのセリフ、初読の時はそんなに記憶に残りませんでした。
というのも、ザキさんの言う通り物語の展開として柿崎隊は「遠征までの通過点」だと思っていたからです
このセリフの捉え方が変わったのはB級ランク戦編の次に遠征選抜試験編が始まり、今まで登場したキャラクターの続投が決まった時です。
ここで初めてザキさんのセリフがいわゆる「綺麗事」ではなく、遠征選抜試験編の「前振り」だったことに気付きました。
ワールドトリガーは「登場人物全員が主人公」というイメージが強い作品ですが、それは登場人物の価値を大切にしているからかもしれませんね。
ちなみにこのザキさんのセリフ、アニメだとさらに感動する(した)のでまだアニメで見てない人は是非見てください!
◯おわりに
ワールドトリガーは「名言製造機」だと思っているので、これからもどんな名言が出てくるか楽しみですね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?