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福島県伊達市霊山散歩記録

2021年10月10日に伊達市の霊山に上ってきました。

霊山の概要

“美しい紅葉で知られる霊山。透き通った紅色が、切り立った凝灰角礫岩の黒褐色のごつごつした岩肌によく映えて、ただただ見とれてしまう。仙人が住むような世界を感じさせる。標高825m。この低い山でどんな高所の山の紅葉にも負けない。日本一と言っても過言ではない。新緑の季節も同様である。秀峰という名に相応しい。
 山上にはかつて慈覚大師が開山したという霊山寺があった。「霊山寺縁起」によれば、三千六百坊を擁していたともいうから、大伽藍であった。南奥州の天台密教の中心であったと考えられる。今は山上の処々に大きな礎石が多数残り、当時の名残りを留めている。後醍醐天皇の皇子義良親王(陸奥国大守、後の後村上天皇)、北畠顕家(鎮守府将軍)らは建武4年(1337)1月8日国府多賀城を棄て霊山寺(霊山城)に移った。霊山城は南朝奥州政府の重要な基地(国府)となった。しかし霊山城は貞和3年(1347)8月ころに落城、霊山寺の建物群も全焼したといわれる。

霊山 - 福島県伊達市公式ホームページ (fukushima-date.lg.jp)“

福島市内からは一時間程度で行ける近場の山です。登ってみると溶岩が固まったってできた地形のためか、かなり複雑な地形をしており、それが様々な奇岩や絶景を作り出しています。また地質の変わり目のためか、絶壁を形成しており、そこからの景色は非常に良いです。

国土地理院の地図より
国土地理院地図の赤色立体地図:複雑な地形がわかる
国土地理院地図の産業技術総合研究所地質調査総合センター地質図

そして、おそらく修験者達が荒行をしたであろう箇所が祭られています。最近では、ザラザラでデコボコとした岩が多いのでロッククライミングを楽しまれる方も多いそうです。

この山を登ってとても印象に残るのが、福島県の伊達市にこれだけ大変に歴史がある山があったことは知りませんでした。またその歴史は関西とかかわりが深く、3代目天台宗座主慈覚大師が開山し、東北における天台宗の中心であったり、また南北朝では後村上天皇が一時期の居住地となったり。
関西の比叡山や奈良の大峰山、吉野山などなどを彷彿とさせます。

ただし、現在ではそれらは全て失われており、ただ紅葉に映える岩々やわずかな草原があるだけでした。
松尾芭蕉が平泉で詠んだ俳句「夏草や 兵どもが夢の跡」が身に染みて感じられる山でした。
関西から来られる方は、意外な歴史的な繋がりを感じられて場所ではないでしょうか。

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