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赤と青の三十一年を巡る旅『赤と青とエスキース』を読んで
今回で5回目の記事となります。しきです。
自分はプロフィールに本の虫と書いているくせ、読書の感想を
書いてこなかったと思い、本記事を。
記念すべき読書感想文1回目は大好きな作家さん、
「青山美智子」様の『赤と青とエスキース』という作品
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では少しきっかけから。
出会い
始めて青山さんの作品を手に取ったのは、
地域の図書館で『木曜日にはココアを』を発見した時です。
当時の私は今と同じように優しい世界が大好きでタイトルから
ミニチュアな人々を映した表紙から、吸い込まれ。
そこからは「月曜日の抹茶カフェ」、「鎌倉うずまき案内所」
2024年本屋大賞にもノミネートされた、
「リカバリー・カバヒコ」などの作品を読んでいきました
ふと『赤と青とエスキース』を拝見していなかったな…と。
丁度前まで読んでいた本が終わったので読んでみることに。
赤と青のこだわり
ここからはネタバレ注意となります
読んで感じた事はジャックが赤と青で描いた
レイの絵画だけでなく一章、二章…の題名に、
ブーとレイの名前に、レイが身につけている服にも赤と青が隠されているという感動でした。
いくつか例を出していきます
題名から物語から
「一章 金魚とカワセミ」
金魚は日本でおなじみのあの赤い魚、
カワセミはこちらの写真のような綺麗な色をしている青い鳥。
![](https://assets.st-note.com/img/1717494000100-tB27K0L7NG.jpg?width=800)
ホームページより
この章にはレイが着ていた赤いニットとブーがプレゼントしたカワセミのブローチ、と他にも仕組みが施されています。
工夫は二章、三章、四章にも。
東京タワー、トマトジュース、赤鬼は赤。
アーツセンター、バタフライピー、青鬼は青。
タイトルからだけでも楽しみを感じます。
RedとBlue。
ブーはブー。レイはレイ。
と読み進めてきた。
その事実はエピローグにて180°ひっくり返ることに。
「ブー」は名を「倉」英語にすると青と見てBlueということに。
ブーのネイティブ発音ではBlueがBooと発音しているように
聞こえてしまう。
という事実を目の当たりにした時…名前にも色が関係していて
とにかく感心しました(興奮気味でした…)
そこから「レイ」も同じような経緯であると知り、
本の題名、『赤と青とエスキース』になった意味が繋がりました
RedとBlue。赤と青。
運命だろ、とブーはとろんとした目で言った。
その通りすぎる。
赤と青とエスキース。
ブーとレイだけにとって大切な絵画ではなく、
話を巡る沢山の人達にとって宝物のようなエスキースなのだと
感じました
物語の進み方
この本はプロローグ、一章〜四章、エピローグ
という構成になっています。
『赤と青とエスキース』の最大の魅力は最後のエピローグで
レイとブーの約三十年間がゆっくりと形を表して征く事。
四章が終わるまで、この恋人達がメインの話は
一章で完結した様な感覚に。
二章では額縁職人とエスキースの話。
三章では漫画家とエスキースの話。
四章ではパニック障害と悩む女性とエスキースの話。
一見全てエスキースだけを巡る話かと思いました。
しかしエピローグを読むと。
すべての話にブーとレイが登場し、愛し合い、時にはぶつかり合う二人が居たのです。
一章から四章まで時は確実に流れていき若い頃とはまた違う
ブーとレイが。
この話で私はたとえ時を超えても愛してくれる人が、愛したい人が居ることには変わりない、としみじみした気持ちに。
初手に戻ってみて、最後に。
プロローグの文。
壁にかかった一枚の絵の前に私は立つ。
その絵は、多くを語り出す。わたしにだけわかる言葉で
わたしは愛しいその姿と向き合い、ほほえみかける。
ああ、いい絵だ。
作品を読み終えたあとにまた読み返すとはじめとは
比べ物にならない程、重い感情が。
芸術作品は時が過ぎようと人の心に残る。
この青山美智子様が書いたこの一冊だって。
その作品以上に心に残ったものは
何より重みがある宝物なのだと感じた今日この頃でした。
6月5日
最近本当に暑くなりだしましたね。
運動不足な私にはとても疲れる1日でした。
今日もお気に入りの曲を聞いてゆったりくつろごう。
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